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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1126.現状分析


 そこに居た小さなものの姿とは、黒紫の胴体から灰色の両腕までをグラデーションで彩り、腰から下は紺碧こんぺきの鱗で包まれた蛇の姿、羊の頭蓋骨を小さくした様な青い顔面に二本の尖角せんかくと更に二本の巻き角を持ち、背中にはコウモリの物に酷似した二対四枚の翼を持った、なんとも不気味、はっきり言ってモンスター的な小動物、それに見えたのである。

 不思議な化け、生き物に対してレイブは話し掛ける、凄いな、気持ち悪くないのだろうか?

「アスタさんですよね? どうしちゃったんですか、小さくなっちゃって?」

 サイズ?

『ふむ、大きさを保てるほど魔力が残っていないようだな…… まあ、問題あるまい』

 サイズか……
 サイズ的な問題は瑣末さまつな事らしい、その言葉に安心したレイブは改めてアスタロトに、新生アスタロトに話しかける。

「それにしても何だったんでしょうね? テューポーンさんもあんなに小さくなってどこかへ飛んで行っちゃったし…… 判ります、神様?」

 正しい信仰の前には姿形すがたかたちなど大した問題ではないのだ、偶像崇拝者に見せてやりたい、立派だ。
 
 小さな化けも、ごほんっ、魔神アスタロトは首を捻りながら返す。

『うーん、皆目見当つかないな? あれだったか? 我がお前達に憑依する前、普通に暮らしていた頃にはこんな事は起きなかった、そう言う事でオケイか?』

「ええ、暮らしている分には特段問題なかったですよ、俺達だけじゃなくてバストロ師匠やヴノ爺、ジグエラも同じですね」

『ふーむ? ではその後、どこぞの化け物でも住みついたのかな? それにしてもテューポーンや我を吸収するなんぞ…… 尋常の化け物ではないな、ありゃ』

 尋常の化け物か、中々哲学的な言葉じゃないか。
 感心する事一入ひとしおの通常規格内らしい小ぶりなクリーチャーを右掌みぎてのひらに乗せながらレイブは言葉の意味を熟考する。

――――吸収? 吸収か…… 化け物と言うかモンスター一般で考えれば、魔力が豊富な個体の方がより強いのが常識、捕食によって魔力が生体濃縮されるからだよな…… って! 岩窟の中にいる化け物ってアスタさんやテューポーンさんより強いって事ぉ? あのスタンピートを文字通り一飲みにしたウネウネ親父よりもってどんだけ…… 神様のアスタさんだってこんなにコジンマリしちゃったし…… 世の中にはまだまだ恐ろしい存在っているんだな…… それに――――

『おいレイブ、随分考え込んでいるが、お前大丈夫か?』

「え? はい、大丈夫ですよ」

『そうか』

 考察中に話し掛けられ、中断されてしまったレイブはぞんざいに答えて再び分析を始める。

――――それにあの『死なないで』は一体何なんだろう? 俺には回復なんて使えないし…… 一体? ペトラやギレスラは兎も角、消え去りかけたアスタさんやテューポーンさんを留められた力は回復や治療とは又、違っている効果の様な気もするし…… あっ、でも子供の頃にも有ったんだよな? 確か怪我をした俺をペトラが『微回復プチヒール』で治療したら何故だかたった一回で気を失っちゃって…… そうだっ! 途方に暮れて誰にとも無く願ったんだった、『死なないで』って! そうしたらペトラが治ったんだよな…… うーん、すると『死なないで』の力は件の化け物とは別件、そう言う事なのかな? あ、もしかして――――

『お、おいおいレイブ! 本当に大丈夫かよ!』

「? は? 大丈夫だって言っているじゃないですか、何なんです?」

『そうは言うが、お前――――』

「ちょっと黙っていてくれませんか? 今、大事な事を考えているんですよ、全く……」

『お、おう…… だが――――』

「ちっ……」

『っ! す、すまぬ、し、静かにしているから…………』

「ふうぅ~」



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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