【2029話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2029.混乱の到来
さて、ヘビ似のシュカーラがクラックの向こう側、日本に消え去った後、周辺は未曾有の混乱とパニックに見舞われる事となった。
鏡面に向かって泣き叫ぶ坊主頭のオラウータンに愕然として固まるニーズヘッグと黒猪、無駄にジタバタ走り回る夜虎と竜王の姿は配下のドラゴン達にも伝播し、あっと言う間に不確かなデマやフェイクニュースによる騒乱がパラトゥンカ中へと拡散されていった。
騒ぎを聞いて戻ってきたミロブロの目前では互いに臨戦態勢で睨み合うウータンギャルズと毒蛇軍団の姿、どうやらテオテオ言いながら嘆き捲るハンペラを見た類人猿共が早とちり、シュカーラを悪し様に罵った所を毒蛇共が聞きつけて一触即発状態に陥ってしまったらしい。
双方と面識のあるミロンとブロルが落ち着かせようと必死に説得している間の隙を突き、自由を手に入れたカメムシが鏡面に特攻したせいで再びのデスサンダースパイク発射。
持ち前の防御力で臭さを物ともしないキトラの前で次々と昏倒していく獣人達。
慌てたペトラは度数マシマシの魅了酒を展開、折り悪く変わった風向きで酩酊する巨大ボアと巨人の下敷きになる地竜の群れ…… 嗚咽と呻き声、刺激臭と腐敗臭が充満した正に地獄が溢れ出したが如き有様の中、ペトラの声が凛々しく響いた。
『行きましょう日本へ、ギレスラお兄ちゃん!』
『ンガっ? こ、ここは良いのか?』
『ここはもう駄目だわ! そんな事よりレイブお兄ちゃんが心配だわっ! あとヘビも…… さあ、仲間達を信じてアタシ達は先に進みましょっ! 多分ここよりはマシな筈よ!』
『わ、判ったのだ』
心を決めたペトラとギレスラは、仲間達がのた打ち回る中、しっかりとした足取りで鏡面に、いやその先に待つ伝説の地、日本に向けて歩き始めたのである。
暫らく後、鏡面周囲の平地、大体東京ドーム二十個分の場所は一見して野戦病院っぽく趣を変えていた。
横たわる獣人や魔獣、ドラゴン達の間を忙しく動くのはゲッコー似の獣人達、回復に長けたヤモリっぽい救護部隊、三つ子の母ステナが率いるチームである。
阿鼻叫喚の連鎖状況に陥った現場で、『回復』スキルを駆使して治療を行いつつ負傷者を励ますさまは正しく癒し、生来の爬虫類似な容姿はドラゴン達にも親近感を抱かせたらしく人気も上々だ。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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