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投資銀行出身者がkubellに感じた魅力とは?

はじめまして。kubellの村上と申します。 経営企画ディビジョン IRグループにて、主にIRと財務戦略の立案・実行に携わっています。こちらの記事は、AIやBPaaSをテーマとした、#kubellブログリレーの一記事として執筆しています。

はじめに

私がkubellにジョインしたのは今から2年弱前、2024年7月のことです。kubell入社前は新卒で証券会社に入社して以来、投資銀行業務に10年程度携わってきました。中でも公開引受と呼ばれる部門の所属が長く、IPOを目指す会社の内部管理体制の整備・構築・運用に係るコンサルティングを行っていました。優秀で勤勉な同僚に囲まれ充実した日々を送っていましたが、証券会社の立場から顧客に貢献できるレベル感には一定の限界があります。

「これだ、と思える会社へのコミットメントのレベルを上げたい。」

事業会社の立場で仕事をしたいという気持ちが芽生えるのにそれほど時間はかかりませんでした。既述の通りIPO関連の経験が長かったため、未上場のスタートアップに転職するつもりで企業を見ていました。そんな私がなぜ上場会社であるkubellへの転職に至ったのかお話できればと思います。


仕事を通じて実現したいこと

バブル崩壊直後に生まれた世代として、生きている間中ずっと失われた20年・30年と言われ続けてきました。これが40年・50年となっていかないようにしたい。

昨日より今日、今日より明日がよくなっていくと実感できる社会を作る。

言葉にすると大変に仰々しいですが、そこまで重く捉えているわけではなく、要は楽しかったり、便利になったり、心が満たされたり、そういうポジティブな感情が一つでも多く生まれる社会になったらいいなあぐらいの気持ちです。重要なテーマとして根っこにあり続けています。

企業探しの軸

人によって力点を置くポイントは様々あろうかと思いますが、①課題解決への共感②企業の成長可能性、の2点を特に重視していました。(他にも色々ありますが話が発散するので割愛)

まず①です。全てのビジネスは、誰かの何かの課題を解決するために存在します。解こうとしている問いが自身にとって重要な問いだと思えるか、まさに「これだ」と思えるかどうかの確認ですね。

次に②です。どんなに美しい理念を掲げていても、ビジネスとして成立していなければ持続可能ではありません。むしろ健全に利潤を上げ続けるからこそ企業が存続し、結果的に社会に与えることのできるインパクトの総量は最大化します。未来は不確実なので想像の域を出ませんが、それでも解き方の筋が良さそうかを自分なりに考えていました。

で、kubellはどう映ったか

上記のようなことをエージェントさんに伝え、持ってきてくれた案件をこちらで選別し、興味の有無をフィードバックするというループを何回か回しました。だんだん私のことを分かっていただけたタイミングで「1社だけ、上場企業だけど村上さんに合うと思うから聞いてみてほしい」と紹介されたのがkubellでした。今ここでnoteを書いていることが答えみたいなものですが、確かに自身の志向とかなりマッチしていると感じました。

①課題解決への共感

kubellは「働くをもっと楽しく、創造的に」というミッションを掲げています。

決算説明資料にも毎回登場します。とっても大事にしています。

率直に言って、初見で字面だけ見た時にはあまりピンと来ませんでした。働くを楽しく?なんだそれ??と思ったわけですが、これは私の当時の仕事観に依るところが大きいです。

・仕事は楽しくなくて当然。外食をする、ライブに行く、スポーツを観る、ゲームをする。楽しいことはなんだって、お金を払ってやるもの。仕事はお金をもらうという、逆向きのフロー。だから楽しくなくて当たり前だし、無理して面白がる必要もない。
・ただしこの考えは適当にこなすことを許容するわけではない。プロとして高いアウトプットを出し続ける責任を当然に負う。クオリティには徹底的に拘る。

