『みっちゃんと一緒』 #目覚めたら
*初めてですが、参加させていただきます。
「目覚めたら 5才だった」ですね? よろしくお願いいたします。😊
*『みっちゃんと一緒』
「かえりたくない・・・」
みっちゃんがポツリと言ったそんな景色を不意に思い出す。
ほんのり輪郭が見える《新月》の夜には
遠い日の記憶に 呼ばれているような気がする・・・☆
みっちゃんというのは本名が漢字で『光』。呼び名が《みつ》だった。
施設の前に捨てられていた俺が5才になった頃、施設に来た女の子だった。
あの日は夏で、施設の園庭で夜の花火大会が予定されていた。
その前にみっちゃんの母親の迎えが来て、みっちゃんは数日、
園を留守にする予定だったと思う・・・
「どうして・・・かえりたくないの?」
「・・・かえるたびにね、ちがうおじさんがいるの 」
みっちゃんの生活環境など わからなかったけど
みっちゃんを帰したくないと思ったことを 強烈に覚えている。
予定通りみっちゃんの母親が迎えに来て、振り向いた時の
哀しそうだった みっちゃんの顔は忘れない・・・!!
楽しみにしていた花火大会も一緒に見れなくて・・・
次の次の日に、みっちゃんがこの世からいなくなった事を知った。
家が火事になって三人が亡くなったのだという?!
どうして・・・?!?
☆☆☆
・・・そんなことを思い出しながら、俺の住む河原の特等席で
微かに形のわかる新月を見上げていた。
身体の具合から・・・自分の命の終焉を感じていたが 後悔はなかった。
俺は俺の生きたいように生きたと思う。
でも・・・みっちゃん にはそんな機会も与えられなかったんだ!!
強烈な睡魔に襲われて意識が遠のいた・・・
☆☆☆
「かえりたくない・・・」
・・・えっ?
気が付くと、目の前の景色が現実にしか見えなかった。
俺は この先のすべてを知っている・・・?!
5才の俺はみっちゃんの手を取って施設を抜け出した☆
手を引かれながら みっちゃんは笑ってた。
俺も・・・笑ってた!!
二人で大笑いしながら走った・・・!!!
施設を脱走したまま、次の日も隠れたままで二人で過ごした。
隠れ家なら、もってこいの場所も知っていた。
翌々日に二人で園に帰ったが、何故か怒られることもなかった。
このまま二人で過ごす施設での未来が待っている・・・☆
「おにいちゃん、ありがと・・・!」
「ん? どうしたの 急に・・・」
「おにいちゃんが・・・すき!!」
「・・・・!!」
☆☆☆
俺の知らない二人の未来・・・そんな最後の景色を後にして
俺は河原の我が家からの夜空を ボンヤリ眺めていた。
遠くで・・・どこかの花火大会の音が聴こえる。
そういえばあの後で、みっちゃんと一緒に
施設のおまけの花火大会も 見ることができたっけ・・・☆
《地球照》が微かに・・・
新月の笑顔の口に見えて・・・笑えた。
【了】

*このお話はフィクションです。😊
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