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パリレストラン紹介その7(パリ9区) [ル・ボン・ジョルジュ(LE BON GEORGES)]

ここは、ヌーヴェル・アテーヌ(新アテネ地区)の精神的中心地にある、まさに理想的なビストロ、一種の夢のような場所です。農学エンジニアであり、情熱的な独学の料理人でもあるブノワ・デュヴァル=アルヌールドは、自身が思い描いた通りのレストランを形にしました。看板、黒板、そしてベンチシートは、この10年で味わい深い古色を帯びてきています。


スタッフは熱意に満ち、客たちもそれを信じて、お祝いをしたり、見たり、飲んだり、味わったりするためにここへやって来ます。日々変わる黒板メニュー(おすすめメニュー)に従って、次のような極上の料理の数々が並びます。

  • サバの白ワイン煮、ジャガイモのサラダとホースラディッシュ(西洋ワサビ)のクリーム添え

  • 磯の香りが豊かなグレナン諸島産の新鮮なマルスダレガイ(アサリの仲間)、上質なノルマンディー産クリームで香りづけし、まろやかに仕上げたもの

  • オーヴェルニュ産仔羊の素晴らしい肩肉ロースト、その肉汁(ジュ)、ニンニクのコンフィ、ポテトのソテー「ボンヌ・ファム(家庭風)」添え

  • あるいは、ドローム地方の希少な養殖場から仕入れた神聖なアルシアンヌ産のマス。ソース・ヴィエルジュ(トマトとハーブ、オリーブオイルのソース)でアクセントをつけ、カルドン(野菜の一種)を加えた見事なスペルト小麦のリゾットを添えて。

まさに魔法のよう!そして元気が湧いてくる料理です……。


この店のレパートリーは幅広く、ワインリストは膨大で、価格は(手頃なものから高級なものまで)幅広く跳ね、あらゆるテロワール(郷土の味)が勢揃いしています。また、シェフのロイク・ロベが、その日の気分や市場の仕入れに合わせて目の前で腕を振るう「ターブル・ドート(シェフズテーブル/相席用の大テーブル)」もぜひ試してみたいところです。


しかし、デザートを諦めるわけにはいきません。それらは、美しいバニラアイスを添えたフォンダン・ショコラや、ラム酒漬けのケーキ「ババ・オ・ラム」のように、時代を超えた食いしん坊たちのための金字塔(モニュメント)なのですから。


最後に(食事の締めくくりとして)、ディジェスティフ(食後酒)の時間はまさに圧巻の見世物(スペクタクル)です。シャルトリューズ(薬草酒)の様々な年代・樽(キュヴェ)のテイスティングや、ジェロボアム(大容量のボトル)から注がれ、喉を鳴らしながら豪快に味わうバロン・G・ルグランのアルマニャックが楽しめます。


オーナーとシェフについて

  • オーナー:ブノワ・デュヴァル=アルヌールド(Benoît Duval-Arnould)

    • 記事にもある通り、元々は農学エンジニア(Ingénieur en agriculture)という異色の経歴を持っています。そのため、食材の生産背景やテロワール(風土・土地の個性)に対する知識とこだわりが並外れています。彼は「ワインは料理と同等に主役であるべきだ」という哲学を持っており、ワインのセレクションに並々ならぬ情熱を注いでいます。

  • シェフ:ロイク・ロベ(Loïc Lobet)

    • 厨房を預かるロイク・ロベは、非常にエネルギーに満ちあふれた、陽気でよく喋る魅力的な人物として有名です。オープンキッチンの「ターブル・ドート(シェフズテーブル)」の席では、彼が常連客と熱っぽくお喋りを交わしながら、リズミカルに料理を仕上げていくライブ感を味わうことができます。

お店の歴史と場所(ヌーヴェル・アテーヌ)

