【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1286.すり合わせ
猛り狂った『森王』、ダソス・ダロスの登場シーンに、しれっと粗い物真似で姿を表したのは、十二年前ハタンガの魔力災害以来、杳として行方が分からなかった『ゴライアスの子』の一人であり、レイブにとっては妹かつ家族同然だった娘、美しく成長したガトであった。
当時、七歳だったレイブは十九歳の逞しい青年に、同様に六歳の少女だったガトも又、十八を迎え大人の女性として成熟への只中に差し掛かっていた。
何故彼女がこの森に? 何故似ても似つかない『森王』の真似を? 他にも謎めいた獣人たちの生活と習慣、アーティファクトの存在と理解不能な魔石の充填方法、二柱の亜神と始祖ナガチカの残した怪しい信仰。
聞きたい事、聞かなければならない事が目白押しの中、レイブは私情を押し殺しながら必要な質問に終始するのであった。
「で? えっとぉ…… ここに住んでいるのか?」
迎賓館の入り口近く、建屋から屋根がせり出している場所に腰を下ろした一同の中、レイブが口火を切った。
「あ、うん、最近ね」
歯切れ良く答えるガトはレイブの隣り、正面にはぺトラとギレスラ、レイブの懐には顔を覗かせたテューポーンである。
つい先程までスリーマンセル係りっぽく口うるさくしていたシュカーラや、ダソス・ダロスが突然女の子に変わってしまった事態に慌てて駆け付けたミロンやブロルは、遠巻きにしながらこちらの様子に聞き耳を立てているようだ。
それ以外の一般人、まあ、揃って多種多様な生物の名残を残した獣人ばかりなのだが、この里でのモブ的な人々は更に距離を取って身を寄せ合い、ひそひそと何か言葉を交し合っているばかりである。
初対面の巨猪と竜を目の前にしても物怖じ一つしない豪胆さは彼女、ガト生来の物だろうか?
それとも兄の様な存在、レイブが身近にいる事が安心材料にでもなっているのだろうか?
この場に落ち着いてからの僅かな時間に、レイブは自分のこれまでについて、甚だ大雑把では有るものの説明を済ませていた。
魔力災害から逃げた先で魔術師バストロに救われた事、家族の様に感じながら共に生活しつつ自らも魔術師を目指しその中で生涯を共にするギレスラやペトラと出会った事、不意に訪れたバストロとの別れとそれ以来、スリーマンセルで力を合わせて生きてきた事、等である。
現在、世話になっている学院の代表として、竜の里へ赴く途中である事も包み隠す事無く話して聞かせた。
ただ、自分達の中に魔神であるアスタロトが憑依している事や、アーティファクトを探している事、そしてコインの呪いで死へのカウントダウンが始まっている事等については意図的に黙っておく事にしたのである。
久しぶりに会った彼女を心配させてしまうと思って、それに自分達の背負った宿命は彼女には関係が無い話しだと判断したからであった。
とは言え、語った部分だけでも十二分に重い内容だろうに、彼女は世間話でも聞くように気楽な感じで相槌を返しながら聞いていたのだ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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