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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1398.老婆心


  会話の途中で何かに気が付いた、しくは誤嚥ごえんによる呼吸困難を起こした感じで目を剥いて固まっていた黒熊里長がこの言葉に良い反応を見せる。

「そ、その通りです! はっきりと思い出しましたぁ! あの日は私の十の誕生日でした!」

 レイブは頷きつつ、片方のてのひらを里長に開いて見せながら話の先を促す。

「ふむ、続けたまえ」

「は、はいぃっ!」

 死んだ筈のモンスターの蘇生、そして年齢と言う単語の言及によって十歳の誕生日を思い出した黒熊の里長は当時の記憶を語りだした。

 その日はお祝いだったと言う。
 家族皆で川遊びに出かけた幼い日の里長は、父が川で捕らえた鮭や川原の茂みに巣食っていた蜂の巣等をたらふく食べ、幸せいっぱいでアイユの里に帰ってきたそうだ。

「十歳か…… 蜂蜜はボツリヌス繁殖の危険もあるから乳幼児にはあげない方が良いからな、憶えておけよ」

「は、はい、里の者には一歳以下の子供には与えない様に指示しています」

「なら良かった、念の為鮭なんかもしっかり過熱してくれよな、さっ、続けてくれ」

「ええ判っていますよ、それでですね――――」

 帰り着いた里は上を下への大騒ぎだったらしい。
 当時里長を務めていた父は勿論、婦人会の中心で活躍していた母親も慌てて事態の把握に向かったと言う。

 兄や妹と共にその場に残された彼は、友人にあげようと持ち帰ったザリガニを眺めていたそうだ。

『子供だけを残して行くなんて感心できんな、過度の放任は生育途上の心身に好ましからざる影響を与える事も少なくないのだぞ、場合によっては成長ホルモンの不全による発育の遅れをまねく事だってあるのだ』

「あ、でも、育ちましたよ、私と兄、妹も」

『あくまでも一般論だ、それより先を話してくれ』

「あーなるほど…… 里の者には伝えておきますね、それで――――」

 しばらく待っていると里のニンゲン達が大勢で逃げてきたと言う。
 躊躇して逃げ遅れた彼等は兄の機転によって脇にあったオレアンダーの茂みに身を隠してやり過ごす事にしたらしい。

『オレアンダーって夾竹桃きょうちくとうでしょ? 猛毒なのよ、ソレ! 花、葉、枝、根、果実、全部がドクッ! 燃やした煙も白い樹液も何もかもが毒なんだからっ! お兄ちゃんも迂闊だわねっ!』

「あーでも私等クマっぽいニンゲンには下剤代わりだったりもするんですよねー、ご心配はありがたいんですけどねー」

『あら、そうなの? 丈夫じゃない! 実は熊なんじゃないの?』

「いえいえ私も兄妹もごくごく普通のニンゲンですよ、クマっぽいですけどね」

『了解したわ、んで続きは?』



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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