【2276】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2276.ハック
コユキの手下でお菓子作りの道具と化していたキャシーがチョコチップクッキー作りに使役されている間、土堀りや岩盤を割る事に特化した彼女の相方である聖戦士にアンドロマリウスは語り掛けた、正に悪魔の囁きである。
お気付きだろう、ここでアメリカの聖戦士、ウィル・スミスであり、未来の鍛治王、レ・ジャルダンが関わってくるのである。
ウィルが持つ聖戦士の能力はハッキング、と言ってもコンピューター犯罪の方じゃなくて本来の意味の方、たたき切るとか切り刻むの方、皆さんならばゲーム分野でのハクスラなんかの方が判り易いのかも知れない。
まあ兎に角、ハックは現状を打破したり更なる進歩を齎す力技全体を指す、天水農法のハック耕なんかが良い例で、いかにもフロンティア精神溢れるアメリカ人らしい能力だと言える。
行き詰っていたアンドロマリウスはウィルの能力を欲した、目の前に立ち塞がった国家権力の強固な壁を破壊する為にである。
しかし、どうしたものか、聖戦士の能力や聖女のスキル、これらが何度試そうがどうやってもコピーした筈の砂金やコインからスキルが取り出せない、つまり他者に伝染す事が出来ない事実が発覚し、泣く泣く諦めるアンドロマリウス。
ここで、ここまで頷きつつ無言で聞いていたガトが質問だ。
「それでどうしたの?」
「ん? 可哀想だったからな、依り代になってやったのだ」
なるほどっ! それなら両者のスキルが共有出来るからな! ナイスアイディアじゃないかっ!
私、観察者はそう思ったがガトの反応は些か違う様だ。
「確かにそれでスキルは伝染るだろうけどぉ…… それって……」
レ・ジャルダンは鷹揚に頷きつつ返す。
「うむ、そもそもコインは無用、それが再認識されてしまったのだ」
これまたなるほど、そりゃそうだ…… ってかコインに限らずペジオやナガチカのスキルに比べてもこの依り代システムはめちゃくちゃ優秀なのだ。
失神レベルの痛みは勿論、件のホールデンルール、雑種劣性も起こらない。
しいて欠点を挙げるならば『馬鹿』状態の存在、更に、異なるアートマンが同居する事により少し狂ってしまう事実位だろうな…… うん、成果に対して微細なデメリットだけだ、やはり秀逸な手段である。
レ・ジャルダンの話によると、当時の幸福寺メンバーもその事実を思い出し、元々進めていた粗製乱造プロジェクトに戻っていったそうだ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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