【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1765.チャレンジ
こんな無茶苦茶な不条理を突きつけられたと言うのに、スリーマンセルは揃って本気、当のパダンパも口を真一文字に結んで真剣な表情、どうやらやる気になっているらしい。
なにしろ、ニンゲンの叔父レイブが空を飛んだ事実を目にしているのだ、例のバイコーン戦でのクルクル虫アタックだ、若しかしたら俺もワンチャン、そんな事でも考えているのだろう。
『判ったっす! やってみます!』
「おお、良いじゃん」
『その意気なのだ!』
うわぁ、死んでも知らないからな。
『でどうすれば良いんすかね?』
「どうって、ギレスラ?」
『ドラゴンは飛びたい時に飛ぶ、パダンパ、お前、飛びたいと思ってはいるのだろう?』
出たよ、その謎理論。
『モチっす!』
『うむ、ならば大丈夫であろう、大空を楽しむが良い!』
『うっす!』
あーあー、具体的な手段は無しで精神論だけかよ。
『最初は高い所からの方が飛び易いんじゃない? この岩とかで良いんじゃないかな?』
『あっ、そっすね! 叔母さんナイスっすよ♪』
『そう? うふふふ』
………………マジか、若しかして、イケる、のか?
結論だけをお伝えしよう、皆さんの予想通り、イケはしなかった。
そりゃそうだ、そんな気分とか気合とかでなんとかなるならオージーやラテンアメリカは宇宙最強の金色戦士で溢れ返っているだろうしな。
母親と違い翼すら生えていない剥き身のタイゴンは、パダンパ逝きまーすっ! とか言いながら雄々しく飛び立ち、そして大地の頑丈さと土の味を知った、全身でだ。
その際の様子についてはあまりにも普通、と言うか只の無惨な落下災害なので割愛させて頂くが、スリーマンセルに励まされたパダンパが都合三回ものダイブに及んだ事だけはお伝えして置かなければなるまい、素晴らしい勇気、いやガッツだった。
あきらめるな! もう少しだったぞ! ちょっと浮き上がってたかも? 四度目の正直ぃっ!
無責任な応援を続けるスリーマンセルに背を向けて、四度目のチャレンジを断固拒否したパダンパは、自らの『治癒』で治り掛けている膝の露出した骨を悲しそうに見つめながら呟いた。
『もう良いでしょ…… 俺、泳ぎます、から……』
と……
その声に舌打ちで答える叔父と叔母、パダンパは又少しスリーマンセルを嫌いになった。
こうして、自らの姿を周囲に溶け込ますスキル『琥珀』と独特なお洒落センス『木遁』を持つキャス・パダンパは、三つ目の穏形技、『水遁』に向き合う事となったのである。
不承不承、嫌々、仕方なくではあったが、これで夢の猫影には結構近付いたのでは無かろうか? あ、だってばよー。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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