【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1773.父と息子
天を仰ぎ独りで高説を打ち捲っている黒猪を放置したまま、取り敢えずレイブの声に頷く白黒トラ。
すかさず差し出された川魚(しっかり冷ませ済み)に舌を伸ばしながら齧り付いている。
飢えに任せて一気に食べるかと思いきや、一口食べた所で一旦顔を上げ、レイブとギレスラを見回しながら言葉を発する、流石はアムールトラ、虎最強の貫禄と言えるかも知れない。
『これは美味い、何と言う魚ですか?』
「いや、知らないが……」
『この川の魚だな』
『ほぅ、コノカーノサカーナ、ですか? ふむ』
「へーそんな名前なんだな、コノ・カーノサ・カーナってーのか、コレ?」
『初めて聞く名前なのだ』
『私もですよ』
強さは兎も角、あまり賢くは無い様だ、お互いに。
無意味な笑顔を交し合った後、レイブは改めて白黒トラに語り掛ける。
「魚の名前が判った所で自己紹介と行こうぜ、俺はレイブ、こう見えても魔術師だ」
『我は闘竜のギレスラ、こっちでミアキスが犬とネコに分岐した辺りを熱弁している豚猪が獣奴のペトラなのだ』
『これはご丁寧にどうも、私は竜王魔獣軍団にいましたアムールトラの魔獣、レオニードと言いまして――――』
「ぷっ! お前、トラの癖にレオニードってっ!」
『む! 何ですっ?』
『勇敢なライオン、か…… 憧れて居るのだな……』
『ち、違いますよ! この名前は親が勝手にぃ――――』
『お、親父』
『え?』
レイブとギレスラがお得意の揶揄いを発揮しようとした矢先、溺死間際から復活したキャス・パダンパが起き上がって言った、そう言えば親父はアムールトラとか言っていたな…… こいつだったのか。
実の息子にジャガランディと間違われていたパパネコは振り返って返す。
『お前…… 誰だ?』
と……
結論をお伝えしよう、パダンパとレオニードは親子だった…… 遺伝的な意味ではパリーグを問い質さない限り確かな事は闇の中なのだが、兎に角、お互いの認識的にはパパとボーヤで間違い無かったのである。
パパの発した言葉の意味は、単に濡れたパダンパをブロルが乾かした事で鬣中心にボワッボワに膨らんでしまっていたせいである、決して、貴様なんぞ親でも子でも、的な縁切りシーンでは無い。
例えるならば、都会に出て行った息子が久しぶりに帰って来たと思ったら娘になっていた、みたいな場面だったのだ、若しくは一人娘がいつの間にか髭まみれになっていた的な感じだ、いずれにしても元気で良かった。
若しかすれば娘化した息子は再び在りし日の角刈りに戻ってコンビニ前でデカ盛りカップに舌鼓、又は近所の町中華で昼のお得なラーメン日替わり丼セット(ニラレバか焼肉)を笑顔で頬張る、或いは生え揃えた髭の剃り跡も青々しいまま往時のミニスカート(ピンクのフレア)で、無理なホルモン調節によって以上に逞しくなり過ぎた生足を道行くジェントルマンに見せ、いや魅せ付ける日が来るかも知れない、元気は大切なのだ。
通り過ぎれば若気の至り、どんな事でも昔話なのだ、だって明日から見れば今日なんて大昔なのだから。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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