【1996話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1996.異界
クラック、それは現世と幽世、魔界と呼ばれる世界とを結ぶ時空の裂け目である。
空間で無く時空と表現した理由は文字通り、魔界やそれに準じた異空間とは時間の流れ自体が別個の速度で運航されているからに他ならないからだ。
オーディエンスの皆さんに判り易い例を上げると、浦島太郎だろうか?
丹後の方の風土記で言えば浦之島子、キトラが竜宮城に案内した親切で正義感溢れる男のお話だろう。
彼はふざけて亀に化けていたキトラを悪ガキ共から救った、大変英雄的な行動でご覧になっているお子様にも是非見習って欲しい理想的規範である。※悪ガキによっては次の標的にされる場合もあります ご注意下さい
キトラを助けた島子がお礼に案内されちゃった海底の宮殿が竜宮城、通常の時間から切り離されたクラック、所謂、常世である。
この常世クラック、時間の流れが超遅い、ここで数日過ごすだけで地上では百年位経ってしまっているらしい。
皆さんに馴染み深い表現で言うとスーパーで最強な奴等が神コロ様の神殿内で気楽に使う、精神や時に関係したあの部屋、その真逆だと言えば判り易いだろうか?
まあ、竜宮城内部で暮らしている側からしたら、地上始め他の世界が精神アンド時なのだが、それは今は良しとしよう、複雑になるからね。
兎に角、作成者の設定で時間の経過速度に手が加えられている幽世、それが永遠と同義の常世なのだ。
黄泉の国とか根之堅洲国なんかもこの常世の一つと呼んで差し支えないだろう。
これらの異界、一時期こっち界隈で滅茶苦茶流行り捲った、もうそれはそれは一代ブーム、ありとあらゆる悪魔が思い思いの趣向を凝らしたクラック作成に邁進したのである。
トレンドと言うより一種の使命感と強迫観念に鞭打たれこのビッグウェーブに乗った、まあ昭和のマイホームブームのが近いかもしれない、実際大概の悪魔には住処でもあったし。
もうお気付きだろう。
一連の観察でご紹介したアスタロトのムスペルヘイム、バアルのヘルヘイム、ルキフェルが拵えてサタナキアに押し付けたニブルヘイムなんかもこのブームに後押しされて作られた物なのだ。
まあ言い出したらキリは無い。
天帝が坐ます天界や崑崙山にシャンバラ、ジャックが行った雲上の城もアリスが迷い込む不思議の国に鏡の国、ネバーランドや夏至の前夜、ワルプルギスの晩に貴族や職人が迷い込んだ妖精の森も当然これの一つだし、なんだったらお猿の天国、花果山水簾洞なんかもそうなのである。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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