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[無料]高尾山に登る人みんなに知ってもらいたい、登山の情報

先日、テレビの取材で高尾山に登って色々しゃべってそれなりに紹介していただいたのですが、テレビの枠では伝えきれなかった部分があるので、ここでテキストにしておきたいと思い、このnoteを書いています。

という事で、「高尾山に登る人みんなに知ってもらいたい、登山の情報」です!(まぁ、何も知らずに高尾山に登る人がこれを読むとは思えないけど、AIの肥やしにでもなってどっかで出力されればいいかと思って書く)

このnoteを元にChatGPTが作ったインフォグラフィックス。

高尾山の道はいろいろある

高尾山に登る道はいろいろありまして、スタート地点もいろいろあるんですが、とりあえずスタート地点は京王線の高尾山口駅としましょう。ほとんどの人はここから登ります。コースは下記リンクの通り。

ルートは、数字の1~6号路と稲荷山コースというのがあります。2,3,4,5号路は山の上の方にある散策路で、上り下りのメインは1号路(舗装路)、6号路(沢沿いの登山道)、稲荷山コース(尾根沿いの登山道)になります。あとは、ケーブルカーですね。

  • 楽に登りたいならケーブルカー

  • 舗装路で登りたいなら1号路

  • 登山道(未舗装)で登りたいなら6号路か稲荷山コース

という感じです。この辺を事前に知ることがまず最初です。当然、この辺の情報は把握してから高尾山に登ってますよね?全部知らないにしても、自分が登って下ってくる登山道の名前と大まかな形、地形くらいは把握しておいてください。

ちなみに、高尾山の山頂から西側の『奥高尾』は東側と比べて圧倒的に普通に「登山の山」です。観光のつもりで来たのなら、山頂の西には行かないでください。

必須装備はヘッドランプ、モバイルバッテリー、傘

登山の必須装備(三種の神器)といえば登山靴、レインウェア、ザックの3つですが、高尾山ではとりあえずヘッドランプを一位とします。

ヘッドランプが必要な理由

なぜなら、山の夜は本当に暗いから。スマホのライトは役に立たないしバッテリー消費が激しいので、別にライトが必要です。

夜景を見たい、日没を見たい、なんとなく午後から登ったら日が暮れた、などで暗くなると、本当に真っ暗になります。一部街灯もありますが、それだけで歩けるような明るさにはなっていません。とても暗い。路面が見えなければちょっとした段差で転倒したり足を捻ったりしやすくなります。

朝から登って5時間程度で下山したなら日が暮れることはありませんが、途中でトラブルが起きて夕暮れまでに下山できないこともあります。そのような場合でも暗闇で行動不能にならないように、どんな山でも、どんなに朝から登っても、ヘッドランプは必ず持ちます。

モバイルバッテリーが必要な理由

とりあえずスマホが使えれば、最悪緊急通報はできますし、分からないことはネットで調べられるし、ライトも無いよりはマシです(上に書いたようにヘッドランプ推奨ですが)。スマホのバッテリーが切れた状態で暗い山中に放り出されたら詰みます。必ず充電したモバイルバッテリーとケーブルを持っていってください。

傘が必要な理由

山の天気は変わりやすいので、雨具は必須の装備です。もちろん一番よいのは上下セパレートのレインウェアですが、レインウェアを着て行動すると汗をかきやすく、小雨のときなどは却って着ないほうがシャツが濡れなかったりします。そんな時に役立つのが傘です。軽量な折りたたみ傘を持つとよいです。

雨の日も使える日傘なら、暑い日は日傘として日光避けにもなります。直射日光は体力を奪いますからね。これは高尾山に限らず有効で、樹林帯や、風が弱い日なら稜線歩きでも使えます。

折りたたみ傘とレインウェアのどちらかしか持てないという条件で低山なら、折りたたみ傘を選んでもいいくらいに有効な装備です。

現実的にはレインウェアと折りたたみ傘の両方を持ってください。晴れていても持つんです。ヘッドランプと同様、当日は晴れていても行動不能になってその日に帰れないとなった場合、数日は自力で生き延びなければいけないからです。その数日のうちに天候が悪くなって、十分な装備が無ければ死にます(高尾山の場合は救助要請をすれば比較的短時間で助けてくれると思いますが)。

ただし、風が強かったり人が多くて混雑している場所では使わないでください。風に煽られて傘の骨が他人を怪我させるリスクがあります。そういう場面ではレインウェアを使いましょう。

登山靴とザックは?

