見出し画像

🌈ハッピーアワー🔯002|AIで賢くなる人、そうでない人


【AIを使えば賢くなるのか】

レイコ「おじいちゃん、AIを使えば誰でも賢くなるの?」
オトキチ「ならん」
レイコ「早いね」
オトキチ「高級な包丁を買っただけで料理人になれるか?」
レイコ「ならない」
オトキチ「ギターを買っただけでギタリストになるか?」
レイコ「ならない」
オトキチ「ならAIを契約しただけで賢くなる理由もない」
レイコ「月額料金に知能は付いてこないからね」
AIは質問すれば、かなり立派な文章を返してくる。
ところが怖いのは、立派な文章が返ってくることと、自分が理解したことは別だということである。
オトキチ「知らんことを聞いて、知らん答えが返ってきたらどうする?」
レイコ「調べる」
オトキチ「それが普通じゃ」
レイコ「しない人は?」
オトキチ「『なるほど!』で終わる」
レイコ「危ない」
オトキチ「さらに翌日には、その話を昔から知っていたような顔で人に説明する」
レイコ「知識より自信の成長が速いね」
オトキチ「AIで賢くなったんじゃなく、自信満々のアホが完成しただけじゃ

【YouTubeも、見る人を映す鏡】

レイコ「でも、それってAIだけの話?」
オトキチ「いや。YouTubeを見ればよく分かる」
レイコ「YouTube?」
オトキチ「料理を真面目に調べる人が、包丁の使い方、出汁の取り方、発酵食品の動画を見続ける」
レイコ「うん」
オトキチ「すると、そのうちホーム画面が料理教室みたいになる」
レイコ「あるある」
オトキチ「ところが『芸能人が激怒!』『これを知らない日本人は損!』『医者は絶対に教えない!』みたいな動画ばかりクリックする人がおる」
レイコ「タイトルがもう騒がしい」
オトキチ「一本見る。次も見る。また見る」
レイコ「すると?」
オトキチ「ホーム画面一面が、世の中の誰かが怒り、誰かが隠し、誰かが暴露し続ける世界になる」
レイコ「世界が大事件だらけ」
オトキチ「本人はますます確信する。『やっぱり世の中は大変なことになっとる』とな」
レイコ「自分で選んだ動画なのに」
オトキチ「そこが面白い。自分が選んだ情報に囲まれて、それを世の中全体だと思い始める
レイコ「YouTubeがアホにしたの?」
オトキチ「違う。入口は本人じゃ」
レイコ「厳しいなあ」
オトキチ「料理を見れば料理が増える。陰謀を見れば陰謀が増える。猫を見れば猫だらけになる」
レイコ「最後だけ平和」
オトキチ「わしのYouTubeは最近、ギターと猫ばかりじゃ」
レイコ「かなり安全な世界だね」

【AIも同じように増幅する】

レイコ「じゃあAIもYouTubeと似てる?」
オトキチ「似とる。使う人が何を求めるかで、結果が変わる」
レイコ「例えば?」
オトキチ「『この考えの弱点を教えてくれ』と聞く人もいる」
レイコ「ちゃんと考えたい人だね」
オトキチ「一方で『わしの考えが正しい理由を10個挙げてくれ』と聞く人もいる」
レイコ「最初から結論が決まってる」
オトキチ「そこで立派な文章が10個返ってきたらどうなる?」
レイコ「自信満々になる」
オトキチ「そうじゃ。しかも今度は『AIもそう言っとる』という強力な援軍まで付く」
レイコ「一人で間違っていたのが、二人になった気分」
オトキチ「人工知能との夢の共演じゃ」
レイコ「夢じゃなくて事故だよ」
AIは魔法の知能ではなく、むしろ増幅器なのかもしれない。
調べる人には調査力を増幅する。
考える人には思考を増幅する。
学ぶ人には学習速度を増幅する。
そして、自分の思い込みだけを確認したい人には――。
オトキチ「思い込みを高速化する」
レイコ「高速道路に乗せちゃった」

【AI時代ほど勉強がいる】

レイコ「でもAIがもっと賢くなったら、勉強はいらなくなるんじゃない?」
オトキチ「逆じゃと思う」
レイコ「どうして?」
オトキチ「知識があるから、『これは変だ』『別の資料も見よう』『この数字は本当か』と気づける」
レイコ「知らなかったら?」
オトキチ「全部もっともらしく見える」
レイコ「なるほど」
オトキチ「昔はアホなことを言うにも、自分で文章を考える必要があった」
レイコ「最低限の努力は必要だった」
オトキチ「今はAIが立派な文章にしてくれる」
レイコ「文明の進歩なのかな」
オトキチ「アホにも文章力が与えられた
レイコ「そこだけ切り取られたら怒られるよ」
AIが賢くなればなるほど、人間には「何を聞くか」「何を疑うか」「何と比べるか」が重要になる。
便利な道具は、人間の能力を不要にするのではなく、使う側の差を大きくすることがある。
YouTubeもAIも、こちらが何を求めるかを静かに映している。
オトキチ「結局、AIを使って賢くなる方法は簡単じゃ」
レイコ「何?」
オトキチ「AIの答えを鵜呑みにせず、自分でも勉強する」
レイコ「普通だね」
オトキチ「結局、最後はそこへ戻る」
レイコ「で、今日は何を勉強するの?」
オトキチ「まずAIに聞いてみる」
レイコ「全然戻れてないよ」

いいなと思ったら応援しよう!