【2271】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2271.不幸中の幸い
どうやら謎の放浪者はポーランド、ドイツの国境から、北東に向かうべき道を真逆の南西、鍛治王の里辺りまで彷徨って来ていたらしい、かなりの方向音痴君の様だ。
呆れた表情を浮かべたズィナミにレ・ジャルダンは言葉を続ける。
「で、里の者が私に泣きついて来たのだ! なにせ里から出た事も無いドワーフ共だろう? ハタンガを知る私に判断を仰ぐより他に手は無かった、それでな」
「それで? どうしたのよ?」
「無論、送り届ける為にハタンガに向ったのだがな、人っ子一人居らぬもぬけの殻だし魔力も濃過ぎてな、とても人が生存出来る状態では無かったからなぁ、仕方なくダソス・ダロスがいる筈のクルン=ウラフへ向い、なんかそっちも廃村っぽかったからこっちに来たのだ…… ここならペジオに会える、もしくはエルフ達に事情を聞けるかも知れんと思ってな! ははは、まさか皆が揃っているとまでは思いもしなかったがな♪」
なるほど、流暢な日本語が大変判り易い説明だ、善き哉。
ズィナミも負けず劣らずな日本語力を駆使してここまでの経緯を語って聞かせた。
大体ハタンガ崩壊の原因、魔力災害から学院設立までの苦労について、加えてモンスタースタンピートが凄かったとかサリトに本拠を移さざる得なかった事の顛末っぽい言い訳、そして悪魔が憑依したから全てを投げ打ってこっちに来た、私は悪くない、寧ろ被害者属性のが強い、でも、久しぶりに会えたから結果的にはラッキィだったよね? 的な内容であった。
ヘラヘラ笑顔で白い歯を見せているズィナミにレ・ジャルダンは返す。
「……そうか、遂にハタンガが陥落してしまったのか」
純白の歯が眩しいズィナミが答える。
「まあね、でも幸い皆元気よ? なんとかなるんじゃないの?」
うん、まあ、そうだな、失われた命より明日を生み出す力を喜ばないといけない感じだよ、不幸中の幸いって奴だな、残されたメンバーの今後に期待が募るって所じゃない?
レ・ジャルダン、ここまでの観察から類推するに元アメリカの聖戦士だったウィル・スミス、長き時を過ごして来た善悪和尚の盟友は複雑な声音で返す。
「う、うむ…… そうだな! 皆の無事が何よりだな! それで? 当然、逃げ出す時に光影の遺物を持って来たのだろう? あれさえあればまだまだ、未来に希望が持てるからなっ!」
へんてこパーティーが声を揃えた。
「は?」
「何よそれ?」
『ミツカゲ? 誰ですの?』
『知らない名前だが?』
『あれ? でもどこかで聞いた様なぁ……』
「ふんっ! ナガチカん家の親父さんだろっ?」
なるほど、当時から生きているペジオだけは直ぐ判った様だ、ダダ坊もまあギリ覚えていたらしい、頼もしさしか無い。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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