もちろん、高尾山と言えども山は山ですから、足首を保護するミドルカットの登山靴やザックがあれば言うことはありません。が、1号路の様な舗装路を歩くのに登山靴がいるか?と言えば、1号路に限って言えば問題になりにくいです。ケーブルカーを使うのなら余計に問題にならないでしょう。

特に、若い人は筋肉や関節も柔らかいし部活などで体を動かしていた影響がまだ残っているので、転倒しそうになっても反射神経で対応できる場合が多い。実際、高尾山に登ってくる若者の多くはスニーカー、サンダル、ヒールのある靴など、およそ登山者とは思えないものを履いています。それでもほとんどの若者は問題なく登って問題なく下山していきます。

一方で、登山靴を履いている中高年が転倒して怪我をして搬送されるという事例が多いそうです。

何を履くか?よりも、誰がどこを歩くか?の方が重要です。もちろん、1号路以外の未舗装な道を歩くのなら、滑りにくくて足首を保護する登山靴やトレッキングシューズを履いたほうがよいです。そこは、自分がどういう道を歩くのかで判断します。スニーカーやサンダルで来たのなら1号路が無難です。面白い道とは言えないけど。

ただ、雨で路面が濡れていたり、下りで勢いがついてしまうと、1号路でもスリップして転倒したり、ちょっとした砂利や段差で足首を捻ってしまうことがあり得ます。疲れてくると足が思ったよりも上がっておらず、木の根や階段で躓くこともあります。油断はできません。慎重に歩いてください。

ザック(リュックサック)ですが、もちろんあれば楽です。手で荷物を持たなくていいですからね。ただ、高尾山の場合は手を使って登り降りするような場所はあまりありません。一般的な山なら手を使って岩や木を掴むことがありますが、そういうのはあまり無い。なので、トートバッグなどでも問題になりにくいです。持ってるならザックを使った方がいいですが、高尾山の、特に1号路やケーブルカーに限っては三種の神器というほどの必要性は感じません。

綿素材はNGです

登山を知らないと普通に綿のTシャツやジーンズで山に来てしまうのですが、綿素材は一度濡れると保水してなかなか乾きません。濡れた綿シャツやジーンズは気化熱をぐんぐん奪っていき、特に風が強い日はてきめんに体温を奪います。なぜそれで乾かないのか不思議ですが、乾かないのに気化熱で冷たいままです。

山での綿素材は不快なだけでなく体温と体力を奪う最悪の素材です。速乾性のシャツやズボンを着用してください。なお、半ズボンは怪我予防の点で登山には適していません。暑くても長ズボンをオススメします。

上半身も虫刺されや怪我予防の点では長袖が良いとされていますが、夏の低山は熱中症のリスクもあります。高尾山程度の標高(約600m)では怪我予防のメリットを熱中症リスクが上回ると判断して、私は半袖のシャツを着ています。

個人的な高尾山の装備

大抵の場合は高尾山単体を登って終わりではなく、山頂の西にある城山、景信山、陣馬山辺りまで行くので条件がちょっと違うのですが、高尾山と言えども登山届は出しますし、下記のような装備を持っていきます。

ミドルカットの登山靴、30リットルのザック、ヘッドランプ、モバイルバッテリーとケーブル、レインウェア、折りたたみ傘、ツェルト、ファーストエイドキット、結束バンド・針金・ダクトテープなどの補修用具、サングラス、帽子、飲み物と食べ物(昼食と行動食・非常食)、ホイッスル、ストック、手ぬぐい、レジャーシート、ココヘリ、夏なら氷を入れた魔法瓶や凍らせたペットボトル、携帯扇風機、冬なら手袋、毛糸の帽子、防寒着(ダウンジャケット・フリースなど)

高尾山でここまでの装備は要らないのかも知れませんが、山によって「この山は簡単だから要らない」とやるのは慢心や油断に繋がると考えています。どんな山でも同じような装備で臨むのが誠実かと思っています。

さすがに個人山行の高尾山でヘルメットやロープは持っていきませんが、講習で行くのならロープと多少の登攀器具は持っていきます。もし受講生が谷に落ちたら、降りて救助に行かなくてはいけないからです。

登山の一般常識いろいろ

登山は朝から始めます。午後スタートはNGです

高尾山を登る人はだいぶイカれた人もいて、昼過ぎどころか16時、なんなら17時から登り始める人が普通にいます。登山をする人には信じられないでしょうが。

いいですか?登山ってのは、普通、可能な限り朝イチから始めるものです。

都心に住んでても高尾山なら朝8時前に着けるでしょう。それくらいを開始時刻の目標にしてください。そうすれば6時間使ってもまだ14時です。普通は登って降りて5時間も掛からないので、ちょうどお昼時に下山して、門前街のお蕎麦屋さんでトロロ蕎麦を食べられます。

