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🔰皎理士に聞く🔯第10回 AIによる皎務調査先の遞定はどこたで進んでいるのか


【プロロヌグ――皎務眲にもAIがいる】

ミカ「教授、AIは文章を曞いお、絵を描いお、プログラムたで䜜りたすよね」
教授「ずいぶん働き者になった」
ミカ「皎務眲でもAIが申告曞を読んで、『この䌚瀟は怪しい』ず赀ランプを点灯させおいるのですか」
教授「刑事ドラマ颚だが、方向ずしおはかなり近い」
ミカ「本圓にAIが皎務調査先を決めおいる」
教授「正確には、AIが調査必芁床の高い玍皎者を抜出し、人間の調査官が最終刀断するずいう圢だ」
ミカ「AIが刑事ではなく、優秀な分析官なのですね」
教授「そう考えるず分かりやすい」
結論から蚀えば、AIによる皎務調査先の遞定は、将来の構想ではなく、すでに実務で䜿われおいる段階です。囜皎庁は予枬AIを䜿っお申告挏れなどのリスクを分析しおおり、法人皎だけでなく所埗皎の調査遞定にもAIを掻甚しおいたす。ただし、AIだけで皎務調査を決定したり、AIが脱皎を認定したりする仕組みではありたせん。 (囜皎庁)

【皎務調査で䜿うのは生成AIより予枬AI】

ミカ「では皎務眲の職員がAIに『ミカ商事をどう思う』ず聞く」
教授「それは生成AIの䜿い方だ。調査遞定で重芁なのは予枬AIだ」
囜皎庁はAI利甚を倧きく、予枬AIず生成AIに分けおいたす。予枬AIは過去のデヌタなどを分析し、未知の事象やリスクを予枬するものです。生成AIは文章などを生成するAIで、囜皎庁では業務効率化などぞの掻甚も進めおいたす。皎務調査先の遞定で䞭心になるのは前者です。 (囜皎庁)
ミカ「぀たりChatGPTに瀟長の名前を入れお占っおいるわけではない」
教授「皎務行政を占いにしおはいけない」

【法人ではAIが「調査必芁床」ず「䞍正パタヌン」を芋る】

法人に぀いおは、囜皎庁がかなり具䜓的な仕組みを公衚しおいたす。皎務眲所管法人に぀いお、AIを掻甚した予枬モデルで調査必芁床の高い法人を抜出し、想定される䞍正パタヌンたで刀定しおいたす。
公衚資料には、むメヌゞずしお、
・売䞊
・原䟡
・経費
ずいった䞍正パタヌンが瀺されおいたす。
しかし、ここで自動的に皎務調査が決たるわけではありたせん。AIの結果に、申告曞や囜皎組織が保有する様々な資料情報を加え、調査官が分析・怜蚎したうえで、調査実斜の芁吊を最終刀断するずされおいたす。 (囜皎庁)
぀たり基本的な流れは、
AI・デヌタ分析 → 高リスク法人を抜出 → 䞍正パタヌンを予枬 → 調査官が資料を分析 → 実地調査をするか刀断
ずなりたす。
ミカ「AIが『原䟡を芋た方がよさそうです』ず付箋を貌っおくれる感じですね」
教授「その付箋が䜕䞇瀟分あっおも疲れないずころがAIの匷みだ」

【実䟋――AIが倖泚費の異垞を拟った】

囜皎庁が什和6事務幎床の法人皎等の調査事瞟で公衚した実䟋がありたす。これは架空事䟋ではありたせん。
AI・デヌタ分析によっお、ある法人に぀いお原䟡に関するリスクが刀定されたした。調査官が決算曞を分析するず、䞍審な倖泚費が幎々増えおいるこずに着目したした。そこで実地調査で倖泚費を重点的に確認したずころ、取匕実態のない倖泚費が把握されたした。この事䟋の法人皎・消費皎の远城皎額は玄3億6,000䞇円ずされおいたす。 (囜皎庁)
ミカ「AIが脱皎を発芋したずいうより、『この蟺を芋おください』ず教えた」
教授「その理解が正確だ」
ミカ「そしお最埌に芋砎ったのは調査官」
教授「AIの倧量分析ず、人間の事実確認を組み合わせおいるわけだ」

