【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1375.キマイラ
鹿顔は負けない。
「そ、それが出て来ようとしているんですよっ! 結界を超えて登って来るのをブロルさんとミロンさん達が必死に抑えているんですっ!」
「何? 結界が効いていない? それは只の野獣か魔獣ではないのかね? モンスターには漏れなく効果覿面の筈なのだぞ? 亜神様の御技だよ? 御技」
「ですが本当なんです! それに体の大きさから野獣で無いのは明らかですし、魔獣にしては何か様子が違っていまして……」
「しかしいと尊い亜神様の御――――」
「様子がって具体的にはどんな感じなんだ?」
著しくバランス感覚を失っているシュカーラではなく、鹿顔はレイブの問いに答える。
「は、はい、全体的には大きなネコ科の猛獣っぽいんですが色々ミックスされてる感じなんです! 雄ライオンみたいな鬣にヒョウの様な斑紋、手足や尾にはトラそっくりの縞模様まであるんですよ!」
『むむ? 丸っきりモンスターの見た目なのだ』
ギレスラが溢した呟きに鹿顔の舌も勢いを増す。
「そうなんです! それに上下に剥き出された牙の凶悪さと言ったらもうっ! ギラギラと赤い血の様に光る目なんかも残酷そのものでっ!」
『そんなヒョウ属いないわ! 只の化け物なんじゃないっ? レイブお兄ちゃんどうするの?』
ペトラの類別にも該当するヒョウ属は見当たらないらしい、信頼性がグッと高まるコメントだ。
問い掛けられたレイブは余裕の風情に少しの気合を加えて堂々と答える。
「無論見に行くさっ! んで搾って飲んでやる! 勿論ガトにも分けてやるからな♪ さっ、案内してくれよ!」
「は、はい」
「アタシは飲まないって言ってるじゃないの!」
『どれ、私も行こう』
当たり前の様にレイブに付いて歩き出したぺトラとギレスラに続いて、文句を溢しながらのガト、更に後ろからはダソス・ダロスも移動を始めた。
今現在、クルン=ウラフの森に存在する最強メンバーがモンスターの元へ集まる中、シュカーラは一人迎賓館の広場に立って恍惚としていたのである。
鹿の獣人に急かされ続け、小走りで辿り着いた場所では、大勢の獣人達が手に手に武器を持ってのレイド戦が繰り広げられていた。
なるほど、里の境界っぽい柵の外、僅かな距離だけを隔てた場所には、目立たないが集落をグリルと囲む溝が掘られており、その一箇所が大騒ぎの現場になっていた。
どうやらそこだけが幅を広く取っているらしく、溝の内側、里の反対側には、捕らえたモンスターを出し入れする為なのか、斜めに設けた階段等も見えている。
その昇降口の際では、イヌ科とネコ科の獣人たちを指揮するミロンとブロルの怒声が響く。
「落とせっ! 倒そうとしなくていい、武器を揃えて下に落とす事に集中しろっ!」
「怪我した者はさっさと下がれっ! 代わりは前へっ、隙間を作るなぁ! ほれ、次の波が来るぞっ! 構えろっ!」
「落とせぇっ!」
「「「「「「「「おおぉぉっ!」」」」」」」」
声を合わせて必死に溝に向き合う獣人は十数人だが、すでに怪我を負ったと見える者も同じ位が後方でへたり込んでいる。
食料の補充に赴いた二つの隊が居合わせた事で、なんとかモンスターを押さえ込んでいる様だが、このままではジリ貧、遠からず瓦解するだろう事が容易に想像できる。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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