【2084話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2084.最後の希望
辛さとか理不尽とか、ましてや感謝とか感じた事が無かったしすさんは、あろう事か退職の意思すら伝えずにバックレてしまった、ナリばっかり大きくなって悪いのは周りの奴等、可哀想な自分を嘆くだけの勘違い事大主義な迷惑ばら撒きマシーンだと思われてしまった、それこそ迷惑で可哀想だ、言い掛かりだし……
しかし、事実を知る術を持たない鏡面前の馬鹿共は自分達が出来る事で、なんとかしすさんに帰って来て貰おう、いや逝ってくれや、いやいや、居てくれや、そう伝え様と努めたのである。
何も映さなくなった鏡面の前で、しすさんに抱く感謝の念、遠く離れたレイブへの募る思い、機械と呼ばれるまで研鑽してきた過去に対する礼賛に投げ出す事を惜しむ気持ち、あらゆる手を尽くして復職を誘引したのである。
しかし、しすさんが戻る事は無かった…… ※只の機械でぶっ壊れているからです
彼等の努力は届く事無く、十日程が過ぎた。 ※こいつ等、粘り強さだけはありました
この日は既に惰性的になっていた励まし当番、ミロンの出し物、しすさんに捧げる唄(第四章)が歌い上げられ、形骸的に手を叩いていたペトラとギレスラが同時に洩らした大欠伸を中断する事態が勃発したのである、観察してみよう。
「♪離れて初めて気付いた君の優しさ~♪ その微笑みは今どこに~♪ 目を閉じれば今も~胸の中で――――」
『『フアァア~』』
『いましたわっ!』
「ギレスラっ! ペトラっ! ダーリンはっ!」
『グガァ♪』
『ファグッ、え、か、カタボラにエバンガ、か?』
『え、ラマスっ? う、嘘、でしょ? 何でココに……』
丘を駆け下りてこちらに向かって来る巨大な影、それはトナカイの魔獣エバンガの背に乗ったラマスと白竜カタボラのスリーマンセルに間違いなかった。
初見のミロンとブロルは軽い会釈で何と無く出迎え、テューポーンとキトラはカタツムリに舌鼓を打っていた。
さて、この行き詰った暗黒時代、どうするんだラマス。
突然現れたラマスズスリーマンセル、訳が判らないまま迎えたギレスラとペトラは仰天する事になる、他ならぬエバンガとカタボラが短期間に成し遂げた成長の規格外具合に対してである。
旅立ち前と同様に、ギレスラの首へと跳び付いたカタボラを受け止めたニーズヘッグ最後の生き残りは、その後の生涯をムチウチの疼痛と共に過ごす事となる…… 海獣の王『ケートス』の宿主となったカタボラの成長は思いの外に早かった…… 大体ギレスラの倍位だった、ドンマイ。
一方、鹿の王『エレカボール』を憑依させたエバンガは見た目こそ以前と変わらない物の、常に周囲に風の渦を纏っていてとても並の魔獣には見えなかった、ペトラの毛皮に着いた汚れも綺麗さっぱり吹き飛ばされた、良かった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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