【2035話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2035.宴
怪我人を一通り治療出来た時は翌早朝、休む間も無く竜王の里、クルン=ウラフ両陣営の顔合わせがパラトゥンカの城内で執り行われる事となり、ステナとヴァミスは再び顔を合わせる機会を得た。
顔合わせは和やかなムードの中、順調に進んだ、かつてより友好組織として互いに使者を交流させて来た事に加え、両者を結ぶ鎹としてパダンパの存在も大きな一助となった。
森王ダソス・ダロスと竜王グラムランドは会談後手を取り合い、今後は旧倍の協力を目指すと笑顔で宣言した、巨体同士なにか通じる所でもあったのだろう。
ハタンガへの出兵が取り止めになった事に加え、今後両陣営で協力して生活再建に取り組む事を祝して宴が開かれる運びは至って自然であった。
メダカの王国の副王キトラが求めたハタンガ奪還ではあったが、それに乗った竜王の里側には別の理由も存在していた、深刻な食糧不足である。
そもそも不毛で知られたこの地では、食料となる野獣やモンスターが枯渇しはじめていたのだ。
出兵に先立ってパラトゥンカに南下して来たのも、温泉に含まれる魔力を飲んで、飢えた肉体を少しでも回復させる為であり、グラムランドがギレスラに語った脱皮云々は自尊心から来る方便、見栄による格好つけに過ぎなかったのだ。
対するクルン=ウラフは豊かであった。
金属板の消失によって本拠こそ失った物の、旅の途中で狩り続けたモンスターは山の様に積み上げられ、特に最近入手したマナナンガル蝙蝠は馬鹿みたいに大量だ、一部の神経質なメンバー以外には味も好評なのだ。
そして獣人は器用でもある。
人型の体は様々な作業や工夫に秀で、掛け合わされた動物から受け継いだ能力や特徴は本家に引けを取らない、非常に便利で優位な種族なのである。
強いて欠点を挙げれば世間知らずな所と体格が小さい事だろう。
里長のクマ兄妹とかは結構な巨体ではあるが、同種がベースの魔獣は勿論、野生動物である野獣に比しても小型で脆弱だったりする。
つまり、防衛力、戦闘力に不安があったのだ。
この心配は消え去った。
竜王の里には魔獣の軍団があるのだ。
リーダーのレオニードは兎も角、配下の魔獣は皆屈強で朴訥、真面目で誠実で謙虚で不器用なナイスアニマルなのである。
何より数が多い。
ハタンガ由来の西側でもこれ程の魔獣にはお目に掛かれない位の大軍団である。
そして更なる力強さはやはりドラゴンである。
制空権と強力な武力、ブレスの存在である。
旅路の中、ギレスラ一頭の存在だけで圧倒的な力強さを感じていた獣人達は、様々なドラゴンを目にして期待を高め捲った。
狩を生業にする獣人達は積極的に友誼を結ぼうとし、とりわけ飛竜の周りには人集りが出来ていた。
スカイドラゴンに跨ったトラやオオカミの獣人…… 私、観察者でも胸に熱い物を感じる、ロマンって奴だろう。
こうして和気藹々、楽しく盛り上がった宴は延々と続いた。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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