『お題指令』⑳ #せりふ三題噺 #トランペット踏切冬凪
▼今週のお題
■セリフ
「それ、不法投棄じゃん」
■三題
・トランペット
・踏切
・冬凪
*ボク先輩にお世話になってます後輩です。
宜しくお願い致します。<(_ _)>~✨
*哀愁のトランペット
(元・ コードネーム・後輩 編 )
*特別出演・ ボク・その他 多数・・・
今回の指令・・・・セリフは『 それ、不法投棄じゃん 』
三題は『 トランペット 』『 踏切 』『 冬凪 』。
任務を拒否した時点で身体に内蔵された《起爆カプセル》の
起爆スイッチが起動し瞬時に命が絶たれる・・・
どんな不満があろうと実行するしかない理不尽な任務。
・・・私のスマホに、今でも受信する無意味な指令。
ボク先輩と不思議なBarの女性バーテンダーさんのおかげで
カプセルとも縁が切れて今では自由の身となりました。
司法試験を目指して、私の机の上には六法全書がありますが
決して、仕事を蔑(ないがし)ろにしている訳ではありません。
☆☆☆☆☆
「 それ、不法投棄じゃん?!」
職場で受けた友人からの電話に、思わずタメ口で応えてしまって
反省! ボク先輩からの嗜める視線が怖い・・・?!
「・・・不法投棄ですか?」
「はい。困ったものです。ちょっと現場を確認してきます!」
「わかりました。気を付けてくださいね?
・・・最近では、気の荒い外国の方もいらっしゃいますから。」
「了解です。行ってきます!」
・・・ボクでございます。
自己紹介をさせて頂きます。某市役所で市民課に在籍しております。
本名、大越平 保(おおごしだいら たもつ)と申します!
ボクも・・・理不尽な任務からは、すでに卒業してございます。(笑)
後輩君の名前は 佐々木 遼介(ささき りょうすけ)。
不法投棄 の現場確認、ボクも同行しようかと思いましたが・・・
手許に急ぐ仕事もあり、後輩君に任せることにしました。
行ってらっしゃい・・・・☆
☆☆☆☆☆
ボク先輩の後輩、佐々木 遼介です。
・・・最近は外国人の不法滞在者による山間部での不法投棄も増えていて
困ったものです。友人情報による現場に向かいました。
山の斜面に無造作に投棄された、建物の解体による大量の残骸・・・・
すでに何度も繰り返したと思われます。 許せません!!
証拠物件を確認しつつ、写真撮影を終えて山道を車で走っていると、
夕日に染まった景色が綺麗で・・・・車を止めて車外に。
忘れていたような美しい景色に思わず感動していました。
哀愁の《 トランペット 》の BGMさえ情景に彩りを添えて・・・・
いや、誰??
誰が・・・ こんなところで演奏している?!?
どこかで聴いたことのあるような、古い・・・哀愁に満ちた曲が
夕陽に染まった景色と私の心に 染み渡っていきました・・・・☆
この雄大なコンサート会場で・・・観客は 私一人?
奇跡のような贅沢な出来事に感謝しつつ・・・
同時に、演奏者が誰なのか・・・確認しなければの思いに駆られました。
それほどの・・・・心に残る素晴らしい演奏でした☆
☆☆☆☆☆
山を下りて来た初老の男の手には
トランペットのケースがありました。
私は後に続きます・・・・
老人は《 踏切 》の前で立ち止まり、
何かを考えているようでした。
私は急いで声をかけて・・・・☆
驚いている老人に、無礼ながら・・・お話を伺いました。
かつて、プロのトランペット奏者だったこと。
所属していたバンドの解散後、様々な場で演奏したこと。
夢のような輝く日々と、時代と共に場を失い・・・
やがて、演奏さえ止めて
目的を失って生きてきたこと。離婚後のホームレス生活・・・・
癌を告知され、余命が半年とのこと。etc…
つい、ご老人の人生にまで お付き合いしてしまいました。
「・・・今日を 私の最後の演奏にするつもりでしたが、
踏切の前に立った時、 出来ればあと一度だけ・・・
星空に向かって演奏をしたいと思いました。」
「・・・でしたら、お手伝いさせてください!!」
「・・・えっ?」
☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆
先輩に今日の出来事を伝え、市としての企画を立ち上げた。
☆☆☆☆
当日の野外会場には星空の下、多くの市民が集まった。
もちろん ボク先輩や、ボクさんから連絡の取れた・・・
かつての《 起爆カプセル 》同胞・数人の顔もあった。
全て《 元・コードネーム 》の面々・・・
美女・ホーク・ミミズク・ウルフ・フクロウ・サユリ・白狼
若造・キラー。
・・・私の知らない顔を含め、よく集まったものだと思いました。
もちろんステージ横のスペースには 特設Bar も。
例の Bar のマスターと女性バーテンダーさんの顔も伺えます。
ご老人の最期の演奏には、かつての仲間も参加しました。
老人が手にしたトランペットを空に向けた時・・・
不意に風が止み、一帯に静寂が訪れました。
最初の音が《 冬凪 》を静かに震わせるように始まりました・・・
☆☆☆☆
満天の星空の下
かつての名プレイヤーの
哀愁のトランペットの旋律が
宇宙にまで
響き渡っていきました☆☆☆
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
《了》
(任務完了と共に)

*このお話はフィクションです。
