【2015話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2015.ミョルニルの力
いよいよ死ぬ、ヤバイ!
そう素早く感じ取ったテューポーンバッタは思い切った行動に出た。
常に飛蝗化している逞しい翅をパタつかせ、まっしぐらに向かった先には幸福寺印の丈夫で長持ちなカナヅチ、量産型ミョルニルが転がる姿があった。
飛翔したままそれを掴んだバッタのテューポーンは、すぐ横で痙攣に合わせてバッタンバッタン長い首を地面に打ちつけ続けているギレスラには目もくれずその少し先、幼馴染のレオニードの手を互いにしっかり握り締めながら、胃から大量の温泉水を嘔吐し続けているグラムランドのルッカ目掛けて飛び去るのである。
『ジーッ、ジネッ!』
そんな感じで僅かな言語能力の進歩を滲ませながら、振り下ろしたミョルニルは嘘みたいな効果を発揮する。
ミョルニルには幾つかの能力がある。
ご存知の通り、敵対者に向かって投げつければその狙いは決して外れず、破壊すら不可能で投擲者の手元に戻る、これはトールの武器として結構有名な能力だ。
一寸法師の小槌としては昔話でお馴染みのちっちゃな法師を大きくした、当観察内では逆に小さくしたりもしている、これは既にご紹介済みである。
今回バッタが使ったミョルニルの能力、それは巨大化、所謂お姫様が法師に使った方の能力だったのだ。
ハンマーの柄を逆にして振るう事で縮小拡大どちらにも使える、これは丁寧な幸福寺グループの誰かが親切に書き記してくれていた事だがコレ、物凄いアーティファクトだったりするのだ。
つまりドラえも○のスモールラ○トとビッグライ○を合わせた能力、二話分の便利道具を一つでこなしているのである、びっくりだ。
まあ、ガリバ○トンネルでも同じじゃね? そう言われてしまえばそれまでなのだが、兎に角凄いっ、凄いと思って頂きたいっ。
そんな秀逸なアーティファクトのミョルニル(量産型)はあっと言う間に望んだ通りの結果を出す。
とは言っても行使者の叫んだ言葉、死ねの方では無く、製造者が意図したサイズ変更の方である。
ぶん殴られたグラムランドは忽ち、眩い光を発しながら本来の巨体へと戻り始める。
進撃する奴のエレン的な感じ、そう思って頂いて構わないだろう。
しかし、なにぶん狭いクラックの中だ、唯でさえ無駄にデカイ竜王様が入り切れる訳がない。
程無く、逢魔ケ原はグラムランドで埋め尽くされる事となる、言い間違いでは無く、一切の隙間なくグラムランド成分で満たされてしまったのだ。
幸い水属性で潤った肌質に柔らかさ充分で滑らかな鱗、一行のメンバー達はその表面にズブズブと沈む様に包み込まれていく、つまり圧死はしなかった、良かった。
バッタとカメムシも同様で逃げる暇も与えられずに肉に埋没した。
逢魔ケ原一杯にギュウギュウに膨張したグラムランドは、未だグボグボ言いながら温泉水を戻し続けていた、大きくなってもコユキ濃縮ガスの影響下にある事はなんら変わってはいなかったのである、残念。
寧ろ、苦し紛れの身動ぎすら不自由になった昏倒勢には確実な死が随分近付いた感じすらある、漏れ聞こえる喘ぎが弱々しさを増している事がその根拠だ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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