【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1218.不気味な谷
手近な石像を見て回ったレイブはもう一つの事に気が付いたようだ。
「あれ? やけに新しいなここの石化したニンゲン達って…… 全然欠損が無くてつい今しがた石化したみたいに見えるぞ? にしては魔獣の死体や家畜の野獣の亡骸も無いなんて…… はてな?」
おい、ぐるぐるは?
『魔獣や家畜がいなかったのかもしれんぞ、ニンゲンだけの集落とて無い訳じゃなかろう?』
……まあ、良い、じゃあここからは無い方向で行くんだな?
「それはそうだけどなぁ、やっぱり不自然だよこれ! ほら見てみろって、こっちのおっさんは薄着だけどそっちの女の子は毛皮を着てるんだぜ?」
『なるほど、確かに可笑しいな』
「だろ? ぐるぐる?」
『ああ、ぐるぐるだ』
戻るのかよ……
私、観察者が呆れ果てたその時、ペトラが小声でぐるぐる馬鹿たちを素早く注意する。
良いぞ、言ってやれ!
『しっ! 何か聞こえない? ぐるすら、ううん、ギレスラお兄ちゃん?』
お前もかよ……
ペトラに促されたスリーマンセル一の五感超越者、ギレスラは耳を済ませた直後、慌てた素振りで答えたのである。
『何だ? 足音、か? しかし、まるで金属の様な…… それにこの振動! レイブっ! 正体不明の何かが近付いているみたいだぞ! しかも、かなりでかそうだ!』
「正体不明の? 何か? って何かって何だよ? 取り敢えずでかいんだよな? モンスターとか魔獣じゃなくてか?」
レイブの問いにギレスラは無言のまま頷いて、この間にも足音らしき物は近付き続けている様で、はっきりとした振動と地面に金槌を打ち付けた様な不気味な金属音も響き渡り始める。
「ええっとぉ、一旦身を隠してやり過ごそうか? だな…… どこか隠れる場所とか無いかな……」
小さな頃から割りと堂々として動じる事が少なかったギレスラが、目に見えて挙動不審、おどおどと脅えた視線を音のする方向に向けたまま全身の鱗を逆立てる姿には、さしもの無神経レイブであっても慎重にならざるを得なかった様だ。
キョロキョロと周囲を見回したが、どちらを見ても同じ位の石像が整然と並んでいるだけで、自分とバッタのテューポーンだけならば兎も角、巨大と言って良いギレスラや、いまや肥大とも言えるペトラが身を隠せるに足る物は一つも見当たらなかった。
そんな中、
『レイブお兄ちゃん、あそこが良いんじゃないの?』
「お、ナイスッ! ほらギレスラ、早く隠れようぜ!」
『グゥ、判った』
ペトラの見つけた場所に向かい、コソコソと身を潜めるスリーマンセルであった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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