【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1747.怪しい気配
面倒でも嫌でもやれ、だってお前が悪いんだから! そんな場面だと言うのにレイブは腕を組んで何やら熟考している様子である、どうした? 腹でも下したのか?
カタッ
『ジジッ?』
焚き火の燃える音だけが静かなリズムを刻む空間に、突如として鳴り響いた硬質な異音。
即座に反応したバッタのテューポーンは音のした方向、坑道の入り口を凝視し、心なしか纏った魔力も増大し始めている様だ。
つられる様にそちらに視線を送る一同の中から、野太く迫力満点な声を発したのは群れ一番の巨漢、森王ことダソス・ダロスであった。
『誰か居るのかっ! 盗み聞きとは感心出来ぬな、姿を現せっ!』
入り口横の岩陰から声が返る。
「にゃ、にゃーん」
「む?」
レイブだけは怪訝な声を発したが、すぐさま弟ドラゴン、ギレスラが笑顔で続ける。
『グアッ、心配いらんだろう、どうやら猫、野良猫であったらしい』
「うん?」
『なんだ猫か』
『ふぅ、脅かしやがる』
「びっくりしたわね」
『ね? てっきり誰かがこっそり聞いてるんじゃないかと思っちゃったわよね!』
まあ、この時代でも野良猫位はいるだろう、ほら、猫は自由を好むとか言うじゃん? 基本、野良なのだろう。
安心したガトは再び幼馴染のレイブに問い掛ける。
「ねえ、どうしようレイブ、アタシもう一回話さなきゃ駄目なの? 細かな所とか変わっちゃうと思うんだけどさ?」
それはお前が見境なく盛ったからでは?
そんな事は百も承知なのか、それとも本当に鈍いだけなのかは知らないがレイブは話を進める。
「そーだなー、そのままって訳にはいかないのか? ほら、何も無かった事にしてさっ、アイツ達が勝手に間違えてるとかって記憶を都合良く自己改変させたりしてさ、んで忘れちゃうとかさっ」
『うむ、それも一つの手ではあるのだ、何より楽だしな』
『それに寝て起きれば全部解決してるかも知れないわよ』
こいつ等に相談しても意味無いんじゃないか?
我慢強いガトはもう暫らく粘るらしい。
「アタシはそれでも良いんだけどさぁ」
良いのかよ。
「だけど?」
「あの子達ってレッサー並みに弱いでしょ? 普通ダキアってもっと強いのよ…… そこら辺に責任感じちゃうのよねぇ」
「ふむ」
『確かに死なない事と勝手に撒き散らしてる呪い以外はちゃっちいわよね、あっ、勿論アスタさんやシドさん、他の悪魔さん達に比べてだけどね』
いやコイツ等が知り合った悪魔が特別なんじゃないか? いづれ二つ名持ちの化け物ばっかりだからさ。
「それがお前のせいなのか?」
「…………本来ダキアってサルモクシス、ルキフェルだけに全ての信仰を捧げるのよ、でもアタシが解放した時に勘違いでバアルの信者っぽくなっちゃったでしょ? それに――――」
『それも化けているだけの偽者だったのだな…… 信仰の行き場が無い訳なのか』
「そうなのよ! サタナキアが魔神に覚醒した時ね、配下の悪魔も皆位階が上がったりしたんだけどさ…… あの子達って別れた時と寸分変わってなくて…… 成長した気配がこれっぽっちも見えないのよっ!」
『あー』
『レイブ?』
「うーん」
ゴッ! ガタガタッ!
『ジジジッ!』
『叔父さん、曲者っすっ!』
『何奴だっ!』
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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