【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1555.ストレート
そうこうしている内に、集まった部位が本来あるべき位置まで勝手に戻り、傷や出血の痕跡も消え始めたレイブはスヤスヤとした寝息を立て始めている、恐らく内部やより精密な神経なんかの修復に移っているのではなかろうか。
シュカーラはだらしなく垂らしたままだった師の舌を、ぞんざいに折り畳んで口の中へ戻し終えた後、誰にともない呟きを洩らす。
「しかし不思議な石だなこれは…… これほど光り輝いていれば投げる前に気が付きそうな物なんだが?」
ウータンが私見を述べる。
「礫の中とかに混ざってたんしょ? 見えてたんならウチらが気付くし」
「なるほど」
ガトは呆れた表情だ。
「あんたらあの訓練? あれよね、動かないレイブに皆で一斉に石投げつけるヤツでしょ? もう止めれば? そもそも成果が見えないし、結構な頻度で死に掛けてるし……」
「まーアァシらの投球も磨きが掛かってきてるしねー、手元で伸びる? ほら、縦回転を意識してるからさっ、キレってーの?」
答えながら腕を振るってみせるウータン。
言葉通り中々堂に入ったフォームでスムースな投球動作に見える。
サウスポーのスリークォーター、投げ終えた後の上体が安定して見える事からコントロールとフィールディングに難は無さそうである。
しかも発言から察するにストレートが得意なのだろう、将来有望な左椀なのでは無かろうか。
ガトは溜息混じりである。
「はぁ~、ほら、直死ぬわよ、レイブ」
「いや、さっきも言いましたけど今日は調子良かったんですよ! 最後なんか全弾跳ね返せたんですから!」
「そう…… 精々うっかり殺しちゃわない様にね、はぁ~」
パダンパは眩しそうに目を細めつつシュカーラの手にある小石を眺めて言葉を発する。
『んでどうするんすか、その石、叔父さんが言ってた通りそこらに捨てる訳にもいかないっすよね?』
「うーん、そうよねぇ」
確かに…… 正体不明とは言え、魔神アスタロトの再生能力を阻害していた石である、しかも悪魔の魔核や真核とも違っているのだ、放置する選択だけは無い、そう思える。
「綺麗じゃん? アァシ貰おうかな?」
「貴女が? どうするの?」
「アァシそもそもこの頭治して貰いたくて来たんだけど?」
ウータンは生え際から頭頂部まで続いた特徴的な一本道を指差しながら判疑問であった。
「え、『回復』や『治癒』じゃあ毛髪とか治らないわよ? ね、パダンパ」
『ガト様の仰る通りっす』
「やっぱそう来る? まっいっか、他も短くして坊主にすっかぁ、しゃーないもんねー」
「うんそうね…… 残念だわ」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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