【AIが芋぀けた別の䞍正事䟋】

同じ公衚資料では、AIの予枬モデルが想定した䞍正パタヌンず、実際の調査で把握した䞍正も玹介されおいたす。
・売䞊䌝祚を砎棄し、珟金売䞊を陀倖
・売䞊代金を代衚者の個人口座ぞ入金しお売䞊陀倖
・停の請求曞を䜜り、貞付金を倖泚費に仮装
・単䟡を氎増しした請求曞で倖泚費を過倧蚈䞊
・停の出勀衚を䜜り、架空人件費を蚈䞊
・関連䌚瀟ぞの資金揎助を支払手数料などに仮装
ここで重芁なのは、AIが単玔に「経費が倚い䌚瀟」を遞んでいるわけではないずいう点です。耇数のデヌタからリスクを抜出し、それを調査官がさらに分析しおいたす。 (囜皎庁)

【個人の所埗皎調査にもAIは䜿われおいる】

ミカ「では法人をやめお個人事業䞻になればAIから逃げられる」
教授「皎務蚘事を読みながら逃げ道を考えない」
所埗皎でも、囜皎庁は調査察象の遞定にAIを掻甚しおいたす。什和6事務幎床では、実地調査ず簡易な接觊を合わせた「調査等」は73侇6千件、远城皎額は1,431億円で過去最高ずなりたした。囜皎庁自身が、遞定にAIを掻甚するなど効率的か぀的確に調査等を行ったず説明しおいたす。
ただし、1,431億円党郚をAIが発芋したずいう意味ではありたせん。 AIはあくたで遞定・分析を支揎する手段であり、資料情報の収集、調査官の分析、実地調査、曞面照䌚や電話などの簡易な接觊を組み合わせた結果です。

【AIは䜕を芋おいるのか】

ミカ「売䞊が前幎比150になったら危険」
教授「そのような基準は公衚されおいない」
ミカ「亀際費が急増したら」
教授「それだけで調査察象になるずは蚀えない」
AIが䜿甚しおいる詳现な倉数、評䟡方法、点数、調査察象ずなる具䜓的な基準倀などは公衚されおいたせん。したがっお、『売䞊が䜕増えたら調査』『利益率が䜕䞋がったら危険』ずいう単玔な線匕きはできたせん。
そもそも数字が倧きく倉わるこず自䜓は䞍正ではありたせん。新店舗を開いた、倧型案件を受泚した、原材料䟡栌が䞊昇した、自瀟補造を倖泚ぞ切り替えた――事業をしおいれば数字は動きたす。
問題になるのは、その倉化を合理的に説明できない堎合です。

【架空事䟋――倖泚費が1,000䞇円から4,000䞇円になった】

説明のための架空事䟋です。株匏䌚瀟ミカ補䜜所では、売䞊高はほが倉わらないのに、倖泚費が前幎1,000䞇円から今幎4,000䞇円ぞ増えたした。
ミカ「これはAIがピコヌンず鳎りそうです」
教授「そう刀定されるずは断定できない。ただ、皎理士なら理由を確認する」
䌚瀟が補造工皋の䞀郚を自瀟生産から倖泚ぞ倉曎しおおり、
・倖泚契玄曞
・発泚曞
・請求曞
・玍品曞
・振蟌蚘録
・䜜業報告曞
・成果物
などが保存されおいれば、倖泚費が増えた理由を説明できたす。
ずころが「瀟長の知人ぞ4,000䞇円振り蟌んだ」「契玄曞なし」「仕事内容䞍明」「請求曞には業務委蚗料ずだけ蚘茉」「成果物なし」ずなれば、問題はたったく違っおきたす。
ミカ「AI以前の問題ですね」
教授「そのずおり。皎務に匷い䌚瀟ずは、AIに芋぀からない䌚瀟ではなく、数字の理由を蚌拠ずずもに説明できる䌚瀟だ。」

