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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1202.検証


 最初に勝手に餌である魔石を持って中に入ってしまい、その後も迂闊な行動や見当違いのアドヴァイスで、状況を悪い方悪い方へと引っ掻き回したレイブに、ギレスラが声を掛ける。

『グガッ、お疲れ様だったな、レイブ』

 …………今の状況を見ていて、お疲れ様? だと?

『大変だったわねレイブお兄ちゃん!』

 いや、大変だったのは…… まあ、私、観察者が言っても届かないから仕方が無いか……

「ああ、エライ目にあったよ、やれやれだ」

 …………マジかよ、おい

 私が呆れている間に、本来の被害者であるグフトマがゴブリン居留地から助け出されて来たようだ。
 彼を護って仲間と争った緑のヤツと大柄な個体達は、まだ他のゴブリンと威嚇しあっているらしく、怒号めいた吠え声がけたたましく響き続け、落ち着けようとするホブゴブリンのステイも連呼されている。

 命からがら、本当に臨死状態で助け出されたグフトマは、鋼体術も解いて地に伏せたまま、全身から出血しつつ荒い呼吸を繰り返している。
 ペトラが興奮を隠し切れない声で話し掛ける。

『ねえ太師匠! やっぱりコレって愛よね! 素敵じゃない、種族を超えた本物の愛よっ! 愛よっ!』

「ペトラ、話より先に、まず太師匠に『回復』じゃね?」

あいよっ! 『回復ヒール』』

 ちきしょう…… 駄洒落かよ、下らねー……

 笑いのセンスが如何な物か、そんな評価は兎も角、回復の効果は顕著だ。
 全身の傷が治癒されたグフトマは開口一番、真犯人の体をおもんばかる。

「レイブっ! 大丈夫か? 大事無いだろうな?」

 うん、優しい。
 見た目は同世代にしか見えないが、やはりどこかお爺ちゃんスイッチ的なヤツがオンなのだろう。

「あ? 俺? 俺は大丈夫っすよ! ってか死に掛けてたの太師匠じゃーん!」

 言い方…… まあ、いい……

「そうか、良かったよ」

 ぐっ、優しい……

「それよりアレ! 凄いっすねあの黒い木の帽子! ゴブリン共避けてましたよ、なんすかアレ?」

 ああ、あれね。
 親切で優しいグフトマが教えてくれることだろう、シュリンカーの遺物、『一寸法師の針』についてね。

「ああアレか…… 実は良く判らんのだよ、アレって…… 昔からの慣習らしくてな、ウルシの樹液を塗って黒くした鉢を被っていればゴブリンに教われない、ってな? 只の言い伝えや迷信みたいだろ? だが、不思議と効果があるんだよ、コレ」

 えっ! 嘘だろ…… シュリンカーのアーティファクトって失われてんじゃんっ!
 時間の流れの残酷さを感じる…… まあ、仕方の無い事ではあるが、悲しい。

 ん?
 アーティファクトじゃないならなんでゴブリン達は模倣品を避けていたんだ? 恐がっている様にも見えたのだが……

「伝説ではな、昔は敵対心を持つゴブリンに対して間断なく痛みを与える効果がある凄い鉢が有ったと伝わっているんだと…… それで、今でも同じ見た目の物を作って被っているんだよ、おまじないの類だとは思うが便利じゃないか? だろ?」

 ああ、なるほどね……
 オリジナルが与えた痛みの記憶が世代を超えて伝えられたとかそんな感じなのだろうか?
 まあ、実際に経験していなくても親や上の世代が忌避きひしている物なら避けると言う行為自体は模倣しても不思議は無いな。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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