【2246話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2246.ぺじお毒吐く
ペトラを一蹴したペジオは続きを話し始めたが、この辺りからは少しトーンに翳りが見え始めた、なんだろう、疲れたのかな? まあ見るからにウサギだからな、こまめな睡眠を繰り返すのかも知れない、仕方が無い奴だな全く。
内容はちょいちょい聞く感じの話、その頃知り合いが死んだとかの件から再開されていた。
まあ古今東西、常にどこかで誰かが惜しまれつつ死んだり、生まれたりして来たのが時間の蓄積、歴史なのだから、まあそんな事もあるだろう。
順風満帆な聖戦士スタートに水を差したのはロシアの聖女、カトリーヌの石化だったという。
カトリーヌ、本名はエカテリーナでコユキの聖女仲間だったナターシャの孫娘、確かソロで聖女業に勤しんでいた少女だった筈である。
そうか、あの娘、石化で亡くなったのか…… 当時以来、人類の死亡理由圧倒的一位だからなぁ、冥福を祈るしかない、南無南無……
「で、僕が駆けつけた時、彼女はまだ辛うじて息があったんだけどさ……」
お、おう、割とヘビーってか重めな話じゃないか……
聞き手の一同も無言のまま真剣な視線を向け続けている。
「僕にとってカトリーヌは特別な存在だったんだよ……」
お、おう、あれだよな…… 陰ながら慕い続けていたとか密かに想い合っていたとかそーゆーのだろ。
女子らしいと言えば女子らしいガトは表情に沈痛を浮かべて言う。
「愛し合っていたのね」
野ウサギは目を見開いて返す、ってかバレバレだぞ? 驚いてるなよ。
「は? 愛? そんな訳無いだろ! 彼女は僕の『異種混淆』を試した最初の人間、言わば実験動物ヒト一号だったんだからな! 観察対象に対して特別な感情なんか抱くわけないだろ!」
こーゆー奴だったな、ちょっと惻隠し掛けていた面々、とりわけ女性陣は揃ってげんなりしている、無論、私、観察者もその内の独りである。
無神経でマッドなウサギは語り続ける。
「それまでは植物同士を掛け合わせる『混成』しかやってなかったからね、動物に施す『異種混淆』はやっぱり刺激的で興味深かったんだよ、ましてや人間だろう? 感想とか言葉で聞けるからね♪ 痛み方とか吸収されていく側の恐怖とか鬱屈とか? あはは♪」
耳が腐る……
頑張り屋のペトラは異常者に話し掛ける。
『カトリーヌさんを何と合成したのよ、それが石化の原因だったりするんじゃないでしょうね』
「それは無いだろ、なにせ合成したのは彼女の祖母、元聖女のナターシャおばさんだったからね! 同じ人間同士でしかも肉親だよ? 相性はバッチリだった筈さ」
な、何だと!
『本人のお祖母さん? 何で又そんな真似を……』
「さあね、それがカトリーヌ本人の希望だったし僕も死蔵し掛けていたスキルの実証実験が出来た、ギブアンドテイクっつーかウィンウィンだろ? ついてたよ♪」
耳の腐食が一層進む……
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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