うるさいですね

というわけで最初は「ん?」という感じでしたが、自分なりに調べていくにつれ少しずつ理解が深まっていきました。kubellは複数の事業を展開していますが、いずれも「ノンコア・非効率からの解放で顧客の生産性向上に寄与する」というコンセプトが通底しているように思われたのです。

ちょうどその時、数年前に"Bullshit Jobs"という本が流行ったことを思い出しました。著者の主張の是非はさておき、bullshit jobsとまでは言わずとも「やらなきゃいけないけど、やりたくないな、面倒だな」と思うことは多くの人にあるはず。こうした面倒ごとをkubellが片付けてくれる。すると、生まれた時間でやりたいことに集中できるようになる。労働者は生き生きと働くことができるようになるし、生産性が上がることで社会全体にもたらされる付加価値も増大していく。シンプルに、めっちゃいいかもと思いました。なるほど、働くをもっと楽しくというのは単にウェイウェイ楽しもうぜという軽薄なノリではなく、働くという営みが本来持つ「何かを作る・何かを残す」という喜びをもっと感じられるようにしよう、そういう主張なのかなと解釈した時、自分が実現したい世界観と方向性がそう変わらないなと腑に落ちました。

②企業の成長可能性

このコンセプトをどうビジネスに落とし込み、一人でも多くのお客様、特にkubellの場合は中小企業のお客様に届けていくのか。この問いに対し、BPaaSというアプローチで、便利ツールの提供ではなくオペレーションそのものを代替するという解き方はかなり正しそうに思えました。本稿で一番語りたいポイントです。

所謂「IT企業」に所属していながらこんなことを言っていいのか分かりませんが、私自身は「ぼくのかんがえたさいきょうのプロダクト」を野に放てば立ち所に課題が解決する、という考え方には与しません。なぜか。私が足繁く通う大好きなベーカリーを念頭に簡単なケースを考えてみます。

Geminiで生成。ちなみに最近メロンパンにハマっています

08:00に開店し19:00に閉店するとしましょう。開店前に店頭に並べるパンを焼き、イートインスペースの準備をし、店舗の清掃もします。一日の始まりは06:00、あるいは05:00かもしれません。オープンするとひっきりなしにお客さんが訪れ、接客・会計をこなす傍ら、出数に応じてパンを補充していきます。モーニング〜ブランチ〜ランチ〜カフェタイムと絶え間なく忙しい時間が続き、ゆっくり食事をとる時間もなさそうです。空いた時間も帳簿をつけたり仕入を手配したりバイトのシフトを調整したりSNSの運用に時間を割いたりと業務はなくなりません。夕方を過ぎると少しずつ客足は落ち着いてきますが、今度は翌日に向けた準備と締め作業に追われていきます。なんやかんやで店を後にするのは20:00を過ぎるでしょう。

粗いかつシンプルな想像ですが、しかしそこまで実態と乖離しているわけでもないようにも思われます。さて、このベーカリーに「業務効率化のために便利ツールを導入しよう」という力学が働くでしょうか?答えは否。あまりに時間がないのです。ただでさえ現場のオペレーションで忙しいのに、新しいツールの導入を検討し、似たような他社サービスと比較しながら、最大限に効果を得るために業務フローに手をつける余裕など殆どないでしょう。そしてこの傾向は、事業者の規模が小さいほど強まっていきます。

さらに、ツールの提供者側にも、中小の事業者向けにビジネスを展開する動機がないケースが多いです。①全国に点在し②1社1社のバジェットが小さい、という特徴を持つ中小企業に広くあまねくサービスを展開しようとすると、セールスマーケの採算が合わないためです。

ざっくりまとめると、中小企業においては、需要側・供給側の双方が構造的な課題を抱えているため、「どんなにいいサービスをローンチしても、なかなか浸透していかない」という実態があるわけです。

