【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1324.ハタンガ
それからの日々は非常に充実した物となった。
ハタンガには他の地で既に失われてしまった様々なスキルが残され伝えられていたのだ。
伝承は歴史にも言及されていた。
かつて極北の寒村だったハタンガを、ニンゲンと魔獣、竜の本拠で聖なる地へと導いたのは他ならぬ極東ニンゲンの群れだったと言う。
彼等のリーダー、コユキとゼンアクは世界中から優れた能力を有した生き物をこの地に集めたそうだ。
取り分け二人の故国である極東の島、ニホンからは数多くの生き物が彼等に従って移住してきたらしい。
私の先祖もその中に含まれていたのだろう、そう思うと胸が熱くなる様な高揚感を感じたものだ。
驚いたのは、聖女と聖戦士と呼ばれた二人の下には、古代から信仰の対象となっていた神々、悪魔の多くが臣従してもいたと言う。
優れた極東ニンゲンの頭領ともなれば、超越種だろうが従えてしまえるのだ! 私は感動を隠す事が出来なかった。
それほど卓越した存在の二人であったが、やがて揃ってお隠れになられたそうだ。
ハタンガのニンゲン達によると、『世界を救う為の犠牲になられた』との事だったが、長い時を経た現在では細かな経緯を知る術は残されてはいない。
更に喪失は続く。
彼等の後を追うように悪魔達までもこの地上を去ってしまったと言うのである。
理由は同じく世界を救う為だったらしいが、悪魔達は残される者達に恩寵とも呼べる贈り物を与えてから旅立ったそうだ。
スキルである。
最初は自らが依り代とした生物に経験を共有した残滓として、その後はそれぞれの子孫に遺伝として伝えられた。
当然スキルを行使できる個体は限られていたそうだ。
残されたニンゲンや魔獣、ドラゴンはこの事態を危惧し現状打破の為に凄まじい努力を続けたと言う。
元々有していたスキル、『てくのろじい』や『品種改良』を駆使して解決策を模索したが、成果は今一つだったようだ。
この時期に外の世界に希望を求め、里を離れた集団が数多く出てしまったらしい。
増え続けるモンスターの襲撃と頻発する魔力災害の中、ブレイクスルーは突然訪れたそうだ。
スキルはコピーする事が出来る。
生存の可能性、その喜びの報せは空と森、そして水中から齎されたと言う。
鳥と昆虫、魚や両生類、甲殻類が先んじて発見していた技能であった。
ニンゲンや魔獣、ドラゴンよりも、種として長命だった彼等は、悪魔との関係も又、段違いに長い時間を共有していたのだ。
その経験で手に入れたスキルを、彼等は惜しみなくニンゲンや魔獣、ドラゴンに分け与えてくれたらしい。
方法は忠誠。
彼等が王と崇めていた魚、ナッキ王に心からの忠誠を誓う事でコピーする事が出来たと言う。
こうしてハタンガの民は困難に立ち向かう技能と仕えるべき王を手に入れたのだ。
因みに忠誠が言葉だけだった者にはスキルが複写される事は無かったそうだ。
それ以外にも、一部のニンゲンにはスキルが写らなかったらしい、ナッキ王を心から敬愛していたのにも関わらずだ。
それらのニンゲン達は全員四つの部族出身の者達だったと言う、ゼムガレ族とスキタイ族、コサック族にグルカ族であった。
彼等は現在でも『遠駆け』以外のスキルを持たず、特に種族特性が強いと判断された子供は外界と隔絶された中洲で育てられたりしている。
判断はナッキ王以来、王国の重鎮が集まってしているそうで、今はアリス様たちを中心にやられているそうだ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