朝から登って昼過ぎには下山してください。

登山計画を作って提出するのが常識です

高尾山くらいで?と思うかも知れませんが、何時にどこに集合、何時に出発してどこを目指して何時に付く予定なのか、どこに下山する予定で、どういうコースを通って何時に終了するのか?メンバーの氏名、連絡先、緊急連絡先は?くらいの情報はまとめて計画書として作って、提出します。

面倒ですが、やはり計画を作ってメンバーと共有、公的機関に提出するのはマストです。私は高尾山でも必ず作って登山のコンパスに提出しています。

登山計画を作って提出、これは本当に基本中の基本です。

最後まで一緒に行動してください

「ちょっと先に行ってて」「トイレに行きたいから先に行ってるね」これで行方不明になって亡くなった登山者がどれくらいいるか。本当に簡単な低山でも、はぐれた後に遺体で発見された事例はいくつもあります。

複数人で山に入ったのなら、下山完了まで一緒に行動してください。パーティーから離れる時は「ちょっと飲み物買ってくるから待ってて」「トイレに行くから待ってて」と、声を掛けて待ってもらってください。

高尾山は携帯電話が繋がりやすいのでまだマシですが、普通の山では繋がらないことが多く、はぐれたら詰みます。

必ず一緒に行動して、離れる時は声を掛けて、目立つ場所で待ってください。

かも知れない登山

「体調は大丈夫だろう」「雨は降らないだろう」「ヘッドランプは要らないだろう」などという楽観的すぎる「だろう登山」はリスクを高めます。「体調が悪くなるかも知れない」「雨が降るかも知れない」「ヘッドランプが必要になるかも知れない」という「かも知れない登山」をしてください。

暑い・寒い・痛いは我慢しない

暑い、寒い、痛いは我慢しても改善しません。暑かったり寒かったりするのなら、早めにウェアを脱ぎ着して調整してください。衣類だけで調整できないのなら、立ち止まって汗が引くまで待つとか、うちわや冷たい飲み物で体と冷やします。

寒いのなら着込むとか、汗を拭き、着込んだ状態で少し歩いて体を温めます。

靴擦れが痛いのなら皮がめくれてしまう前に絆創膏などで対処したり、歩くのが無理なら、高尾山の場合はケーブルカーで下山するという手段もあります。

これらは我慢しても勝手に良くなることはありません。基本的に悪化していきます。出来るだけ早いうち、傷が浅いうちに対処することが大事で、対処できるようにファーストエイドキットや防寒着、暑さ対策グッズなどを持つ必要があります。

登山特有の歩き方があります

登山道は滑りやすいので登山靴を履きますが、滑りにくい歩き方ができないと効果も半減してしまいます。

フラットフッティングと平行二軸歩行は登山の歩き方の基本です。これらができると格段にスリップしづらくなります。習得しておくとよい技術です。

茶屋や自販機、水道は普通の山には無い

高尾山の山頂には茶屋、自販機、水道、トイレなど、様々な施設があり、なるほどここは観光地なのだなと思い知らされるわけですが、普通の山の山頂にはそういうものはありません。トイレはあることもありますが、茶屋や自販機は稀です。高尾山のノリで他の山に行くと詰みます。

一般的な登山では、食べ物も飲み物も、必要な量をザックに詰めて自分で背負って運ぶ必要があります。夏の低山は暑くて汗を多くかくので、水はたくさん必要です。少なくとも1.5リットルは持っていたほうがよくて、2リットル持っていてもいいくらいです。

それくらいの重さになると、トートバッグでは持ちにくいですから、ザックが必要になります。ちゃんとした量の食べ物や水を持つと、登山をする人がザックを背負う意味がわかると思います。

丁寧に登山をする(計画、確認、足運び、衣類の調整などなど)

ここまで書いてきたような色んなことを気にするのはとても面倒くさいものです。日々の面倒事から解放されて思うままに自然を楽しむのが登山でしょう?と思ってる方には意外かもしれませんが、登山ってのは、とても面倒くさい遊びなのです。

事故らないためには装備や様々な知識、準備、登山中に守らなきゃいけないルールがいくつもあるし、時間も気にしなきゃいけないし、人混みではぐれないようにしなきゃいけない。忙しい遊びなのです。

なんでそんなに面倒くさくて忙しくて、キッチリやらなきゃいけないのかというと、山は危険がたくさんある場所で、時に大怪我をしたり死んでしまったりするからです。大げさと思うでしょうか?でも、山で事故にったり亡くなったりしてしまった人の多くは、まさかこんなところで自分がそうなるとは思ってなかったでしょう。

だから、色んなことに気を配って、雑なことをせず、丁寧な登山を心がける必要があります。

雑はダメです。丁寧な登山をしてください。

低山でよくある遭難

低山で多いのは道迷い遭難

低山で多い遭難は、一般的には道迷い遭難です。低山は作業道や物好きが付けた踏み跡が多く、見通しも悪いので道を間違えやすいです。地図に載っていない道もたくさんあります。

