【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1584.内情
しかしあれだな、マナナンガルがこのカーミラを名持ちから外したのは理解できたな。
一応名前のパターン的には決まっている様だがまだ統一には至っていないらしいからな…… 相手を混乱させるだけ、そんな気配りだったのではないだろうか?
レイブ自身もそんな風に納得する事にしたのだろう、名前のはっきりしない猫女の緑の瞳から視線をさっさと戻して、はっきり名乗れる唯一のヴァンパイア、ヴラドと会話を継続だ。
「で? マナナンガル達はこうして下半身だけになるのが普通、そう考えて良いんだよな?」
「さいです」
『ふーむ、変わった習性の種族なのだな…… 先程まで至って自然に話していたのが今は惨殺死体にしか見えないとはぁ…… む? そう言えば確か、夜は眠っているとか言っていた筈だがぁ? 若しかしてこの状態を言っていたのではないのか!』
「おおっ!」
「さいでございます、脳はあっちで飛んでいますよね? ですからこちらの魔核には、夜の間、何の記憶も残りはしない訳でして…… それを彼等は眠っていて憶えていないと、そう思っている訳です」
『呆れたわね、そんでアンタ等ヴァンパイア達が夜中面倒見てあげてるって事なの?』
「ええ、先程見て頂いた様に魔核や重要な臓器を溢したりしたら大変ですからね、寝惚けてどこかにフラフラ歩いて行ってしまっても事ですから」
「大変だな…… って若しかして毎日? ソレ毎晩なのか?」
「さいです」
「むむむ」
『んでコイツ等は何も知らずにお前達を役立たず扱いなのか…… 何か釈然としないのだ……』
連日の夜勤に加えて結構な肉体労働、さらに賞賛どころかまともな評価もしないで自分達は白河夜船とはね…… 中々以上にブラックじゃないか、流石は夜叉と言ったところか?
思った以上に献身的に尽くしながらも、受けて然るべき感謝すらされていないヴァンパイア達、スリーマンセルは心中に生じたモヤモヤを消す事が出来ない様で、はっきりとした不快感を面に浮かべている。
そんな思いを知ってか知らずか、言葉を続けるヴラドのニヒルな笑みからは真意を推し量る事は難しい。
「仲間ですからね、お互いに助け合うのは当たり前ですよ」
「ほぅ」
「それに手を掛けているのは我輩達とて同じなのです、彼等がニンゲンとして活動出来る日中は逆に我輩達が眠りに就くのですからね…… 寧ろ、彼等の傷を見る度に戦いに参加出来なかったこの身の習性に臍を噛む思いを抱いているのです」
「そ、無念よね」
「忸怩たる思い……」
ヴラドの言葉に赤と黒の髪をした二人も自分の思いを吐露した。
なるほど、夜叉の大半が夜下半身だけになるこの群れでは、主な活動時間は日中になるのだろう。
そう考えればマナナンガル達が旅の行程で、眠っているヴァンパイア達を必死で守って来たであろう事も想像に易い。
それも全身に未だ残る程の大怪我を負ってである、文字通り捨て身で護り抜いて来たのだろう。
そこら辺の共生関係をざっくりとだが理解したレイブの口調はやや柔らかく変化する。
「そっか、良い仲間なんだな」
「ええ」
『事情に通じていない者が余計な事を言ってしまったな、気を悪くしただろう、済まなかったのだ』
「いえいえ、どうかお気になさらず」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU
いいなと思ったら応援しよう!
励みになります (*๓´╰╯`๓)♡