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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1187.達人の教え


 宴たけなわでほろ酔い気分の中、たった一人しらふなレイブは偉そうの極みであった。

「とは言えね、一線は越えてはいない訳ですよね、俺的なプライド? 矜持きょうじって言うのかなぁ~? 人によっては下らないこだわりとか言われたりするかもですけどね? ガツガツしないと言うか、距離感? うん、距離感かな! 今だけしか味わえないこの微妙な距離を楽しむと言うか味わう? 的な感じなんですよね? 俺的にぃ~、判るかぁグフトマぁ? あっ、太師匠たいししょう、か? あはは♪」

「距離感? へぇ~! ぐ、具体的には? ど、どんな感じでぇ?」

 うん…… このやり取り…… レイブを調子に乗らせてしまっている責任の過半は間違いなくグフトマ、太師匠で元魔術師の大家、そればっかりで恋愛下手なこいつの存在が一因になっているな。

 孫弟子の調子はうなぎ登りだ。

「性別の違いか個性かどうかは判らないけどさ、一緒に暮らしているとやっぱ色々あるわけよ! 価値観の違いってかすれ違い的な? それが素になって喧嘩になる事だってしょっちゅうだしね」

「へ、へぇ~」

「内容なんか何の事は無いんだよ? 髪型が変わった事に気が付かないだの、逆にいち早く気が付いて可愛いねって褒めた事とかさ、どんな事でも切欠になる訳だよこれがね」

「うへぇ~」
 
「最初の内は訳判らないからね、コイツ大丈夫かよ? ってね、でも一緒にいる時間が長くなるとね~、この不可解さも含めて俺たちの関係なんだなってさ、そう言う意味での距離感とか?」

「はへぇ~」

「もちろん肉体的な距離だってしっかり維持している訳よ! 将来的に結婚するとは言え今はまだ違うわけじゃない? だから家の中にも仕切りとか作っちゃったりしてさ、お互いに不可侵の部分ってのはちゃんと尊重しているんだよ? そっちの距離感もまた刺激と言うかマンネリ防止に役立つって思う、判るかな? グフトマ、ごほんっ、太師匠?」

「うーんー、一緒に暮らしてて? 距離を保つのかー、うーんー?」

 レイブは溜息と共に一刀両断、しかしその表情は未熟な後輩を憎からず思っている先輩、所謂いわゆるパイセンの物であった。

「はあぁーあー、おいおいトミー、おっとグフトマ太師匠ぉー、一晩きりの遊び相手じゃないんだぜぇー、です…… ガチの相手に対して劣情抱いてどうすんだよー、です…… 良いか、欲望と好意、それと愛情を混同させたら駄目だぜ? オケイかな、トミー?」

 遂に勝手につけた愛称で呼ばれてしまったグフトマ改めトミーボーイは心底感心してしまったらしく、いつの間にか姿勢を正した正座になって何度も頷きを繰り返していた。
 良く聞けば小さな声で、欲望と愛情、だとか、良い感じの距離感か、だとか呟いているようだ。

 まあ、彼女いない暦数百年プラス今生の二十年なのだから、言われた位で理解出来る事では無いだろう。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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