【2162話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2162.到着
エバンガの頭上、キャビンルーフの角間にどっかり座り込んだペトラは言う。
『後はカタボラだけね、ってもう乗っているじゃない! いつの間に……』
『グガァ』
『本当なのだ! 我が気が付かないとは…… 中々の穏形技術なのだ』
『えへへ』
『パダンパのなんちゃって木遁より全然凄いわね、頼もしいわ』
『何すか? 叔母さん』
『何でもないわよバイラオール』 ※バイラオールはフラメンコの男優です
『ん? そっすか……』
どーでも良いやり取りを経て心機一転、エバンガは湾の北端目指して爆走を再開した。
これから北端を西に回りこみつつ南下すれば目的地、ウラジオストクに到着する、そんな安心感からかターボエンジンの回転音も幾分軽快さを感じさせている。
荷台では暇を持て余したパダンパが棺桶の中を覗き込んでビッチリ詰まった黒猫の異様な姿に驚いたり、ドブネズミに鼻先を齧られてトムジェリっぽく戯れたりしていた、平和でまったりとした時間であった。
ウラジオストクに着けば元に戻れるかも…… そんな儚い希望に後押しされた一万cc10リッターエンジンは休む事無くパワフルに走り続け、やがて戦場を見下ろす高台へと姿を現したのである。
プッシュウゥー ブロロン
排気ブレーキが嘶く様に響き、一向はそれぞれ荷台から身を乗り出す様にして眼下の戦いに目を凝らした。
狼とトラ、並みの生物より視力聴力共に優れているミロブロが最初に言葉を発する。
「これ…… まさに死屍累々じゃないか」
「今戦っているのはぁ、ウータン、かな? 比較的小ぶりな奴だな」
なるほど、見下ろした草原では一体の人型が茶色の閃光とぶつかり合いを繰り返している、結構戦えているみたいだ、凄いじゃないか。
パダンパとレオニードもネコ科の視力を駆使してそれぞれの大切な存在を探す。
『ガト様は…… それにダソス・ダロスの兄貴は……』
『ルッカ! やられたのか…… それかもしかして追い抜いた? のか……』
ラマスも続く。
「んー? 倒れているのってアレ、モンスターじゃないの? ほらコカトリスっぽいニワトリ型の魔物よっ! 獣人やドラゴンは一体どこに…… それにウチの皆はぁ……」
キョロキョロと見回すが人間の感覚器官は脆弱だ、中々見つけられずにいる、いと劣等種っぽい、悲しい。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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