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自治体DX推進計画って何?標準化後の自治体DXはどうなるか解説!~ゆっくり学べる自治体DX~

霊夢:
はぁ……。また役所から分厚いPDFの束が届いたわ。「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画【第5.0版】」? もう「5.0」って何よ。スマホのアプリじゃないんだから。結局、今までと何が変わったのよ? そもそも自治体DXって何よ!

魔理沙:
やれやれ、相変わらず不勉強だな霊夢は。自治体DXについては解説記事が色々出ているぜ。

今回の「第5.0版」は、今までの「とりあえずやってみよう」期間が終わって、「逃げ場のない強制連行」期間に入ったってのが一番の変更点だぜ。

霊夢:
嫌な言い方ね。具体的に何が変わったのか、3行で教えてくれない?


1.終わりなき自治体DXを生きる

魔理沙:
3行は無理だが、ポイントは絞れるぜ。
まず、「計画期間」が消滅した 。 これまでは「令和7年度末まで」ってゴールテープが見えてたんだが、今回から期間設定を廃止したんだ。つまり、「終わりのない無限マラソン」へようこそってことだ。

霊夢:
うげっ、地獄じゃない。ゴールがないなら走る気失せるわよ。

魔理沙:
国としては「DXに終わりはない」って建前だが、本音は「終わるわけねーだろ、お前らが完遂するまで鞭を打ち続けるぞ」って意思表示だな。

2.標準化から共通化へ

魔理沙:
次にデカいのが、「共通化」が独立したボスキャラに昇格したことだ 。

霊夢:
共通化? 今までも「標準化」とか言ってなかった?

魔理沙:
そこがミソだ。今まで言われてた「標準化」は、基幹20業務(住民票とか税金とか)について「みんなで同じ規格の道具を使おう」レベルだった。

でも第5.0版での「共通化」は、「そもそも道具(システム)を一つにして、みんなでシェアしろ」ってことだ。
具体的には、「ガバメントクラウド」上に作られた共通アプリを、カスタマイズなしでそのまま使う(SaaS利用)。これによって、市町村はシステムのメンテから解放される代わり、独自のやり方は捨てなきゃならない。
「ウチの村独自のシステムがいいんです~」なんて寝言はもう通じない。「国と地方でトータルコストを最小化する」って名目で、個別のカスタマイズは悪即斬だ 。

3.市町村事務の再編・統合への布石

霊夢:
なるほどね。「お前らのオリジナリティなんて無駄金だ」ってことね。辛辣ぅ。
でも、標準化・ガバクラ移行の対応でも4割の自治体が特定移行支援システムの対象で、元々の期限だった令和7年度末に間に合わないんでしょ。
令和7年度に移行完了させた自治体も相当疲弊してたみたいだし、本当に実現できるのかしらね?

魔理沙:
現実的にはかなり厳しいだろうな。
だが、市町村事務の再編・統合をしないと10年後には自治体の業務が回らなくなるというニュースにもあるぜ。

「10年後には自治体回らず」市町村事務の再編・統合、政府が検討へ

正直、自治体によっては、10年ももたないところもありそうだけどな。
市町村の合併まではいかないだろうし、問題を抱えたまま合併しても問題の先送りどころか余計に破綻が早まるだけだろうから、一部事務組合や広域連合・広域連携の仕組みに頼るのは待ったなしだな。

霊夢:
で、現場は何をさせられるわけ?

魔理沙:
これからのトレンドは「フロントヤード改革」だ 。「書かない・待たない・行かない」窓口を作るのが目標だが、ここでのポイントは「BPR(業務改革)の徹底」だ 。ここをサボってシステムやツールだけ導入すると、「クソ非効率なアナログ業務を、超高速で回すデジタルゴミ屋敷」が出来上がるだけだからな。

4.数少ないデジタル人材を取り合う

霊夢:
ゴミ屋敷は私の神社の裏だけで十分よ。でも、そんな高度なこと、田舎の役場のじいちゃん達にできるの?

魔理沙:
鋭いな。だからこそ「CAIO(最高AI責任者)」なんて新しい役職を作れって書いてあるぜ 。まあ、名前だけ立派な「CDO」や「CAIO」、「CAIO補佐官」を置いたところで、中身が伴わなきゃただの飾りだ。
AIやシステムに詳しい人材は数多くいても、自治体の業務や仕組みを分かったデジタル人材は一握りしかいない。

自治体DXを推進するには、知恵と勇気、スキルとパッションが必要だが、それを兼ね備えた人材は数に限りがある。

そこで出てくるのが「自治体DXアクセラレータ」だ。これは、DXの専門知識を持った外部人材を、総務省や県がリストアップ(プール)して、人手が足りない市町村に派遣したり助言させたりする仕組みだぜ。 要は、「高い給料の専門家を一人で雇えないなら、みんなでシェアして使い回そう」って発想だ。これも「人材の広域連携」の一環だな。

だから、小規模な自治体は単独で頑張るのを諦めて、都道府県が用意する「人材プール」や「DXアクセラレータ」に泣きつけっていうのが今回の方針だ 。これを「連携」と呼ぶか「介護」と呼ぶかは自由だがな。

これによって第5.0版では、都道府県の役割がめちゃくちゃ重くなってる。「市町村のDX支援」が義務に近いレベルで求められてるんだ。小規模な町村のバックオフィス業務は、実質的に県が主導するシステムや共同処理センターに吸い上げられていく流れになるな。

霊夢:
ふーん……。要するに、「お前ら田舎の役場はもう独自にシステムいじるな、専門家も雇えないだろ? だから県と国が用意したセットを使って、窓口業務だけやってろ」ってこと?

