【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1663.カウンターメジャー
カーミラ、彼女は自分が憎しみ恨み忌み嫌った者達だけを近しくして生きる事になった。
消えてしまえっ! そう願った相手は永遠に自分から離れずに彼女に笑い掛ける、『ありがたいことです』と……
その無味乾燥な微笑みは彼女に忌しい記憶を想起させ続ける事だろう、ルキフェルへの誓いを破った悔恨と共に……
これが神が人に与え給うた背信の罰だ。
罪はその身では無く、魂の根幹たるアートマンに刻まれる、深く何度も、永遠に……
それまではブラフマンに組み直される未熟な魂すら、この罰の苦しみによって望まずとも無理矢理アートマンへの昇格を果たされ、強引に個としての試練を叩き付けられるのである。
以前の観察の中で、バアルは死をある状態を指す言葉に過ぎないと断じた、『待機』である。
本来、不死とは永遠の孤独、その苦行や試練に耐えうる能力が必要なのだ。
そんな卓越した存在以外には待機する時間が不可欠、あの表現はそんな事を言っていたのかも知れない。
で、死の必要性と不死の残酷さを熟知するバアルは背信者に罰としてこれを与えていると…… 惨い。
そんな禁忌と神の罰について情報のすり合せを終えた少女とメイドは会話を続ける。
「まあ大体判りましたけど、困りましたわね」
「何がよ? 確かに手下は気色悪い男共ばかりだけれど、言う程困ってはいませんわよ? 食べ物もアイツ等の血を飲めば良いし」
「でもお嬢さま、今の状態を忌憚なく言えばモンスターですわ、化け物、物の怪、妖怪の類でしてよ?」
「あー、改めて言われるとそれなりにショックよね、それ? 化け物、か…… あれかしら? やっぱり人里離れた古城とかに住んだ方が良いのかしら? あっ、巣食うって言い回しのがしっくり来るわよね?」
「うーん、そうですわね」
既に結構人里離れ荒れ果てた古城で亡者と人面カモシカに囲まれた吸血鬼とグールっぽい二人の会話である、そこそこシュールだ。
グールっぽいベラさんは砕けた顎に指が千切れて二、三本プラプラしている片手を当てながら首を傾げつつ言う。
「今後の事も考えなければなりませんけど、まずは当面の危機をなんとかしませんとぉ…… ほらゲベレイジス様が怒り狂ってお嬢様を討伐に来るじゃないですか?」
「は? ゲベレイジス、様が? な、何でですの?」
ベラは零れ落ちた眼球を上手にキャッチして右目の眼窩に戻しながら答える。
「え、だから信徒の保護の為ですよ! お嬢様は制約を破った背信の大罪者であると同時に敬虔な信徒を害するモンスター、今や害獣みたいな立ち居地じゃないですか? でしょ? 駆除ですわ駆除」
ん? 信徒保護? なんの事だろう?
キョトンとする私、観察者とは違い、当のカーミラは何か思い当たる事があるらしく急速にワタワタしながら言葉を震わせ始める。
「そ、そう言えばここの馬鹿男共も元を質せばそれなりに真面目なダキア信徒だった様なぁ…… あわわ、こんな田舎のなんちゃっての為に、か、神が来ると?」
「あら、いらっしゃっちゃったみたいですわ」
「うそっ……」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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