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続絵|tsuzuki-e / a set of ukiyo-e

浮世絵を見ていると、横に長くつながった絵に出会うことがあります。二枚、三枚、時には五枚。
なぜ浮世絵は、こんなふうに分かれて作られたのでしょうか。

そのような浮世絵を続絵(つづきえ)といいます。続絵とは、二枚以上の絵をつなげて一つの画面をつくる浮世絵の表現方法です。

一枚ずつでも独立した絵として成立しますが、すべてを並べるとスケールの大きな一枚の画面になります。枚数によって、二枚続、三枚続のように呼ばれています。

では、なぜ最初から一枚の大きな絵にしなかったのでしょうか。私も最初はそう思いました。

浮世絵の版木には山桜が使われますが、そのサイズは限られます。また、大きな和紙を作ることも簡単ではありませんでした。さらに、絵師・彫師・摺師が作業しやすい大きさという事情もあります。こうしたさまざまな理由から、続絵という方法が生まれました。


ダイナミック!隅田川の夕涼み

それでは、続絵の作品を見ていきましょう。
まずはこのダイナミックな三枚続です。

溪斎英泉《東都両国橋夕涼之景色》
出典:東京富士美術館収蔵品データベース

英泉が描いた、両国橋の奥にドーンと上がる花火。そして夕涼みを楽しむ人が橋の上にも、小舟にもびっしりと集まっています。

向かって左側の河岸は、火除け地として作られた両国広小路で、仮設の見世物小屋も見えます。

三枚続ならではの横の広がりと奥行き、
そして何より、江戸の夏を楽しむ人々の熱気までも伝わってきます。


見晴らし抜群!品川のお花見

一立斎広重《東都名所 御殿山花見 品川全図》
出典:国立国会図書館デジタルコレクション

お次は広重が描いた三枚続。今となっては想像しにくいのですが、かつて品川が海に面していた頃の風景を見渡すことができます。

吉野の桜が植えられ、桜の名所となった御殿山では、人々が花見を楽しんでいます。ござを広げ、とっくりやお花見弁当を並べて春を満喫する姿は、なんとも平和な光景です。

花見を楽しむ現代の私たちと、どこか同じ空気が流れているようにも感じられます。


芝居小屋もド迫力!

最後に、「浮絵」でもご紹介した芝居小屋の三枚続も見てみましょう。

歌川豊国(三世)〈歌川国貞(初代)〉
《踊形容東絵栄》

出典:東京都立中央図書館

主人公が「しばらく!」と登場する、歌舞伎の人気演目「暫」の一場面です。三枚続の浮絵として描かれており、一枚の浮絵よりもさらに奥行きのある空間が表現されています。

なお「踊形容(おどりけいよう)」とは、安政期(1854〜1860)頃から歌舞伎を意味する言葉として使われました。



続絵は、浮世絵の表現の幅を大きく広げました。
横に広がる画面の迫力を知ると、ますます浮世絵の世界に引き込まれてしまいます。


🔗浮世絵の用語をまとめた「ことば帖」はこちら

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