【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1430.跳ぶ飛ぶ
「いやいや、虫だったらそれ位飛ぶだろ、普通じゃね?」
そう思うオーディエンスの方々も少なくないだろうがそんな批判は当たらない。
何故ならこのトビムシ、羽が無いのである。
つまりトビムシとは『飛び虫』では無く『跳び虫』なのである。
羽、と言うか翼を持った鳥が自分の何十倍、何百倍、渡りなんかで滅茶苦茶遠くまで飛ぶ事も確かに凄いし圧倒される、間違い無い。
イミダゾールペプチドって有用なんだな、そう思った方も少なくないだろう。
しかし、ここで改めて良ーく想像して頂きたい。
翼が無い、つまり飛行能力を持たない生き物の跳躍について、である。
陸上の動物で最も高く跳ぶ生き物はピューマだと言われている、その高さ実に七メートルに及ぶと言う。※諸説あります
一方幅跳びではスプリングボックの十五メートル、カンガルーやインパラなんかがこれに続くと言われる。
さて、体の大きさで換算してみよう。
ピューマの体長は小さな個体でも二メートル位はある、トビムシに比例させれば跳躍の高さは百メートルになる。
それはもう転落事故では? その通りである。
幅跳びはもっと判り易い。
二メートル四十位あるスプリングボックでは百二十メートル、割と小ぶりなインパラでも七十メートル位跳ぶ事になる。
カンガルーで考えるーと体長三メートル弱とすれば百五十メートルだ。※駄洒落ではありません
百メートル以上先から一瞬で目の前に現れる巨大なアカカンガルー…… きっと恐ろしいに違い無い、私、観察者は絶対に漏らす自信がある。
お判り頂けただろうか?
トビムシの能力とはそれ程規格外の物なのである。
しかもこの小さな虫の驚くべき能力はそれだけではない。
えっ! もう驚いたよっ? そうでしょう、判ります……
更に驚愕、嘘みたいな話なのだがこのトビムシ君、永続的に飛び続ける事が出来るらしいのだ。
今度は跳ぶでは無く飛ぶである。
ん? さっきは跳ぶだって言ったじゃん?
確かに……
だが判って欲しい、今度は正真正銘、飛ぶ話なのである。
簡単に言ってしまおう、トビムシは跳躍時、猛烈な勢いで回転する事でその距離を爆発的に伸ばす事が出来るのだ。
姿勢制御や回転酔い等歯牙にも掛けず、手加減無しで目一杯にクルクルすると、その最高回転数は秒間三百回を優に越える、分に直せば二万回以上だ。
高速回転は空気中、と言うかあらゆる流動体の中で揚力を生みだす。
判りやすく言えば、野球で投手の投げるストレート。
回転数が高ければ高いほど、手元で伸びる! とか表現されるがアレが揚力の例と言えるだろう。
一流のピッチャーで二千回転を越えるストレートは目の錯覚も協力すると浮き上がってくる様に感じられるし、逆に回転を極端に減らした投球はストンと沈む、フォークボールってやつだ。
重力や空気の影響で下に落ちる筈の球が落ちない、これがストレートの伸びである。
この場合、感覚的に感じるだけで実際には、落ちる度合いが少なくなっているだけで上がっている訳ではないのだが、トビムシ君の場合は違う。
実際に上がっているのだ。
回転し続ける限り、理論上は限界知らずに上昇し、飛び続けられる事になる、所謂フライハイってやつだ。
この現象はマグヌス効果と言い、十九世紀のユダヤ系ドイツ人の実験科学者、ハインリヒ・グスタフ・マグヌスによって認識されている。
興味があるオーディエンスの方は伝記でも探して読んでみて欲しい。
因みにマグヌスをマヌグスと表現し間違える表記が多い事でも有名な現象だと付け加えさせて頂こう、ググる際にはそちらで検索してみるのも手だろう。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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