Bessent:米中双方が関税を引き下げる必要あり
米国の財務長官スコット・ベッセント氏は水曜日、米中双方が互いに課している高率の関税を「相互に」引き下げることが、両国の協議開始の前提になるとの考えを示しました。ここでは、ベッセント氏の発言や米国の対外貿易政策、さらには米連邦準備制度理事会(FRB)議長に関する言及など、報道された内容をまとめます。
米中の関税問題
米国と中国はそれぞれ高い関税をかけ合っており、米国は中国からの輸入品に対して145%、中国は米国からの輸入品に対して125%の関税を課しています。ベッセント氏によれば、この高水準の関税を維持したままでは協議のテーブルにつくことは難しいとのことです。
高関税の背景とベッセント氏の見解
背景
トランプ政権下で米中貿易摩擦が激化し、互いに高い関税がかけられました。ベッセント氏はこれを「実質的には禁輸措置に近い状況」と表現し、両国にとって利益にならないとの見方を示しています。ベッセント氏の主張
「一方的に関税を下げる意図はない」と述べる一方、「現在の関税率は米中双方にとって持続可能ではない」とも指摘しています。今後、両国の大統領同士がトップレベルで協議することで、互いに関税を引き下げる可能性も示唆しました。
ウォール・ストリート・ジャーナルの報道について
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、トランプ政権が中国からの輸入品への関税を一部で半分以上引き下げるなど、「段階的なアプローチ」を検討していると報じました。しかし、ベッセント氏はこの報道を否定し、「大統領からの一方的な申し出はない」と強調しました。
通商協定の展望
米国政府は、中国だけではなく、他の複数国との通商協定締結にも意欲を示しています。ベッセント氏は、米国が「他の14か国」との貿易協定を目指しており、インドとの合意には「非常に近い」と述べました。
第3四半期までの見通し
ベッセント氏によると、関税に関する方針と新たな税法案が第3四半期までに明確化される見通しです。その後、米国としては規制緩和(デレギュレーション)に重点を移す考えがあるとされています。
簡単な関税比較表
両国の関税率は下記のとおりです。
$$
\begin{array}{l|r|r} \hline
&\textbf{米国の対中関税} & \textbf{中国の対米関税} \\ \hline
関税率 & 145\% & 125\% \\ \hline
\end{array}
$$
FRB議長に関するトランプ大統領の発言
ベッセント氏は、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長に関するトランプ大統領の一連の発言に対してもコメントを述べました。
発言内容
大統領は先週、「パウエル議長の解任が待ちきれない」とSNSで投稿した一方、火曜日には「解任するつもりはない」とも明言しました。
これに対しベッセント氏は「大統領がパウエル議長に不満を示すのは今に始まったことではない」と説明し、メディアが「解任」に結びつけて報じている点を否定的に捉えました。
パウエル議長の任期
パウエル議長の任期は2026年5月までとなっており、ベッセント氏は「大統領のコメントは単に任期満了を指したものかもしれない」と述べ、解任を示唆する発言とは異なる可能性を示しています。
投資家視点で捉えるポイント
1.米中貿易摩擦の長期化リスク
米中間の関税率が高止まりしている状況は、企業の生産コストやサプライチェーンに影響を及ぼします。投資家としては、これが企業収益にどの程度影響するかを見極める必要があります。
2.他国との通商協定の展開
米国が中国以外の14か国と交渉を進めていることや、インドとの合意が近いという点は、特定の地域や企業に好影響を与える可能性があります。各国との協定内容と、その対象となる産業を注視すると良いでしょう。
3.税制改革と規制緩和の動向
第3四半期までに明確化するとされる新税法案や規制緩和の進捗は、企業活動や投資環境に大きく関わります。特に製造業やテクノロジー関連など、規制緩和の恩恵を受けやすいセクターへの影響をチェックすると、投資判断の一助となるでしょう。
4.FRB議長人事をめぐる市場の混乱リスク
大統領によるパウエル議長への批判が続くものの、実際の解任はないとの見方が示されました。ただし、FRBトップの人事への思惑が市場のボラティリティを高める可能性があるため、金融政策の方向性に注意を払う必要があります。
まとめ
米財務長官ベッセント氏の発言から、米中双方が現在の高い関税を相互に引き下げる道筋が協議開始のカギであることが明らかになりました。また、他国との貿易交渉、新税法案、規制緩和といった米国政府の方針が、今後の市場環境に大きな影響を及ぼす可能性があります。投資家にとっては、米中貿易の行方と併せ、米国の多角的な通商政策やFRB議長に関する動きを注視することが重要と言えるでしょう。