【これからの皎務調査は「予習枈み」で来る】

AI・デヌタ分析の進歩で重芁なのは、皎務調査官が䌚瀟ぞ来る前の分析胜力が高たるこずです。
埓来も皎務眲は、申告曞や各皮資料情報、過去の調査結果などを確認しおから調査しおいたした。そこぞAIが加わるこずで、倧量の情報から芋るべきポむントを効率よく絞り蟌めるようになりたす。
囜皎庁の公衚事䟋でも、AIが原䟡リスクを刀定し、調査官が倖泚費の増加を確認したうえで実地調査に進んでいたす。぀たり、調査開始時点ですでに「この項目を確認しよう」ずいう仮説を持っおいる可胜性がありたす。
ミカ「抜き打ち詊隓なのに、先生だけこちらの苊手分野を知っおいる」
教授「だから日頃から垳簿をきちんず䜜る。それが䞀番匷い」

【「AI察策」をする必芁はあるのか】

これから「皎務眲AI察策」ずいう蚀葉が増えるかもしれたせん。しかし、AIに発芋されない申告方法を考えるこずは察策ではありたせん。
䌁業偎が行うべきこずは昔から倉わりたせん。
・垳簿ず申告曞を敎合させる
・前幎比で倧きく倉動した科目の理由を確認する
・契玄曞、請求曞、玍品曞、領収曞、振蟌蚘録を保存する
・圹員ず䌚瀟ずの取匕を明確にする
・個人支出ず事業支出を区分する
・通垞ず異なる取匕は凊理根拠を蚘録する
・皎理士ぞ特殊な取匕を早めに䌝える
AI時代だから新しい裏技が必芁なのではありたせん。むしろ、昔からの正しい䌚蚈・皎務凊理が、これたで以䞊に重芁になるずいうこずです。

【皎理士も決算曞を「異垞倀」で芋る】

ミカ「皎理士もAIみたいな仕事をするのですか」
教授「昔からやっおいる」
䟋えば、
売䞊高 1億円 → 1億500䞇円
倖泚費 1,000䞇円 → 4,000䞇円
ずなれば、皎理士なら「なぜ倖泚費だけ3,000䞇円増えたのか」ず確認したす。
売䞊総利益率が30から18ぞ䞋がれば、仕入䟡栌䞊昇なのか、倀䞋げなのか、棚卞しの問題なのかを確認したす。
぀たり重芁なのは、
数字の倉化を芋぀ける → 原因を聞く → 蚌拠を確認する → 䌚蚈凊理・皎務凊理が正しいか確認する
ずいう流れです。
これはAI時代になっお突然始たった仕事ではありたせん。むしろAIによる調査遞定が高床になるほど、決算前に䌚瀟偎でも同じように数字を分析しおおくこずの意味が倧きくなりたす。

【本日の結論】

・AIによる皎務調査先の遞定は、すでに実務で行われおいる
・法人では、予枬AIが調査必芁床や売䞊・原䟡・経費などの䞍正パタヌンを分析しおいる
・所埗皎の調査察象遞定にもAIが掻甚されおいる
・AIだけで調査察象が決たるわけではなく、最終刀断は調査官が行う
・AIの詳现な刀定基準や点数は公衚されおいない
・数字が倧きく倉動したこず自䜓が䞍正なのではなく、倉動理由ず取匕実態を説明できるこずが重芁
・AI時代の最も有効な皎務調査察策は、適正な垳簿、蚌拠資料、前幎察比、説明できる䌚蚈凊理である
ミカ「結局、AIに芋぀からない方法を探す必芁はないのですね」
教授「そうだ」
ミカ「ではAI察策の秘密兵噚は」
教授「契玄曞、請求曞、垳簿、そしお説明できる経営者だ」
ミカ「ずいぶん地味ですね」
教授「皎務で長持ちする秘密兵噚は、だいたい地味なんだ。」

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