【2077話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2077.カネ
一度落伍者の烙印を押された者は二度と這い上がる事は出来ず、生きる為に僅かなカネを得ようともがき、それらの多くが犯罪にまで手を染めたのがこの時代であった。
犯罪者は捕まって裁かれ矯正施設に送られて善良な人々への見せしめとしての反面教師とされた。
下位の人間達は自らの行動を厳しく律し、同時に自らの子にも指導者が望む通りに育つ様、準備されていた教育を施す事に躍起になっていた、せめて生き残っていけるよう…… 只それだけを願って。
自分で判断出来ない程に未成熟な時から教育を強いられた子供達、一部の落伍者を除いて、ある者は運動能力の良さを、又ある者は記憶力や判断力の広さや速さを、そして大多数の者は社会に対しての従順さと真面目さを評価されて世の中、いや指導者の役に立つべく様々な仕事に就き、そしてカネを稼ぎ続けるのだ。
養殖された肉や魚、穀類や野菜、フルーツをカネで買い、カネを払って買った雑誌が教えてくれた通りの季節やトレンドに合わせた服や靴、荷物袋をこれまたカネで買い、一生の住居をカネを払って建てたり借りたり、その中を埋める勢いで家具やら調度品やらをカネを払って詰め込んでいく。
定期的に与えられる休日にはカネで得られる娯楽を楽しみ、余力があればカネで時間計測器を集めてみたりカネで髪形を整えたり変えたり、大量のカネで移動用の道具、クルマを買った上で燃料をカネで入れカネを払って洗いカネを払って専用の道を走ってカネを払って駐車したりする。
更にはカネを使った事にまでカネを払う謎ルール、しかもそもそもご褒美をもらった時点で各種のカネが天引きされているとゆー素敵な仕様…… そう、地獄すら生温いカネ至上主義の世界、それが令和と言う時代だったのである。
カネの為にカネを儲け、稼いだカネを浪費する事で満足を得て又カネを稼いでカネを使う、カネが減ったら不安になって無理してカネを増やして体調崩してカネで病院、はたまたカネでお薬、サプリメント、健康維持にカネでジムに通い、それっぽい衣装や道具は又カネで…… カネを払って太ってカネを払って痩せて、カネで推してカネで楽しんでカネで泣き笑い、でカネで弔う……
「ちょ、ちょっと待って下さいよ、カネって凄過ぎませんか?」
「確かに…… 食べ物から衣服、住処に娯楽、ですよね? 万能じゃないですか!」
『そうなのだ、だから当時のニンゲンはカネに目の色を変えたんだそうだ』
「ですよね」
「便利だしな」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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