魔理沙:
正解だ。これからの自治体が注力すべきは、「システムを作ること」じゃなくて、「共通システムを使って、どうやって住民サービス(書かない窓口とか)を維持するか」の一点に尽きる。「うちは独自の業務フローがあるんで」なんて寝言は、もう許されないフェーズに入ったんだよ。

5.全庁ガバナンス

魔理沙:
あと、霊夢が食いつきそうなネタもあるぞ。公金収納のeL-QR活用だ 。 税金だけじゃなくて、保険料とか使用料も全部QRコード決済できるようにしろって話だ 。

霊夢:
あら、それは便利じゃない。賽銭箱にも導入したいわ。

魔理沙:
導入コストと手数料で、貧乏神社の利益が吹っ飛ぶ未来が見えるがな。
公金収納DX(eL-QR)は地味にヤバい。これはDXというより業務改革爆弾だ。
会計、収納、窓口、委託の各原課を全部巻き込む。

霊夢:
情報政策課だけじゃ無理じゃない?

魔理沙:
だから第5.0版は暗に言ってる。 「全庁PMOでやれ」ってな。
フロントヤード、標準化、共通化、eL-QR、マイナンバー活用、セキュリティ、AI、テレワーク(改定概要の整理)を、個別最適でなく“束ねて管理”する必要がある。
プロジェクトマネジメント、ポートフォリオマネジメントをはじめとして、ITガバナンス体制の構築が必須だぜ。
EBPMの促進にしても、庁内を横串で刺していかないと無理だ。

霊夢:
EBPMって、最近話題の日本版DOGEとも関係するのかしら。

魔理沙:
鋭いな。日本版DOGEの活動において、行政事業レビューで蓄積されたデータやEBPMの手法を「活用する」と明言されているぜ。
これまでのEBPMは、「データ分析はしたが、結局しがらみで事業が温存された」という「分析止まり」のケースが多々あったが、日本版DOGEは、EBPMによって導き出された「効果が薄い」という証拠(Evidence)を元に、実際に予算をカット(Execution)する役割を担うことが期待されている。
今はまだ中央省庁だけ(租税特別措置・補助金見直し担当室)の話だが、将来的には自治体にも影響してくることは間違いないぜ。

霊夢:
そもそも、日本版DOGEのことをまだよく分かっていないのだけど……。

魔理沙:
「日本版DOGE」 は、2025年11月25日に設置された政府の財政効率化を目的とした横断的レビュー組織の通称だ。正式名称は、租税特別措置・補助金見直し担当室(内閣官房) だぜ。
担当大臣は片山さつき財務大臣(兼任)、財務省や総務省などの省庁から約30人の職員で構成されている。
財政の持続可能性への懸念、政治合意としての設置、米国のDOGEをリファレンスにすることなどを背景に、以下の目的と役割を担うぜ。
・租税特別措置(租特)の見直し
・高額補助金・基金制度の総点検
・予算編成プロセスへの反映
・国民意見の活用(検討)

霊夢:
米国版DOGEが最終的に存続できなかった経緯があるから、今後どうなるかは分からないけど、公共組織のガバナンスを語るうえでは無視できない存在ってことねぇ。

6.公共の未来

魔理沙:
話を戻してまとめると、今回の計画は「標準化の完遂は当たり前、次は共通化と窓口改革で徹底的に効率化して、浮いた人員を人手不足の穴埋めに回せ」という、極めて現実的かつ世知辛い指令書ってわけだ 。

霊夢:
夢も希望もないわね……。デジタル化って、もっとこう、楽園みたいな生活になるもんじゃないの?

魔理沙:
楽園? ああ、そうだな。 この計画通りに進めば、誰一人取り残されない、人に優しいデジタル社会が実現して、役所の手続きは全部スマホで完結するようになる。 そうなりゃ、窓口で怒鳴り散らす老人も、ハンコのためだけに出社するおじさんもいなくなる。

霊夢:
へえ、それは素敵じゃない。
システムは国が管理して、専門家は県から派遣されて、事務処理も広域で共通化されて……。

魔理沙:
ああ。そして最終的には、「そもそも役所に人間なんて職員はいらなかった」 ってことに気づいて、自治体そのものがクラウド上のフォルダ一つになって消滅するかもな。それが究極の「トータルコスト最小化」だろ?

霊夢:
エストニアとかは行政サービスの99%以上がオンラインで完結する「電子政府」だっていうし、あながち冗談じゃすまないのが怖いわね……。

魔理沙:
まぁ、エストニアと日本じゃ地政学的な状況が全く違うし、地震や災害がいつどこで起きるとも限らないから、日本の役所に人がいなくなることはないだろうが、未来はユートピアかと思いきやディストピアだったなんてのは想像に難くないぜ。

霊夢:
社会全体や国単位での理想と、個人単位での理想が相反することはあるものねぇ。

魔理沙:
だな。「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化」の対象は誰なのか。
国民の中には、自治体システムを作ってるベンダや、自治体職員も含まれているってことを忘れた「自治体DX」は、どんなに素晴らしい内容でも絵に描いた餅でしかないってことを改めて考えないとな。

霊夢:
お正月も終わったし、またお餅が食べたくなってきたわね。

魔理沙:
結局、食べ物の話かよ!

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