【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1217.ぐるぐる
不意に襲い掛かる災害級に濃密な魔力も、幼い日から魔力過多な食事とその弊害を、循環速度を高める事で乗り越えてきたスリーマンセルには慌てるほどの事ではなかった。
十秒も要せずに元の姿を取り戻した仲間達に、手指を二、三度握り返して具合を確かめたレイブが立ち上がりながら声を掛ける。
「ふぅ~、突然で驚いたな~、ぐるぐる、これが今のハタンガの魔力って事か~、ぐるぐる、こりゃ通り抜けるまでは気を緩められないぞ、ぐるぐる」
『ぐるぐる、確かに想定していたより濃い様だ、ぐるぐる、しかし我等にとってはなんと言う事は無い、ぐるぐる』
「だな、ぐるぐる」
ふむ、どうでも良いがぐるぐる発声しない訳には行かないのだろうか? 少し気になる私、観察者である。
心中でぐるっていたのか、静かにしていたペトラが突然声を発したが、それは悲鳴に近い物である。
『ひっ! な、何よここって』
『おいペトラ、ぐるぐる忘れるなよ、ぐるぐる』
「ああ、ぐるぐるしないと又太るぞ、あはは、ぐるぐる」
会話の中にぐるぐるまで混ざるともう益々……
グルグル言っている兄達と違い、ペトラは普通に返した。
やはり心中でぐるっているのではないだろうか? 成長著しい。
『周りを見てよ、ここって…… 石化したニンゲンばかりじゃないの、あれかな? 石化しちゃった集落の跡、とか?』
「む、ぐるぐる」
『ぐるぐる?』
……ペトラの言葉を聞いたレイブとギレスラは、周囲の様子をぐるぐると眺め回しながら魔力をグルグル還流させているようだ。
言葉がどちらを指しているかはこの際どうでも良い事であろう、全く煩わしい。
景色を確認したぐるぐる兄弟の弟が言う。
『ふむ、ぐるぐる見渡す限りニンゲンばかりだな、ペトラが言う通りここいらはぐるっと集落だったに違いなかろう、ぐるぐるっとな』
ぐるぐる兄が首を左右に振りつつ返す。
「いやぐるぐる良く見ろってギレスラ、ここらがぐるっと石化に襲われたにしては様子がおかしいぞ? ぐるぐる見た感じ綺麗に並びすぎているだろう? まるで誰かがぐるぐる整備して整列させたみたいじゃないか! ぐるぐる?」
『なるぐる、確かに並んでぐるな』
「な? だろぐるスラ」
これわざとやってんじゃないかな?
まあ、日常に娯楽の類や楽しみが少ない時代だ、こんな事しか愉快に感じられないのだとしたらそれはそれで哀れではある。
兎に角、ぐるぐる兄もとい、レイブが言う通り、石化したであろうニンゲンたちは一定間隔に並べられ同じ方向を向いて直立していた。
まるで世界各地の巨石遺跡なんかで見られるモノリスみたいである。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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