中小企業庁「2025年版中小企業白書」より弊社作成

この事実は生産性にも表れており、上のグラフが示すように中小企業の労働生産性は30年横ばいで推移しています。大企業とは対照的なのがお分かりいただけると思います。大企業は人材を豊富に抱えるため、フロント/ミドル/バックの業務が分離していることが一般的です。事業部は事業に集中でき、管理部は管理に専念できる環境にあるため、ワークロードの負荷が低く、結果的にそもそもの生産性が高くなりやすい。DX/AXに手をつける余裕もあるため更にレバレッジがかかる。こういう構造になっています。

中小企業ではそうはいきません。先のベーカリーのように、ただでさえ現場仕事が忙しい中、(大企業で言うところの)バックオフィス業務まで限られた人員数でカバーしなければなりません。効率化を進めたいというペインは明確にある。でもテックは処方箋になりにくい。

そこで登場するのがBPaaSです。単なるツールの提供から更に深く踏み込んで、バックオフィスのオペレーションを丸ごと引き受けます。顧客はチャットで業務を依頼するだけ。kubellがこれを代行し、アウトプットをお返しするという仕組みです。裏側では業務プロセスの標準化(kubellでは「型化」と呼んでいます)を進め、そこにAIを当てることで効率的に処理し、kubellとしての採算も確保します。BPaaSの詳細は以下の桐谷のnoteに譲りますが、課題解決のhowとしては圧倒的にリアルなアプローチだと思いました。

でも、ついさっき「中小企業に広くあまねくサービスを展開しようとすると、セールスマーケの採算が合わない」って言ってなかったっけ?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ここで、Chatwork×BPaaSという唯一無二の事業ポートフォリオが強烈に利いてきます。

Chatworkは登録ID数ベースで806.6万、社数ベースでは97.3万(※いずれも2025年12月末時点)のお客様にご導入いただいている巨大なプラットフォームです。このお客様全てが、BPaaSの潜在顧客となり得るのです。既に接点を持たせていただいているお客様にセールスをかけられるので、0→1で起こす場合と比較すると、当然CAC(Customer Acquisiton Cost、顧客獲得単価)は著しく低くなります。チャットというインターフェースを有するが故に、「タスクの依頼」という発注体験もシームレスなものとなります。

さらにChatworkは、①誰もが簡単に利用できるシンプルな設計で②社外のユーザーとも容易に接続でき③フリーミアムモデルを採用しているため負担感なく導入でき④既に多くのユーザーが存在する事実自体がネットワーク効果を発揮する、という特徴を有しているため、プロダクトが半ば自律的に新規顧客を獲得する状態になっています。ただでさえ大きなプラットフォームが時間の経過に伴って更に大きくなり、これに比例してBPaaSの商機もどんどん生まれていきます。これは稀有なポジションだな、と感じました。


日本は中小企業の国です。社数ベースで99%以上、就労人口ベースで約70%を占めています。ここの生産性を上げられれば社会への善なるインパクトは非常に大きい。そしてマーケットが巨大であるが故に、これを実現できる事業者は間違いなく成長する。30年にわたって中小企業の生産性が上がってこなかったのは、誰が悪いわけでもなく、構造的にuntouchedになってしまっていたというだけの話です。

kubellはこの難問に真正面からぶつかれる、数少ない企業なのでは?

これが入社を決めた最大の理由です。

おわりに

kubellがBPaaSを本格的に始めたのは2023年。その特長を文字に書くとトントン拍子で上手くいきそうに見えますが、実際には新規事業ゆえのハードシングスを様々に経験しています。それでも立ち上げから僅か2年で売上高10億円を突破する事業になりました。トップラインベースでは、Chatworkに並ぶ「第二の柱」へと急速に成長を遂げつつあります。そして、業務の型化とAIの当て込みによる生産性の劇的な改善が見られる日もそう遠くないと信じています。飛躍的な成長に向けて、今まさに最後の助走に入ったのかなと思っています。kubellの挑戦を、是非ご注目いただけると嬉しいです。


※本noteの発信は筆者個人の見解に基づく一般的な情報提供を目的としたものであり、所属する組織を代表するものではありません。また、投資助言や特定の銘柄・金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。


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