経営者が育休をとる
育児休業は当然必要だと思っている。
むしろ、もっと長くてもいいんじゃないかと思う。
2歳と3歳で、子どもが急に変わるわけではない。
小さい子どもを育てるには時間がかかる。
小学校に入れば学童という選択肢も出てくる。
だから、せめて小学校に入るくらいまでは、もっと子育てに時間を使える社会でもいいと思う。
ただ、それを会社に背負わせるのは無理がある。
特に中小企業には厳しい。
うちのような20人程度の会社で、一人が育休に入ったとする。
20人のうち一人だから、5%の戦力が抜ける。
実際にはそんな単純な話ではない。
その人の仕事を一緒にやっているのは、3人とか5人くらいだったりする。
そこから一人が長期間抜ける。
残った人の負担はかなり大きい。
じゃあ、代わりの人を採用すればいい。
それも簡単ではない。
まず採用するのに時間がかかる。
採用できても、仕事を教えるのに時間がかかる。
やっと一人前になってきたころに、育休に入っていた社員が復帰する。
そうしたら、新しく採用した人には何をやってもらうのか。
会社が成長して、仕事がどんどん増えているならいい。
そうでなければ、二人分の仕事はない。
国には、育休中の仕事を代わりにする社員への手当や、代替要員を採用した企業への助成制度もある。
ありがたい制度だと思う。
でも、お金をもらえば人が採用できるわけではない。
お金をもらえば、その人が一人前になるわけでもない。
復帰したときに、二人分の仕事が生まれるわけでもない。
ここが中小企業には難しい。
もう一つ、ずっと違和感がある。
育休を取る人の権利は守られている。
それは必要だと思う。
でも、その人が休んでいる間に仕事をする人はどうなるのだろう。
誰かがやらなければ、会社は回らない。
「育休は権利だから当たり前」
それだけで終わってしまったら、残った人たちはどう思うだろう。
休む人を守ることと、残って働く人を守ること。
両方必要だと思う。
そして、ここで経営者のことを考える。
経営者だって同じ人間だ。
子どもが生まれれば、育児もする。
でも代表取締役などの会社役員は、原則として雇用保険の被保険者ではない。
社員と同じ育児休業給付を受ける仕組みにはなっていない。
女性経営者なら、もっと大変だと思う。
子どもを産むのは同じなのに、社員なのか経営者なのかで制度上の扱いが違う。
自分は同じようには休めない。
その一方で、社員が育休を取れば、その間の会社をどうやって回すのかを考えるのも経営者だ。
なんだか不思議だと思う。
私は、育休を短くした方がいいとは思っていない。
逆だ。
もっと子どもと一緒にいられる社会にした方がいいと思う。
でも、それならその負担を勤務先の会社だけに背負わせるのではなく、もっと社会全体で負担する仕組みにできないのだろうか。
大企業と20人の会社では、一人が抜ける重さが全然違う。
大企業なら人員にも余裕があるかもしれない。
会社によっては保育施設を用意することだってできる。
中小企業には、そんな余裕はなかなかない。
育休をもっと充実させる。
その代わり、国ももっと負担する。
代わりに仕事をする人にも、きちんとお金が回る。
中小企業が代替要員を雇っても、その後まで抱えられるような仕組みを考える。
子育てをする人。
その仕事を代わりにする人。
会社を続ける人。
そして経営者だって、同じように子どもを育てている。
誰か一人に負担を寄せるのではなく、もう少し全体で支えられないものだろうか。
育休はもっと長くてもいい。
でも、それを本当に実現したいなら、中小企業でも続けられる制度にしないと無理だと思う。
皆さんはどう思いますか。
育休を取った人、代わりに仕事をした人、経営者。
それぞれの立場から、コメントをもらえたら嬉しいです。
