【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1604.モーマンテスト
「いうあっ! 何なんこれぇっ! 痛っ! ってか、メッチャもふもふなんだけどぉっー?」
悲劇の始まりの合図は一匹、いや一人のお猿っぽい女性の叫びであった。
言うまでも無くハンペラの子分、いやマブダチの声、ちょっとイキった印象を与える金髪の女性、言い換えるならばキンシコウ似の娘が発した驚愕を伴った物である、皆さんに判り易い表現ではサビサビの脱色に昔懐かしい山姥メイク、そう伝えればお判り頂けるだろうか? 兎に角、彼女は言った。
「舐めんなっ! ウッキィーッ!」
そう叫んだ次の瞬間、コウモリの首は胴体から離れ彼女の足元に転がっていた…… 左手に一本だけ伸ばした小指の爪で切り取られたらしい…… 満足気に手の甲を流れる血を見つめる彼女の背後に数十の金色の影が音も無く浮き上がる。
「姫様、ご無事で?」
ひ、姫っ?
「モーマンタイ、ってかモーマンテスト! それより襲撃だわいっ! 散ってクレメンスっ!」
「ははっ!」
「「「「「「御意」」」」」」
短な返事だけを残し、金色の影は彼女の背後から即座に掻き消える。
「ふぅ」
息を吐いて周囲を見回す彼女の耳に、映像より早く届いたのはネコ科とイヌ科独特の唸り声、つまり群れの警護に当たっていた狩猟部隊の発した怒声の渦であった。
「何なんコレ…… いとヤバめザマス……」
彼女の呟きはギリギリ理解出来た、良かった!
所在無さげに佇んでいた彼女の背後に力強い着地音と共に同系のオレンジ色の巨体が現れる、ハンペラだ。
「フィンレーっ! ノーダメ?」
「モーマンテスト!」
うむ、やはりギリで意味が判る! 非常に効率的なコミュ手段だと言えるだろう、特にこう言った非常事態ならば尚更、である。
にしても、このキンシコウ似の彼女、フィンレーとかぬかすのか…… まあ、元々の意味は『ブロンズの戦士』だったか? ならピッタリと言えばピッタリなんだがぁ…… うーむ?
そんな事を考えている短い時間にも、ハンペラの周囲に続々と集結する色様々な類人猿達、そう、ウータンギャルズの面々である。
ゴリラ似のティーンが言う。
「なんかコイツ等、んま強くないぞな! 今、ミロンっちとブロルんの子分が捕獲ちゅう、ぞなもし」
なるほど。
小ぶりな彼女、トランジスタなボノボ似は割とクレバーだ。
「トッパッタからビビリンゲボーボーだったじゃんね? ガン突し過ぎぃ~、んでキャツらイヅコ界隈から来まし?」
お、おぉ、まだ何とか判るぞ。
リーダーのハンペラは深刻な表情で答える。
「アァシも見てねっしぃ、チルってたんよね、これガーチャー、ホンゴメ!」
「マ?」
「ま!」
うん、このやりとり、観察する意味あったのかな?
いやっ、あくまでも第三者として客観的な観察を旨としていた、筈な私が、ついつい陰鬱な気持ちになり掛けてしまった所を引き戻してくれたのだ、それだけでも有意義な観察だったに違い無い、きっとそうなのだっ!
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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