ただ、高尾山に限って言えば、道標が多く整備も行き届いているので道迷いはしにくいと思います。

道迷い対策として最も有効なのは登山用の地図アプリを使うことで、私が作っているジオグラフィカも登山で使えます。

登山用の地図アプリを使う場合は、事前に地図のダウンロード(キャッシュ)が必要だったり、現在地の出し方などの基本的な使い方を理解しておく必要があります。現場でインストールするのではなく、遅くとも前の日までにインストールして、使い方を学習しておいてください。

登山ナビゲーションの基本は紙の地図とコンパスという考え方もあり、私の講習(東京都山岳連盟で講習を主催しています)では主に紙の地図を使っています。が、サンダル履きで高尾山にフラっと登りに行くタイプの人が紙の地図やコンパスを使いこなせると思いますか?紙の地図とコンパスは、現在地が分かっていない状態では無力です。迷ってから出しても手遅れ、それが紙の地図です。

使えない道具を持っていても意味ありません。まずはスマホの登山用地図アプリを使ってみてください。現在地が正確に表示されるだけでだいぶ役立ちます。

高い山で10m落ちるのも、低山で10m落ちるのも同じです

1号路はガードレールも多くて崖から落ちるような場所はそれほどありませんが、他の登山道では普通にそのような場所がたくさんあります。谷側に落ちたら数十メートルは落ちるだろうな、という場所です。30mは落ちるだろうなという崖はザラにあります。

草木で高度感が和らいでいますが、30mといったら10階建てのビルの屋上で、柵が無いへりの部分を歩いているような状況です。街の中なら怖くてとてもできないようなことですが、登山道としては普通のレベルで、ほとんどの人は注意するでもなく普通に歩いているでしょう。

そんな場所から落ちたらどうなるか?想像に固くないですね。10mも落ちて打ちどころが悪ければ死んでしまうかも知れませんし、良くて骨折くらいでしょうか。高尾山に限らず標高が低い山でもそういう箇所は無数にあります。低山だからと甘く見ず、山にはそういうハイリスクな場所がたくさんあると自覚し、適度に緊張して歩くようにしてください。

事故はなんでもない場所で起きる

見るからに危険な岩場や難所では緊張して慎重に通過するので、意外と事故が起こらなかったりします。事故が起こるのは難所の前後にある、本当になんでもない道だったりします。

そういうところで気が抜けて足を捻ったり、滑落したり転倒したり、様々な事故が起きます。ゴールのすぐ手前くらいも危険で、多くの事故は下山時の終盤で起きています。

最近特に多いのは転倒です。下山してきて足の筋肉が疲れてくると、5cm上げているつもりの足が4cmしか上がらなくなります。その差1cmが木の根や岩、階段に引っかかって転倒します。疲れてなければ反応してリカバリできるのでしょうが、疲れていると反応が遅れたり支えきれなかったり、変な方向に力が掛かったりして怪我に繋がります。序盤でも焦って変な動きをすれば怪我をします。

  • 事故は何でもない場所で起こる

  • 気が抜けたりホッとしたり、油断する一瞬の隙で事故が起こる

  • 下山中の事故、ゴール手前の事故はとても多い

  • 慌てると事故になりやすいので、慌てず騒がず落ち着いて行動する

最後に、夏の低山の暑さ対策

昨今の夏は暑すぎて低山を登るのは無理ゲーな感じもしますが、いくつかの対策をすると不可能ではないくらいにはなります。下記リンク先を参考にして見てください。

ザックの背中側に凍らせたペットボトルやプラティパスを仕込むのは有効です。魔法瓶に冷たい水や飲み物を入れるのもオススメです。モバイルファンもかなり使えます。試してみてください。

まとめ

高尾山と言えど、それなりの装備を持ち、計画を作って、登山として登ることをオススメします。高尾山は観光地であり、山でもあるので、登山と観光の区別が付いていない人が多いのですが、未舗装路を歩くのならそれは登山です。観光は舗装路だけを歩く、ケーブルカーで上り下りをする場合だけです。

高尾山で雑な登山をして、それが普通だと思い込んで奥多摩など他の山に行くとかなり危険です。山の大きさや地形の複雑さ、施設やお店のサポートの無さなど、段違いに『山』です。

あんまり言いたくないですが、山を舐めてると簡単に死ぬので、死なないように、山に登るための準備を整えてから登山に出かけてください。

そのための情報収集もお忘れなく。勉強無しで山に登ると、ホントに死にますよ。

あ、あと、当たり前ですけどゴミは持ち帰りです。山に捨ててこないでね。


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松本圭司@ジオグラフィカ開発者 わぁい、サポート、あかりサポートだい好きー。