【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1606.坑内の大広間
その後、ウータン子分の呼んだガト達によってギレスラは命をとり止め、何か人違い的な展開によってレイブとペトラ、そしてシュカーラとハンペラも無事坑道の外に助け出されたのだ。
何がどうなっているのか全く判らないまま、取り敢えずパダンパとダソス・ダロスが回復系のスキルを施した後、未だ目覚めぬ彼らを輪の中心に鎮座させた状態で始まったのが、哀れなポニー達の追悼式なのである。
何やら怪しさ満点だったヴァンプ達は、彼女等曰くバアルのガト(勘違い?)の号令の前には無条件隷属、すっかり良い子に変じてクルン=ウラフの民を坑道の中へと案内したのである。
彼女達が導いたのは坑道の入り口付近からそう遠く無い一本の間歩の行き止まり、広間になっただだっ広い場所であった。
この場に着くやいなや、獣人達はそこかしこで火を灯し始めたのである。
理由は既に述べた通り、仲間であり身内同然でもあるポニーの死を悼み、自分自身の中に生じた喪失感や無力感と向き合う為に他なら無いだろう。
その証に、彼らは火の周りにそれぞれ腰を下ろすと、無言のままで宴、いや膳の支度を整え始めたのである。
ここまでの旅では一度として口にしなかった(レイブ達は除く)果実酒を全員に行き届く様に回した後、これ又無言で杯を頭上に掲げてから一息に飲み干したのだ。
この間、宴の中央では、レイブ、ギレスラ、ペトラはすやすやと寝息を立て続け、シュカーラはブツブツ独り言を呟き続け、ハンペラは高熱にうなされ続け、ヴラドは入り口から持ち込んだキビの実をひたすら数え続けていたのである、笑顔で。
彼等の近くでは酒宴を他所に『治癒』を掛け続けるキャス・パダンパとガトの姿があった。
スリーマンセルが落ち着いた今は、パダンパはハンペラに、ガトは何やら執着一入で自分の世界に入り込んでいるシュカーラの横で効くかどうか判らないまま、取り敢えず『治癒』を多重掛けしている様だ、治ると良いな。
『偽神』でパダンパの姿に見えているのだろう、ヴァンプの三人娘は遠巻きで眺めながら、一々大仰に臥し拝んだり祈ったり感涙に咽び泣いたりしている、多くは言うまい、例の感じである。
当然ガン見されているガトはその独特な視線に気が付いていて、シュカーラの容態を気にしながらも、時々振り返ってそちらを窺っていた。
その度にヴァンプ達は目聡く気が付いては三人揃って嬉しそうに手を振ったりしている。
ガトも無碍には出来ないらしく、片手を上げ返して愛想笑いなんか浮かべていたが、直後にシュカーラに向き合うタイミングで、やけに大きな溜息なんかを吐いたりしていた。
何だろうか? 並大抵では無い屈託を感じてしまう。
全身、特に背中辺りからドヨっとした気配を漂わせ続けるガトの耳に、少し離れた場所から待望の声が届いた、レイブの物だ。
「う、うーん…… ここは? 坑道の中、なのか? 俺は一体……」
「レイブっ! 気が付いたのねっ!」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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