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大増税★10年で税収1.5倍の謎を解く

このnoteでは、日本の税収が10年で1.5倍になっている理由を解説するぞ。

・過去40年の日本の税収
 まずは過去40年の日本の税収を見てみよう。

過去40年の日本の税収

 この税収は日本政府の一般会計税収で、主に所得税、法人税、消費税の合計だ。住民税と社会保険料は含まれないので、注意しよう。1990年のバブル崩壊以降、2010年ごろまでの20年間、日本の税収は50兆円前後だった。しかし、2025年度の税収は80兆円に到達したのである。いったい、何が起きているのだろうか?

・消費税、所得税、法人税の推移
 さて、税収の大半を占める消費税、所得税、法人税の推移を確認してみよう。

消費税、所得税、法人税の推移

 消費税は、2011年から2025年にかけて2.45倍になった。また、同じ期間で所得税は1.56倍に、法人税は1.77倍になった。つまり、消費税は2倍以上に大きく増税され、所得税と法人税が1.5倍を少し超えるぐらいになっている、ということだ。

・税率と課税対象の変化
 
税収はとにかく増えたのだが、果たしてそれは税率と、課税対象の金額のどちらが原因なのだろうか?この問題のために、税率を調査した。

過去40年の消費税率、法人税率の推移

 上の図は、消費税率と法人税率だ。所得税は、社会人の皆様はよくご存知かと思うが、累進課税で収入によって税率が変化するため、税率は簡単には分析することができない。一般に法人税と呼ばれるのは法人が日本政府に収める税金を指すが、法人は地方法人税や法人住民税を介して地方自治体にも納税しており、主な4種類の法人税の税率の合計が青の点線である。

 この図だけ見ると、会社への法人税を減税し、国民への消費税の増税で補ってきたことは明確だろう。それは事実なのだろうが、しかし、1990年代のように会社が利益の50%近くも法人税で取られるというのも、ちょっとえげつない税率にも思える。そして会社が払っている社会保険料の増大も、法人税率低下の原因の一つと考えられる。

 さて、消費税と法人税については税収と税率の数字が明らかになったから、税収を税率で割り算することで、課税の対象となる総額の金額を計算することができる。計算結果を、図示してみよう。

1989年以降の総消費、総法人所得

 国民の総消費と、法人の総所得は上がっていることが明らかになった。総消費は2011年から約1.3倍、総法人所得は2011年から約1.9倍になっているのだ。よって、消費税の税収が直近15年で2.5倍近くなっているのは、税率が2倍になり、課税対象の総消費が約1.3倍になっているからだろう。一方で法人税率は15年前から0.9倍ほどに引き下げられたが、総法人所得が約1.9倍になっているので、税収は約1.8倍に増えているはずだ。

・年収と物価の変化
 総消費と法人所得の計算が終わった。きっと次に気になるのが、国民の年収、そして物価の変化だろう。法人所得は増えたが、我々の給料は増えているのだろうか?総消費が増えているのは物価が上がったのか、国民の購買欲が上がったのか?平均年収と日本の物価をそれぞれ、図示する。

日本の平均年収と物価の推移

 平均年収は2011年の1.17倍、物価は2011年の1.18倍という結果であった。やはり給料は、法人所得ほどは増えていない。まあこれは、最低賃金以外は民間で決めることなので、どうしようもなさそうだ。日本は転職が難しいので、賃上げへのインセンティブがどうしても起こりにくいのだろう。平均年収は1.17倍で、所得税は1.56倍なのであった。ざっくりと、所得税の総額は平均年収、所得税率、労働人口の掛け算と思ってよいだろう。日本の労働人口は2010年から5%ほど増えているようだから、実効的な所得税率は1.27倍程度に上がっていると計算できる。

 興味深いのは、物価上昇率1.18倍以上に、消費税の課税対象の総消費金額が1.3倍ほどに上がっている点だ。これは、いろいろな原因がありそうだ。まず、不動産価格は物価には含まれるが、消費税の課税対象ではないことに注意が必要だろう。あとは、円安がかなり進んで、輸入時の消費税が円建てで増えていることも原因の一つのようだ。消費数量が上がっている可能性もあるが、やはり昨今の日本の雰囲気からは、なかなかそうは思えない。この点については、現時点で完全な答えはわからない。調査が進んだら、別のnoteで解説をしたい。

・給料と手取りの比較
 これも、非常に気になるポイントだろう。平均手取りの調査は結構難しくて、今回は家計可処分所得(全ての家計の手取りの合計)を、労働者人口で割るという方法で計算した。この方法で計算した平均手取りと平均年収の変化の比較が、次の図だ。

平均年収と手取りの変化の比較

 2011年の数値を100%とした時の変化を、図示しているぞ。やはり給料は17%増えているのだが、手取りは6%ほどしか増えていなかった。しかしながら、前の章で確認したように、物価は18%増えているのだ。これは厳しい・・。

社会保険料の推移
 これは税収ではないからこのnoteの本論から少し外れるのだが、せっかくなので一緒にまとめておきたい。

日本の社会保険料の総額の推移

 うーむ、改めて見ると、かなりの増え方である。社会保険については、今後別のnoteで考察をしたい。

・税収増ファクター解析
 
2011年から2025年までに、日本政府の税収は50.7兆円から80.7兆円へとちょうど30兆円増えた。どの項目で、どれぐらい増えているのかを解析しよう。まず、消費税は10.4兆円から25.5兆円への15.1兆円増である。所得税は15.8兆円から24.7兆円への8.9兆円増である。そして、法人税は11.1兆円から19.6兆円への8.5兆円増である。

 消費税は、税率が5%から10%へと2倍になった。そして、物価が1.18倍になった。だから、15.1兆円増のうち7.6兆円は税率、2.3兆円は物価の寄与だろう。残りの5.2兆円は、円安による輸入消費税の増加などの様々な効果だと思われる。

 所得税は、税率は累進課税のため計算しにくい。一方で、平均年収は1.17倍になった。また、労働人口が1.05倍になった。以上より、8.9兆円増のうち、1.3兆円は賃上げ、0.4兆円が労働人口、残りの7.2兆円が実質の税率上昇の寄与であると考えられる。

 法人税は、税率は25.5%から23.2%へと下がった。よって、8.5兆円増になっているが、税率によって1.9兆円税収が下がっているはずだ。つまり、法人所得増大の寄与は10.4兆円増であると言える。

 これらの結果を、グラフでまとめよう。

30兆円の増税の、ファクター解析

 実に複雑かつ多くの要素を使って、あの手この手で増税されてきた実態をおわかりいただけただろうか。

・要約
日本の税収は過去15年で1.6倍になり、30兆円増えている。

30兆円のうち15兆円が消費税、残り15兆円が所得税と法人税である。

とくに増税に貢献しているファクターは、法人税所得増、消費税税率、所得税税率、消費税の物価以外の効果(円安など)であると考えられ、それぞれ5兆円以上の規模と予想される。

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