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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1275.驟雨


「痛ててて、何だよ突然」

『ブフォーッ! ま、埋没しかけたわ……』

 普通なら大怪我の一つも負う所だろうが、流石はレイブとペトラである、ギレスラの尻尾を掴んだレイブは瓦礫を叩き落しながら脱出を果たし、ペトラは防御姿勢を取っただけで掠り傷一つ付けずに元々立っていた場所に佇んでいる。

 迎賓館を蹴り壊して一足先に外に出ていたテューポーンが慌てた素振りでレイブの懐、ローブの胸元に飛び込んできた。

「おろ? なんだよ甘えちゃって珍らしいじゃないか! あれか? ちょっと暴れ過ぎたとか思ってんのか、若しかしてぇ?」

『うふふ、そうなんじゃない? あら、雨? 驟雨しゅううかしら? って! ヤバっ!』

 ペトラが慌てた声を出したのも無理はない。
 驟雨とはにわか雨、所謂いわゆる水だ。

 先程までギレスラのブレスが暖めていた、訂正、灼熱化させていた鉱物は黒曜石である。
 黒曜石からガラス分を融かし出した状態で水をかけたらパーライトが出来る。
 元の岩石が爆発的に膨らむという副次効果付きで、である。
 広い部屋の床壁の半分近くに及ぶ黒曜石の溶融スラグが膨張したとすれば、この辺り一帯に莫大な影響を及ぼす事だろう、主に壊滅的な意味で……

 周囲を見回したペトラは素っ頓狂な声を出す。

『あら? あららら? 膨らんでないわね…… はてな?』

 言葉の通り、砂糖を加えた熱水に重曹を加えた感じで膨張するはずの溶融スラグは膨らんではいなかった、カルメ焼きの失敗的な風情でチーンと静まり返ったままだ。
 それ所か、先程流れ落ちたガラス分が少しづつ戻って来ているようで、元々の黒曜石の質感を取り戻しつつあるではないか。

『な、何これ? って、ぶ、ブヒイィー!』

ズ、ズ、ズズ、ズズズ、ズズーンッ!

 キョロキョロと周りを確認していたペトラは驚きの声を残して姿を消した。
 いや、正確にはバッタが蹴り壊す前と寸分の狂い無き形で、再建された迎賓館によってその姿を隠されてしまったのである。

 繰り返すが自動的である。
 摩訶不思議な事ではあるが、フルオートでリビルドされたのだ。

 例えるなら使用感でくたびれていたワイシャツが、洗濯によって形状記憶のバッチリ感を取り戻す、しくは小さく折り畳んだ簡易テントがストッパーの不備でトランク内でもう一度開いてしまう、更に例えるならば、あんなに苦労してダイエットしたってのにたったの二週間で元通りってぇ! だろうか?

 規模こそ違うがそれ位しか類似の例が思いつかない現象が起きたのである。
 オーディエンスの皆さんがこの場で目撃していたとすれば、さぞ盛大に眼球を剥き出して頂けた事だろう。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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