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インデックスの歪み問題に物申す【レポート2】

このnoteではインデックスが市場を歪ませる可能性について、物申したい。

インデックスが市場を歪ませる? 
 最近、インデックスが市場を歪ませているからアクティブ投資のチャンスであるという投稿を見かけた。また、この投稿をきっかけに様々な議論がされているようである。この問題についての、著者の見解を述べたい。

・インデックスファンドは確かに完璧な商品ではない
 インデックスファンド、特に全世界株式(オルカンVT)は非常に優れた商品であると思う。しかし、完璧な商品ではないだろう。この議論の文脈においては、膨大な金額のインデックス投資が、投資家が持つ、主に個別株への価格発見機能を低下させるという問題が重要だろう。

価格発見機能の低下ってどういう意味?
 少なくともプロの個別株投資家は、PERなどの数値やアルファと呼ばれる指標を使い、織り込みなどの心理的な要素も含めて、個別銘柄の割安感あるいは割高感を評価しているはずである。そして重要なのは、当然であるが「今の株価」が割安か割高かを評価するのだ。これを価格発見と呼んでいると思う。今の株価より安すぎたり高すぎたりする真の価格みたいなものがあって、それを発見するという意味合いだろう。

 本来は、現在の株価の価格は、個人あるいはライバルのプロの機関の需要を反映した数字になっているはずである。だからこそ、ライバルが気づいていない価値の発見こそが、アクティブファンドの勝ち筋として成立するのだろう。

 しかしながら、インデックスファンドの資金が多すぎると、個別株への資金注入量は、「その銘柄が、現在どれぐらい時価総額を持っているか」だけに連動することになっていくだろう。これはPERなどの経済的基礎条件(ファンダメンタルズ)などから考察し、発見された価格とは別のプロセスであるはずだ。

 つまり、現在の価格が時価総額連動だけで決まっていて、将来もそうなっていきやすいから、価格発見が十分にされていない状態になってしまうと。これを価格発見機能の低下と呼んでいるのだろう。

・インデックスバブルはアクティブ投資家を「わずかに」有利にすると思う
 インデックスの資金が多すぎて、価格発見がうまくいかなくて不当に割安だったり割高になる銘柄が出現する。これは確かにアクティブ投資家を有利にするだろう。しかし、その程度はわずかであると思う。

・インデックスバブルはインデックスを「わずかに」不利にすると思う
 同様に、インデックスへの資金注入はインデックス投資家をわずかに不利にするはずだ。なぜなら、インデックスが期待値で勝てる戦略だからだろう。インデックス投資家が少数であればあるほど、勝てない短期取引などで自爆していく参加者が生み出す恩恵を、一人当たりでは多く受けられるはずだ。しかし今やインデックスは広まりきった。だからこそ、そういう意味では、確実に昔よりは妙味は下がっているのだろう。しかしこれも程度はわずかであると思う。

・インデックスが勝てる根拠は、資本主義における株式の優位性にあり
 インデックスが勝てる根拠は、株式というアセットが資本主義社会において、本質的にリターンが伸びやすいアセットであることを忘れないでおこう。詳細は今後別のnoteで解説したいが、資本主義、そして競争社会において、株式というアセットの利回りは、国債やインフレ率と比べて長期的には高い値を維持し続けるべきだと言える。

 なぜなら、リスクと競争のプレミアムが追加されているからだ。株価は短期的には下がるリスクもあって、そして投資された経営者や労働者が競争して成果を株価に還元している。だから、資金を投資で循環させて全体で成長するためには、株式の利回りを国債やインフレ率より高く設定し続けるしかないのだろう。もし株式の利回りに魅力が無くなると、誰も企業に投資せず国債やゴールドばかりを買って、資金が循環しなくなる。それは資本主義における敗北に直結してしまうはずだ。

 なお、「資本主義における」という前提は重要かもしれない。国家が財産を管理する共産主義体制や、AIだけが仕事をするポスト労働文明では別のメカニズムが存在してもおかしくないだろう。

・インデックスは株式の優位性を誰でも活かせる手段で、これは揺るがない
 インデックスは分散性、思考プロセスの排除、格安手数料という特性により、「誰でも株式の優位性にアクセスできる」という強みを持つ。そしてこの強み自体は、どこまでインデックスの資金量が増えても、おそらく揺るがない。

 確かにインデックスバブルはわずかにアクティブ投資家にチャンスを提供し、わずかにインデックス投資家の妙味を下げていると思う。しかしそんなことは、インデックスなら誰でも株式の優位性にアクセスできるという圧倒的な強みとはほとんど関係が無いはずだ。

 インデックスバブルが引き起こした、わずかな数の個別株の価格補正など、専門家に丸投げしておけばよいだろう。インデックスの参加者が増えたところで、アクティブの方が株式の優位性に「合理的かつ無批判に」アクセスできる時代が来るとは思えない。

ボラティリティ増大の意味ではリスクは上がっているがどうしようもない
 
インデックスは自動で上がった銘柄を追加で買い、下がった銘柄を売るシステムだと言える。(時価総額連動)これは短期的な株価の揺らぎ(ボラティリティ)を「投資家の意志とは関係なく」大きくしてしまうはずだ。そういった意味では、インデックスが増えるほどリスク(揺らぎの大きさ)が増えているのは事実だろう。

 しかしこれは主に短期的な価格調整の話であって、長期投資の場合は経済的基礎条件に基づく株価に収束していくと思う。短期で何かのきっかけで暴落しやすくしているという意味では問題を増やしているのだろうが、悩んだところでどうしようもないはずだ。

・興味は無いけど儲けたいならインデックス主軸しか選択肢は無い
 まとめると、インデックスへの大量の資金注入は確かに、「わずかに」アクティブを有利かつインデックスを不利にしていると思う。しかしながら、投資戦略に興味のない個人投資家が、インデックス以外の商品を買う根拠にはできない程度だろう。そして、著者の考えでは、投資戦略に興味が無い場合に、インデックス以外のアクティブファンドが投資のコアとして最適になる日は、資本主義が続く限りは永遠に来ない。インデックス以外で遊びたいなら、サテライト運用を推奨する。

・要約
インデックスへの大規模な資金注入は確かに市場を歪ませており、投資家の価格発見機能はインデックス以前より下がっているはずだ。

インデックスバブルは「わずかに」アクティブ投資家を有利に、インデックス投資家を不利にするだろう。

資本主義が続く限りは株式には優位性があり、その優位性を思考プロセス無しに活用できる戦略はインデックスしか存在しないと思われる。

興味が無いけど儲けたい場合は、インデックスへの参加者の多さとは無関係に、インデックス投資が最適であると思われる。

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参考文献
The implications of passive investing for securities markets

免責事項
この記事は個人的な意見と分析の公開であり、断定的事実や投資助言は一切記載されていません。
この記事は経済および時事問題の解説を目的としており、特定の商品の購入や売却を推奨および助言するものではありません。
この記事は個人的な推測を公表しているだけであり、特定の商品の価格を保証する意図は一切ありません。
この記事を参考にして行った投資、運用、トレーディングなどの取引の結果について著者は責任を取ることは一切できません。

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