【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1283.森の王
振り向いたシュカーラはやや上方、特段何も見えない雨の中を見上げて声を返す。
「だ、ダソス・ダロス様! こ、このニンゲン達が連れてきたバッタの神が、あろう事か不浄なモノを召還してしまったのです~、それにユイ様ジロー様の事も、えっと、偽者だ等と訳の判らぬ供述を~っ!」
『何じゃとぉーっ! よっしゃっ、そんな奴等ぁ、わしがいてこましたるわいっ! 今、そこにいってやるからなぁー、逃げるんなら今の内だぞぉーっ! ボフォォーッ!』
どうやら声の主は噂の『森王』、ダソス・ダロスの物らしい。
ミロンやブロルのちょっと失礼な発言を諌めるでもなかったシュカーラだが、この大声には跪いて体を震わせている。
周囲を良く見れば、様々な種類の獣人たちも又、雨の中同じ様に跪いて頭を下げている様だった。
それなりに畏敬の念は持たれているようだ。
レイブもそれなりに緊張しながら彼等が見上げている空の辺りに視線を集中するのであった。
まだ見えない。
かなり遠くからの声だったのだろうか?
これはかなりデカイんじゃなかろうか?
そんな風にレイブが思った瞬間、隣に並んだペトラが小さな呟きを洩らしたのである。
『うーん、今の声ってダソス・ダロスのと違うんじゃないかなぁ?』
レイブ同様緊張気味だったギレスラが返す。
『そうなのか?』
『うん、なんか高い? ダソス・ダロスの声ってもっと渋めで低い声だったと思うの、多分だけど』
弟妹の話を止めたのは未だ緊張を解いていないレイブの叱責である。
「来るぞっ! ギレスラ、ペトラ、念の為に警戒を切らすなよ!」
『う、うん』
『判ったぞ!』
常であれば、出会った瞬間の問答や駆け引きを駆使して相手を煙にまき、交渉や戦いを優位に運ぼうと画策するレイブだが、今回ばかりは勝手が違う。
相対するダソス・ダロスは既に激昂しまくっているのだ。
姑息な手段や卑怯な詐術は、彼の怒りに更なる火を注ぐ事にしかならないであろう。
お得意の戦法を封じられたレイブは少なからず緊張していたのかもしれない。
だからこそ、うっかり見落としていたのである、巨体がこちらに向かっているにも拘らず、足音所か木々を揺らす木立の音一つしていない不自然過ぎる静けさの事を……
その緊張は隣に並んで臨戦態勢を維持しているぺトラとギレスラにも伝播していた。
両者ともレイブに倣って何も見えない前方の上空を凝視しつつ、抜かりなく全身に闘気を漲らせている。
だがしかし、スリーマンセルで突出した視力を誇るギレスラでも、巨大な筈のダソス・ダロスの影すら認める事ができない中、祈りを捧げる獣人たちの中から意外な声が上がり始める。
曰く、
「おお! 『森王』様だ!」
「偉大なり、天を衝くダソス・ダロス様!」
「今日は又一段と巨大なお姿ではないか! お怒りになっているんだ!」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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