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🎸 Guitar名曲てんこもりカプリス第7番 軽やかさは、技術の上にしか生まれない



🎸 Guitar名曲てんこもり

カプリス第7番


――軽やかさは、技術の上にしか生まれない

ギタリスト・エリカと Luigi Legnani のウイットある対話




はじめに|名曲てんこもりという「軽そうで重たい本」

エリカ
このブログは、クラシックギターを学ぶ人なら一度は手に取る、
あの有名な曲集 「Guitar名曲てんこもり」 に収録されている曲を、
順番に味わっていく連載です。
タイトルは親切そうなのに、中身は意外と容赦がない。
開いた瞬間に「今日は大丈夫かな」と自分に問いかける、
そんな不思議な一冊ですよね。

レニャーニ
名前がやさしいほど、内容が厳しい。
音楽の世界では、よくある話だ。

エリカ
まさにそれです。
可愛らしい小品の隣に、
平然と技術と集中力を要求する曲が置いてある。
名曲てんこもり、油断できません。

レニャーニ
だが、その油断こそが練習を面白くする。


今日の一曲|カプリス第7番


エリカ
さて今日の一曲は、
譜面を見た瞬間に「軽そう」と思わせておいて、
弾いた瞬間に現実を突きつけてくるこの作品。
**《カプリス第7番》**です。

レニャーニ
ほう。
ずいぶん正直な感想だな。

エリカ
だって先生、
この曲、音は跳ねているのに、
指は全然跳ねさせてくれないじゃないですか。

レニャーニ
それでいい。
軽く聴こえる音楽ほど、内部は忙しい。



カプリスとは「気まぐれ」ではない

エリカ
カプリスって、「気まぐれ」って意味ですよね。
もっと自由な曲だと思っていました。

レニャーニ
そこが最初の勘違いだ。
カプリスは、
自由に聴こえるように作られた訓練曲だ。

エリカ
自由“風”なんですね。

レニャーニ
そう。
制御できない自由は、
音楽ではただの事故になる。

エリカ
……耳が痛いです。


第7番の正体|跳ねているのは音、ではなく神経


エリカ
この第7番、
スタッカートっぽく軽快なのに、
少しでも気を抜くと崩れます。

レニャーニ
それは、
跳ねているのが指ではなく、
神経だからだ。

エリカ
神経……。

レニャーニ
音と音の距離感、
右手と左手のタイミング、
それらが常に噛み合っていないと、
軽やかさは一瞬で消える。

エリカ
なるほど。
速さより、精度。

レニャーニ
速さは結果にすぎない。


弾くと分かる「ごまかせなさ」


エリカ
この曲、
勢いで押し切ろうとすると、
急に雑音になります。

レニャーニ
そうだ。
第7番は、
ごまかしを拒否する明るさを持っている。

エリカ
明るいのに、容赦がない。

レニャーニ
明るい音楽ほど、
汚れは目立つ。

エリカ
笑顔の裏で、
めちゃくちゃ厳しい先生ですね。

レニャーニ
褒め言葉として受け取ろう。


軽やかに聴こえる演奏の条件


エリカ
軽く弾こうとすると、
どうしても指が力んでしまいます。

レニャーニ
それは、
軽くしようとしているからだ。

エリカ
……え?

レニャーニ
軽やかさは、
結果として現れるものであって、
目的にしてはいけない。

エリカ
つまり、
正確に、丁寧に、
でも迷わず。

レニャーニ
その通り。
音の一つ一つを信用しなさい。


聴く側にとってのカプリス第7番


エリカ
聴いている側からすると、
この曲って、
「楽しそう」って印象が強いですよね。

レニャーニ
それで成功だ。

エリカ
成功……?

レニャーニ
演奏者の苦労が見えた瞬間、
この曲は失敗する。

エリカ
なるほど……。
裏側が見えない軽やかさ。

レニャーニ
それが、
カプリス第7番の理想だ。


おわりに|名曲てんこもりの中で、この曲が教えてくれること


エリカ
「Guitar名曲てんこもり」には、
歌う曲も、情熱的な曲も、
深く考えさせる曲も入っていますけど……
このカプリス第7番、
かなり異質ですね。

レニャーニ
だが重要だ。

エリカ
はい。
この曲があることで、
「軽やかさとは何か」
本気で考えさせられます。

レニャーニ
軽さは、才能ではない。
積み重ねの結果だ。

エリカ
……今日も、
軽やかに弾ける日を夢見て、
重たい基礎練習をします。

レニャーニ
それでいい。
軽やかさは、
いつも後から追いついてくる。



次回も 「Guitar名曲てんこもり」収録曲 を、
一曲ずつ、音楽の性格が立ち上がる形で紹介していきます。
譜面の前に、曲の本音を知る。
それが、この連載のテーマです。

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