【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1484.呼び掛け
命のやり取りから少し経過したスリーマンセルが、緊張を解いて普段通りの風情に戻る中、内と外で二面性を持つ魔性の青年、と言うか、はっきり悪魔に取り付かれているシドが一同に向けて言葉を発する。
「じゃあ、私はそろそろ行くよー、レイブ君、ギレスラさん、ペトラさん、頑張って強くなってねー♪ そっちの二人も魔力が馴染んだら一所懸命に鍛えるんだよー!」
改めて別れを口にしたシドは既に魔界に戻る気満々な様だ。
レイブ達は慌てた様子で口々に礼や挨拶を口にする。
「ありがとうございました」
『世話になった、快癒を祈っているのだ』
「どーもです」
「お元気で」
『さようなら…… あっ、スキルの事とかありがとうございました! これからも色々試してみますからぁ!』
既に直立して旅立ちに備えていた感じのシドが振り返った。
表情ではなく顔面、いや全身が身に着けている服や防具、武器に至るまでが、まるで水面が小波で揺らめく様な質感に変化している。
驚く一同に向けておまけとばかりに口を開いたシドは言う。
「スキルは成長する、持ち得る様々なスキルをなるべく多く使ってみる事だ、頑張りなさい」
バシャッ
言い終えた瞬間、彼の体は水となって地面に落ちた。
つい今しがたまでシドだった液体は地面に落ちても浸み込む事無く、一塊となって横にある泉の中へと移動していくと、直ぐに一体化して判別不可能となってしまったのである。
驚愕の度合いを高めた一同は固まったままで暫らく動く事も話す事も出来そうには無い感じだ。
まあ、無理も無い。
これまで人型が取れたり、少なからず固体ではある悪魔にしか出会った事が無かったからな。
今回のアガリアレプトは液体、まだ影や風、音だっているし、もっと不確かな概念の悪魔なんかもいるんだが…… それらは会った時、その都度びっくりして貰うしかあるまい。
人生とは兎角驚きと共に進む物なのだからな、うん。
さて、スリーマンセルとバッタ、ミロンとブロルが行動を始めるまでにはもう少し掛かりそうな様子である。
私、観察者もゆっくりと今の出会いについて振り返ったりしておくとするか。
『なあ、見ているんだろう?』
ん? シドと言うか記憶にあるアガリアレプトの声だな? まだ何か言い残していたとかかな?
どれどれ?
『途中からアンタの視線を感じていたよ、それに割と偏った所感に基づく想念にもね』
……………………
え? 嘘でしょ? これって若しかして…… 私、観察者に話し掛けてるの? まさか……
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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