【1983話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1983.暴論 其の弐
余談かも知れないが、渡来人と帰化人、似た言葉ではあるがこの二つの違いをご説明しておこう、念の為だ。
帰化人はやって来た国に恭順し帰依し服属した者、渡来人は海を渡って来た者を指す。
皆さんの時代で言えば前者は日本国民、後者は旅行者や外国人労働者、永住許可者とかなのだろう。
ここで大切な事は、国家が迎え入れた帰化人は日本国に属する、この点である。
丸太舟か氷を歩いてか、海を渡って来た渡来人は日本が出来る前からやって来ていたのだろう、多分。
理由はそれぞれだろうが、まあ前述の新天地探しとかだったのでは? そう想像出来るだろう。
しかし、日本が国家として成り立った後、帰化人として加わった彼等は別だ、寧ろ亡命者の色合いが濃いのである。
国家として周辺国、とりわけ大陸の諸国に認められる為には、帰化人に戸籍を与え、姓氏を許可し、領地と衣料を融通する、言わば国際儀礼を守らなければならない、で無ければ蛮族扱いも已む無し、となってしまう。
と言った理由から帰化人は大切にされる、こちらが知らない先進知識を持っているとなれば尚更だ。
この仕組みで新たな領地領国を手に入れた帰化人は安泰、とはいかないのが島国日本ゆえ、である。
逃げ出した先の国が地続きだった場合、言葉が違っていた場合でもコミュニケーションは結構出来る、戦国春秋の物語で出て来る説客、国境を又にかける商人なんかもいるからだ、しかも互いの群れに、である。
これが日本では大きく違っている点だ、あちらに夷の日本語を解したメンバーはほぼいないだろうし、こちらサイドとしても中央の学者なんかが何人か片言、そんな感じなのである。
周王室の列強や長期政権の漢、ご近所付き合いが盛んだった百済や新羅、その後も覇権を確立した国なら兎も角、地方の諸侯レベルに至ってはちんぷんかんぷん、訳わかめな状態なのだ。
それで知りもしない土地を与えられてもどうしろと? ましてや領民付きで任された場合なんて罰ゲーム以外の何ものでも無いだろう。
いつしか彼等の多くは卑屈になる。
繰り返すが亡命者の殆どは元々王侯貴族なのだ、無力感も一入だった事は想像に易い。
慣れぬ食事や住環境に意味不明な言葉を繰り返す領民たち、きっと何度も何度も思い起こされた事だろう、自分達は敗者である、国を失ってこんな極東の未開な島までバックレて来た逃亡者なのだと。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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