The Pogues feat. Kirsty MacColl - Fairytale of New York (1987)
12月に入るとクリスマス・ソングの話題があがってきます。チャート的には今年はついにMariah CareyのAll I Want To Do Is Chrismas With You(18-24年全米1位「恋人たちのクリスマス」)が歴代1位獲得週の記録更新なるか、ということでしょうか。まあなるでしょうし、もうどうでもいいやという感じです。
自分にとって一番好きなクリスマス・ソングといえば、リリース時からこの曲に決まっています(もう1曲ありますが次回紹介します)。アイリッシュ・ロックの雄The Poguesと英国インディ・ロックの歌姫Kirsty MacCollの「ニューヨークの夢」。87年全英2位で、その後クリスマスのたびに何度もTop10入りを果たしています。ちなみに87年にこの曲の1位を阻んだのはPet Shop Boysのやはりクリスマス企画Always On My Mindでした。
男女の運命的な出会い、思い通りにならずお互いを罵倒する日々、そして双方現状を受け入れたうえで残された幸せを・・・その間に同じフレーズが入ります。
The boys of the NYPD choir still singing "Galway Bay"
And the bells were ringing out for Christmas day
Galway BayはBing Crosbyらで有名な曲で、タイトルはアイルランドの地名です。実はNYPDはこの曲を演奏することはなく、というか合唱団自体持っていないのですが、アイルランド色を強調するために用いられたのでしょう。
英国やアイルランドでクリスマス・ソングの人気投票を行うと、母集団によってはMariah CareyやWham!を凌ぎ1位になることもあります。これだけ有名なので色々な考察がされています。機会があればぜひ調べてみてください。
さて、Kirsty MacCollはこれから順調にキャリアを積もうとした矢先、休暇先のメキシコのビーチでルール無視のプレジャーボートに衝突され、子供の目の前で命を奪われます。2000年12月18日、クリスマス直前でした。ボートはメキシコの大金持ちの所有物でしたが運転していたのは一般人。彼の収入に応じ、極めて少額の罰金と少しだけの刑期となりました。
これで許せるわけがないKirsty側はJustice for Kirsty campaignという活動を始めます。行政への調査請求の結果当時の連邦捜査官の職権違反が暴かれ、事件を風化させないためBBCやU2のBonoも動きました。この件はボートの所有者の死とともに一定の終結となり、キャンペーンの意思はメキシコのNGOへと引き継がれました。
The PoguesのヴォーカリストShane MacGowanも2023年に亡くなっています。毎年今頃になると一緒に歌っていることでしょう。
