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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1488.感染するの?


『ふわあーぁー、おはよう、レイブお兄ちゃん』

「おっ、起きたかペトラ、おはよう」

 目覚めたペトラは寝惚け眼のままで歩き出し、周囲を油断なく見回しているレイブに話し掛けた。
 一方のレイブは野営中の群れ全体が見渡せる高台代わりの岩から飛び降りて挨拶を返す。

 アガリアレプト、シド・リキードフォルムとの邂逅からこの朝で四日目が過ぎた事になる。
 旅に不可欠な水を持って帰ったレイブ達は仲間たちに起こった出来事の一部始終を語って聞かせた。
 群れの主要メンバー達は真剣な表情を浮かべながら、彼等が話す魔神とのやり取りやハタンガの現状、『鑑定』やコインのスキルについて耳を傾けたのである。

 一連の話の中で、特に一同が興味を示したのは予想通り、悪魔であるタリヒマルとエレーロギャップをその身に憑依させたミロンとブロルが揃ってスペックアップを果たした件について、であった。

 一様に身を乗り出して詳細を聞きたがるメンバーの中で、ガトだけは冷静な態度を崩す事無くレイブに話の先を促し続け、最後まで聞き終えると一際落ち着き払った声で一言だけ言葉を発した。

「二人はなるべく皆から離れている事ね、取り敢えずしばらくの間はね」

 レイブは首を傾げていぶかしそうに返した。

「そんな必要があるのか? お前の中のサタナキアとシドさんのアガリアレプトの間で何かがあったらしい事は察してたけど、こいつらには関係無いじゃないか?」

 この言葉にもガトは無感情で冷静な声で答えた。

 曰く、

「その通りよ、アタシ達の事は関係無いわ、そんな事じゃなくてね、悪魔のスキルは周囲に感染する事があるのよ、だから二人がスキルをしっかり制御できるまでは念の為、皆と距離を取っておいた方が良いって事なのよ」

「えっ、感染する、のか?」

 自分達スリーマンセルも光るスキルを持っていたレイブは明らかに不安な表情を浮かべていた。

「コユキや善悪のスキルだったら感染させたくても出来ないから心配いらないわよ、問題は悪魔のスキルだけ、依り代に入って直ぐだと無意識に拡散したりしちゃうの」

「そ、そうなのか」

「ええ、二人が依り代として少し成長すれば中から悪魔が制御してくれるわよ、タリヒマルもエレーロギャップも魔王種だからそこら辺はわきまえている筈よ、にしても……」

「ん、どした?」

「アガリアレプトよ! 全くどういうつもりなのかしら! そんな事位、百も承知でしょうにっ! 大体あいつって邪悪なのよ! 大方スキルを感染させて自分の信徒を増やすとか考えたんじゃないかしらっ? ああ、セコいわねっ! 陰湿なのよ、水だけにっ! ジメジメしてて執念深くて過ぎた事をいつまでもクドクドクドクド、昔から――――」

 結局ガトの怒りは収まらず、その日の午後は移動を断念する事を余儀なくされた一行であった。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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