【1829話】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1829.見せ場
息子と虎、狼、虫けらの座員達が、空を逝く(誤字ではありません)自分を見上げる姿を見下ろしながらレオニードは思う。
――――弱体させられるとはな…… 思ったよりポンコツなんだな、レイブって…… いやしかしっ、本来の姿に戻り、更に部分的とは言えど極端な減量に成功…… いや強要されたこの体ならば勢いを殺しノーダメでの着地すら期待出来るのだ! くふふふ、見せて、いや魅せてやろうではないかっ、ネコ科の魔獣、そのアクロバチックさをっ!
内心でニヤリとほくそ笑みながら、再び真下の座員(脇役担当)に視線を移し、着地の準備に入ろうとした瞬間、彼等の不審な行動に気が付く事が出来た。
先程まで口をアホみたいに空けて上空を飛ぶ自分を見上げていた筈の四匹が、明後日の方を見ながら綺麗に左右に分かれ始めたのである。
皆さんに判り易く言えば、モーゼが杖を上げた時の紅海みたい、そう表現すればご理解頂けるだろうか。
こー道が出来るみたいに、ね?
――――何だ? あいつ等一体何故あんなフォーメーション? 着地とか見逃したらどーするんだ?
次の瞬間、ぶっ飛ばされて風を切り、周囲の雑音からも切り離されていたレオニードの聴覚が不穏な音を捉えた。
遂さっき聞いたばかりのデジャブ的な音、反復感覚しか無いその言葉は殺意に満ちている。
曰く、
『滾るぜぇ~、ブヒヒヒィ! 殺ってやる、今度こそ完璧に殺ってやんぜぇ~! ブヒヒヒヒイィ~ッ!』
『っ!』
音は漆黒の殺戮者が洩らした言葉であった、しかも初撃で仕留め損ねた事が更なる殺る気スイッチを押下したらしいのが発言内容から類推出来る、やり直しは色々な精度を上げて来る事が伺える、緊急事態だ。
――――やべえっ、着地した所を狙われたらイチコロじゃんっ! くっ、取り敢えず一刻も早く接地を完了して体勢を整えないとっ! ん? むむむっ?
緊急事態は更に予想外の局面を加える。
そもそもネコが着地の名人、そんな風に呼ばれるのは種族特性としての優れたバランス感覚、更に哺乳類の中でも空間認識に突出した平衡維持能力を有しているからである。
彼等の前庭器官の発達には目を見張る物があり、どの様な状態でも瞬時に適切な姿勢へと修正出来たりしちゃうからなのだ。
この時のレオニードはパンパンに頭が腫れた感じである、前庭器官は当然頭部、人間同様耳の内耳にある。
しかも直前まで走馬灯で自分の生涯を振り返っていた位のショック状態だ、冷静に動く内耳は持ち合わせていなかった。
その上四肢の内、思い通りに稼動できる部位も限られている、下半身なんかヘロヘロである。
そんな事を理解したレオニードには、ぶっ飛ばされた際に直撃された背中の辺りがあり得ないほど痛んで感じられた、これには精神的な部分も大きく関係しているのだろう。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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