【1909話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1909.豹変
既に脇役に成り下がった誰も見ていない兄とは違い、衆目を集めているペトラは自分の十倍近くもある竜王に言ってのける。
『何よっ! 醸すわよっ!』
格好良い、流石は主役だ。
恐ろしい発言にもグラムランドは笑顔混じりで答える、若しかしたらもっと度数アップがご希望なのかも知れない、見た目通りウワバミ疑惑が生じる。
『今、離したらこのニーズヘッグの補助員死ぬぞ? ヒックッ、それはお前も望む所ではあるまい? ウィ~』
あれ?
『まあっ!』
思いも掛けない言葉、まるでギレスラの身を心配しているかの様な? ペトラもそう感じたのか両手の蹄を揃えて口の前に置き、わざとらしく驚愕の表情を浮かべている。
視線の先にはグラムランドが悪戯そうな顔つきで微笑み片目を閉じる仕草が映った。
何だコレ? 私、観察者は当然そんな事を思うのだが、当のペトラは浮かべた驚愕を一層深くしているだけだ、訳が判らん。
疑問の言葉は思い掛けない場所から起こった、地竜ヴァミスからである。
『竜王様、お許しになられるので? 戦いはここまでっ、既に勝敗は決したっ、とかそーゆーアレですか?』
だとしても急転直下過ぎるだろ? まだ真っ只中な感じだったじゃないか。
ギレスラは瀕死だろうがペトラは元気一杯、しかも彼女のターンが終わったばかりだ、こんな所でなあなあに仲直りじゃ納得いかん! 多くのオーディエンスの皆さんも同じ気持ちだろう。
突然ぶった切るにしてもだ、せめて、彼等の戦いはまだ続く、的に閉めてくれなければ…… アレか? 一つの戦いは終わった、しかし彼等が求める物はまだまだ遠い、の方? だとしてもちゃんと終わってもいないしなぁ、何だか制作サイドの偉い人がジポホウ違反やトクリュウ絡みで打ち切られるアニメみたいじゃん? ちゃんとしようよ、両方の意味で。
そんな事を考えさせている張本人、グラムランドはほろ酔いのご機嫌でヴァミスに答える、聞かせて貰うとしよう。
『戦い? かっ? グハハハッヒック! お前まで騙されるとは愉快愉快! クハハハハーァッ!』
ん?
『騙す? 何がです? 今までの戦いってガチっぽかったですよ?』
『クフフ、ヒック! 判らぬか? ウィ~、ガハハ♪』
繰り返される言葉に益々キョトンを深めるヴァミス。
次の声は彼の横、先程まで縛られていた夜虎、魔獣軍団長から失脚、再雇用を許されたばかりのレオニード父さんから発せられる。
『あっ! 若しかして…… コミュニケーション……』
『そうっ! それであるぞっ! ウィ~、ヒックッ! なっ? 豚の補助員?』
『えっ!』
不意に話を振られた黒い豚猪は驚きの声で返した。
ここまで一々発言者の方を向いては大仰に、ハッ、とした顔を繰り返していただけのペトラ…… すまん、多分何も判っていないと思うぞコレ…… コイツ等ちょいちょいこんな反応するんだよ、全く何にも一つも見当が付かない時にさ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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