  • オープンは2014年

    • もともとこの場所には「dell'Orto」というイタリアンレストランがありましたが、2014年2月に現在の「ル・ボン・ジョルジュ」として生まれ変わりました。オープン直後から、その質の高さでパリの食通たちの間で一躍話題となりました。

  • 歴史ある「ヌーヴェル・アテーヌ(新アテネ)」地区

    • お店が位置するパリ9区のこの一帯は、19世紀のロマン主義時代に芸術家や文化人(ショパン、ジョルジュ・サンド、ドラクロワなど)が集まった、非常に歴史深くエレガントなカルチャーエリアです。現在でも近くの「マルティール通り(Rue des Martyrs)」などがあり、素晴らしい個人商店や市場がひしめく美食の激戦区として知られています。

店名の由来

  • 店名の「George(ジョルジュ)」は、お店が面している「サン=ジョルジュ通り(Rue Saint-Georges)」および最寄り駅の「サン=ジョルジュ駅」から取られています。フランス語で「良きジョルジュ」「親愛なるジョルジュ」といったニュアンスを含み、地域に根ざした親しみやすい近所のビストロ(Neighborhood favorite)としての誇りが込められています。

ディープな情報

  • 世界基準で評価される怪物級の「ワインリスト」

    • テキストにも「膨大なワインリスト」とありますが、地下のセラーにはなんと2,000銘柄以上のボトルが眠っています。その圧倒的な質とコレクションから、アメリカの権威あるワイン専門誌『Wine Spectator』の最高賞である「グランド・アワード(Grand Award)2025」を受賞。世界的にも「パリで最も完成されたワインセラーを持つビストロの一つ」と称賛されています。

    • ちなみに、オーナーのブノワ氏の個人的なおすすめマリアージュは、「生の牡蠣」にあえてボルドーの赤ワイン(ドメーヌ・ド・カンブの2010年など)を合わせるスタイルだそうです。

  • 最高峰の職人・生産者からの直接仕入れ

    • 農学エンジニアであるオーナーのコネクションを活かし、食材の仕入れ先が超一流です。

      • 肉: フランスを代表する、熟成肉の魔術師と呼ばれる超有名精肉店「メゾン・ポルマール(Maison Polmard)」から、6〜8週間熟成させた最高級の牛肉(ブロンド・アクィテーヌ種)を仕入れ、名物の「ステーキ・タルタル」に仕上げています。

      • 野菜: パリの星付きシェフ御用達の伝説的な野菜栽培家、ジョエル・ティエボー(Joël Thiébault)氏らから仕入れています。

      • パン: 古代小麦を使用したこだわりの職人パン(Les Ateliers de Pascal Guerreau)を使用。

      • コーヒー: パリのサードウェーブコーヒーの先駆者「ラルブル・ア・カフェ(L'Arbre à Café)」の豆を使用しています。

  • 秘密の離れ部屋「Table du Chef」

    • 実は、本館の裏手(アウマール通り/Rue d'Aumale側)には、最大8名まで利用できる完全プライベートな「シェフズ・テーブル」の隠し部屋が存在します。ここでは、ランチ5コース、ディナー6コースといった、通常の黒板メニューとは異なる贅沢な特別ガストロノミーコースが提供されています。

フランスの古き良きクラシックなビストロの温かみを残しながらも、食材やワインのクオリティは三つ星レストランに引けを取らない、パリ屈指の名店と言えます


店舗情報

  • LE BON GEORGES

  • 住所: 45, rue Saint Georges, Paris 9e (パリ9区 サン=ジョルジュ通り45番地)

  • 電話番号: 01 48 78 40 30

  • 最寄り駅: M° Saint-Georges(地下鉄 サン=ジョルジュ駅)(métro⑫)

  • 予算(目安): 50-65 €

  • 営業時間: 12:00〜14:30、19:00〜22:30

  • 定休日: Ouvert tous les jours(年中無休)

  • サイト:Le Bon Georges - Produits maraichers - Vins de propriétés


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